ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

切削工具の再研削技術を応用した自社製品の開発

株式会社カッター産業

この事例のポイント

  • 被削材が軽く強い材質に変化し、切削工具が振動して削れない問題や工具寿命が短くなる問題など、難削材の加工に関する相談が顧客から多く寄せられるようになった。
  • 今回、新たにCNC工具研削盤を導入し、同社独自の再研削技術を活用して難削材の加工に適した切削工具を開発した。
  • 今回の設備導入により、難削材の加工に関する課題を解決する独自の切削工具を3種類開発することができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社カッター産業
所在地静岡県 浜松市
業種生産用機械器具製造業
技術分野デザイン,精密加工,表面処理
資本金350万円
設立1980年

事業の背景

同社は創業以来、使用済み切削工具を新品と同様に再生する加工技術(再研削・再製作)を強みとして、顧客のニーズに高いレベルで対応してきた。創業当初から蓄積したノウハウを活用し、高精度のCNC測定機やNC研削盤を積極的に導入して複合工具も高水準で加工している。一方で、切削工具は用途や形状が常に変化し種類も多岐にわたり、要求される加工技術や製品精度が年々高度化していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術被削材が軽く強い材質に変化し、切削工具が振動して削れない問題や工具寿命が短くなる問題など、難削材の加工に関する相談が顧客から多く寄せられるようになった。
  • 品質・精度切削工具は時代とともに用途や形状が変化し種類も多岐にわたるため、同社に要求される加工技術や製品精度が年々高度化している。
  • 新製品・新技術顧客の多様化するニーズに柔軟に対応するため、難削材の加工に適した独自の切削工具を新たに開発する必要があった。

やったこと

今回、新たにCNC工具研削盤を導入し、同社独自の再研削技術を活用して難削材の加工に適した切削工具を開発した。従来の直刃の形状を独自の加工でスパイラル形状に変形させ、耐久性と切削性を向上させた。試作工具のシミュレーションを重ねて刃の枚数や分割割合の最適値を導き出し、変形により加工時の振動を低減して加工面の悪化を防ぐ工具とした。

加工機CNC工具研削盤

新しい製品・サービス:難削材の加工に適した独自の切削工具(3種類)

事業の効果

今回の設備導入により、難削材の加工に関する課題を解決する独自の切削工具を3種類開発することができた。工具の設計により被削材へのアプローチ精度が向上し、不良率が低下してコストダウンにもつながった。また、製造工程の作業が簡略化され、全体の製造時間が約15分削減された。さらに、製品開発の会議を重ねたことで、従業員間の技術やノウハウの承継も進んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去から再研削技術を強みとしてきた事業の延長で、CNC工具研削盤導入と自社製品開発を位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    難削材の加工相談が顧客から増えたという外部動向と、再研削技術という自社の強みを組み合わせている。

  • 課題の認識と解決4

    難削材加工の耐久性・切削性の課題を認識し、直刃からスパイラル形状への変形で解決した点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    製造時間が約15分削減されたとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    製品開発に関する社内会議を重ねたことは書かれているが、人材や事務処理体制の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    難削材加工向けの新工具3種類という製品内容は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    試作工具のシミュレーションを重ねたとあるが、スケジュールや中長期の検証の記述は少ない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    難削材向けに独自形状の工具を開発したと書かれており、高付加価値化の方向性はうかがえる。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    製造時間の約15分削減とコストカットが挙げられているが、補助金額と効果の比較は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    浜松市の地域企業として技術承継や雇用拡大に触れているが、地域特性との関係は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は自社製品の開発を経営基盤の一つの柱として確立し、変化する経営環境と顧客ニーズへの柔軟な対応をさらに強化していく。競合他社との差別化や優位性を確保して売上高の増加を図るとともに、技術力の強化と承継、雇用の拡大につなげていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。