ものづくり補助金平成30年度製造業奈良県

新素材プラを使った少容量・高精度・高品質容器生産体制の構築

株式会社大和化成

この事例のポイント

  • 多品種小ロットの試作品や緊急追加の案件が多く、都度生産計画の再調整が必要で、生産効率と利益率が改善できない状況が続いていた。
  • 補助事業では新型の電動式中空成形機を導入し、新素材であるPET・ナイロン・バイオ素材の量産を可能にした。
  • 電動式成形機の導入により新素材の量産が可能となり、素材樹脂の再利用とあわせて、電気代やメンテナンス費用などの生産コストの削減と生産リードタイムの短縮につながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大和化成
所在地奈良県 大和郡山市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野情報処理,精密加工,複合・新機能材料,材料製造プロセス,バイオ
設立1975年

事業の背景

当社は昭和50年に創業し、50ml以下のプラスチック中空成形容器を専門とし、特に3〜15mlの小型・細口容器を得意としている。主な顧客は化粧品や医療品業界で、小物容器を主力とするため試作品や緊急追加など多品種小ロットの案件が多い。現行の油圧式成形機は全7台のうち4台が40年以上経過し、メーカーサポート終了の動きも見えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算多品種小ロットの試作品や緊急追加の案件が多く、都度生産計画の再調整が必要で、生産効率と利益率が改善できない状況が続いていた。
  • 生産能力現在稼働している全7台のうち4台は油圧式成形機で導入から40年以上経過しており、メーカーサポート終了の動きもあった。
  • 新製品・新技術脱プラスチックの世論やガスバリア性の要求から、PET樹脂製品の顧客ニーズが高まっていたが、現行の油圧式中空成形機では成形が困難だった。

やったこと

補助事業では新型の電動式中空成形機を導入し、新素材であるPET・ナイロン・バイオ素材の量産を可能にした。これは全7台の油圧式成形機を徐々に電動式へ更新する製造体制刷新の第一歩として位置づけた。あわせて、飛び込み注文に対応するための生産計画立案業務をAIで自動化した。素材樹脂の再利用による資源活用も併せて進める計画とした。

加工機新型の電動式中空成形機
ソフト生産計画立案用のAIシステム

新しい製品・サービス:PET・ナイロン・バイオ素材を使った高付加価値の小容量容器

事業の効果

電動式成形機の導入により新素材の量産が可能となり、素材樹脂の再利用とあわせて、電気代やメンテナンス費用などの生産コストの削減と生産リードタイムの短縮につながった。導入成果として生産効率の向上も見られ、現行の油圧式成形機を電動式に更新する大きな要素となった。AIによる生産計画の自動立案で急な案件にも効率的に受注でき、機会ロスを最小限に抑えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    小型容器専門として創業以来の事業を位置づけ、「小型容器専門業者」を目指すと書かれている。経営戦略上の一貫性は読み取れるが具体策は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社が敬遠する3〜15mlの小型・細口容器が得意で、他社への代替が難しいと記載。外部環境と強みの関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    油圧式成形機の40年超経過やサポート終了、多品種小ロットによる生産効率・利益率の悪化という課題が明示され、電動式導入で対応する計画。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産効率向上、リサイクル率100%、リードタイム短縮などの目標は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    化粧品や医療品の試供品・小容量容器で、美しい小容量容器や高精度へのニーズが高まっていると裏付けを示している。

  • 事業化までの道筋2

    全7台のうち4台を徐々に電動式へ更新する方針はうかがえるが、スケジュールや課題解決の具体的方法は記載が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    PET・ナイロン・バイオ素材への対応や高精度・高付加価値製品を目指す点が、油圧式では困難な素材への挑戦として書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要創出、波及効果の記述は見当たらず、新素材対応による脱プラ対応がわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    電気代やメンテナンス費用の削減、生産効率の向上が示されるが、投資額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    AIによる生産計画の自動立案と電動式成形機の導入でデジタル技術を活用し、業界の課題解決につなげる内容が明示されている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    脱プラスチックや新素材対応の流れに触れており、成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    奈良県の立地は記載されているが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への言及はほぼ読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新素材への対応で高付加価値製品を実現し、多品種小ロット特化の生産体制を貫く。今後も高精度・高品質・高付加価値の製品提供と柔軟な生産体制・組織管理体制の構築を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。