ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

バリレス、高品質エッジ切削加工品の製造、品質保証プロセス構築

株式会社ジーアクト

この事例のポイント

  • 2次加工で発生する0.3mm以下の微小なバリの除去が困難になっていた。
  • 既存設備に高精度の接触型測定器であるタッチプローブを設置し、位置精度0.003mmまで測定できるようにした。
  • タッチプローブの導入により、2次加工後の再クランプでも位置がずれず、2次不良のおそれが小さくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ジーアクト
所在地静岡県 浜松市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,精密加工
資本金3,700万円
設立1979年

事業の背景

同社は昭和54年の設立以来、日本の基幹技術である光産業を中心とした顧客に、非鉄金属などの精密切削加工を提供してきた。展示会をきっかけとした引き合いが増えた一方、顧客からの複雑な形状や品質要求も増えていた。近年はマシニングセンターでの加工において、ワークの小型化や加工の細かさが著しく進んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度2次加工で発生する0.3mm以下の微小なバリの除去が困難になっていた。
  • 品質・精度バリ処理を再クランプで行うと位置精度が出ず、2次不良を生む可能性があった。
  • 品質・精度顕微鏡を使った手作業のバリ除去では、ピントや深度の精度が十分に出ず、対象にキズをつけてしまう懸念があった。

やったこと

既存設備に高精度の接触型測定器であるタッチプローブを設置し、位置精度0.003mmまで測定できるようにした。これにより、精度不良を引き起こさない再クランプが可能になり、2次加工で発生した微小なバリにも同じ位置でクランプできるようになった。後工程のバリ除去作業には高性能マイクロスコープを導入し、直径0.3mmの穴のバリにも対応できるようにした。マイクロスコープのフルフォーカス機能により、細かなピント調節や位置合わせが不要になった。実際に作業する作業者も交えて、会社全体で試行錯誤しながら導入と体制づくりを進めた。

検査測定タッチプローブ
検査測定高性能マイクロスコープ

事業の効果

タッチプローブの導入により、2次加工後の再クランプでも位置がずれず、2次不良のおそれが小さくなった。マイクロスコープにより、微小なバリの除去作業が大幅に効率化された。マイクロスコープの画像による立体構造の分析機能で加工精度を客観的に分析でき、顧客への品質保証にも活用できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の光産業メーカー向け精密切削の取組が書かれ、今回の導入が既存の強みに連なることはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    小ロット・単品試作の多様な依頼に顧客対応力が高いという強みと、0.3mm以下の微小バリ除去が困難という弱みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    微小バリの発生防止と除去の安定化という2つの課題を特定し、タッチプローブとマイクロスコープの導入で解決を図ったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、位置精度0.003mmや0.3mm対応といった技術面の数値のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    作業者も交えて会社全体で試行錯誤しながら導入及び体制づくりに臨んだと書かれているが、人材や事務処理能力の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療サプライヤーを視野に精密加工を求める顧客像は書かれているが、選ばれる理由は強みとして大まかに述べられるにとどまる。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の中長期の検証やスケジュールは書かれておらず、導入と体制づくりの方針が述べられているだけである。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    微小バリ除去の高精度化で高水準の加工品質を目指す点はうかがえるが、市場の普及度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    作業効率が劇的に向上したとあるが、投入額に対する付加価値増や生産性の数値はなく費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    タッチプローブやマイクロスコープ、3Dプリンタの活用が書かれるが、サプライチェーン全体への貢献の記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    浜松市浜北区の地域のものづくりの一端を担うとあり、地域性はうかがえるが、雇用や地域経済の成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

精密加工が必要となる医療サプライヤーも視野に入れ、今後も顧客に寄り添った挑戦を続けていく。

事業者の声

最近は、お客様の要望に対し自社がどこまで対応できるのか客観的に判断できるように、3Dプリンタも活用しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。