ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

NC研削盤を利用した、夜間無人加工による高精度、低コスト、短納期、量産化加工

株式会社平野工業製作所

この事例のポイント

  • 顧客からの多品種製品の量産化への対応が求められていた。
  • NC研削盤を導入し、専用治具の製作とプログラミングによる自動運転で夜間の無人加工を行う体制を構築した。
  • NC研削盤による夜間の無人加工が可能になり、生産能力を2.5倍にすることができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社平野工業製作所
所在地静岡県 浜松市北区
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工,機械制御
資本金1億円
設立1965年

事業の背景

同社は昭和40年に創業し、自動車用アフターパーツ製品の製造を行っている。売上の約8割は自動車用アフターパーツが占める。大手販売店の㈱阿部商会やアピオ㈱などと試作品製作を通じて新商品を共同開発しており、近年は自動車用アフターパーツ製品への引き合いが毎年増加している。ドイツに本社があるビルシュタイン社の日本総代理店である阿部商会から部品の国内製造への切り替えの打診を受けたため、平成30年1月に新工場を稼働させて生産体制を増強していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力顧客からの多品種製品の量産化への対応が求められていた。
  • コスト・採算生産コストを低減する必要があった。
  • 品質・精度不良率を低下させ、品質を維持する必要があった。

やったこと

NC研削盤を導入し、専用治具の製作とプログラミングによる自動運転で夜間の無人加工を行う体制を構築した。対象製品はサスペンションセットのダンパーシャフトで、外殻とのクリアランスを極小化してガタツキをなくすため高精度性と高耐久性を確保し、表面を鏡面仕上げする。接触金属両側の微細な表面傷をなくして摩擦や熱による接触疲労を減らし、がたつきや騒音を軽減させる。ドレス加工工程を自動制御化し、量産化体制を構築しながら品質の安定を図った。

加工機NC研削盤

事業の効果

NC研削盤による夜間の無人加工が可能になり、生産能力を2.5倍にすることができた。自動化により熟練技術者がフリーになる時間が増え、品質管理体制の構築とともに生産コストの低減が図られた。ドレス加工工程の自動制御化により量産化体制を構築しながら品質の安定を確立した。加工精度や生産能力が従来より大幅に改善され、顧客からのコストダウン要請にも対応できる目途が立った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車用アフターパーツ製造の実績や大手販売店との共同開発が書かれ、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手販売店からの高評価と毎年増える引き合いが書かれ、自社の技術力を活かす強みが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    量産化、生産コスト低減、品質維持という課題を3点挙げ、NC研削盤導入で解決を目指す流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産能力を2.5倍とすること、夜間無人加工の実現、今後の価格交渉への効果など数値と事実で目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    技術者の負担軽減や熟練技術者の時間確保が書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客はビルシュタイン社の日本総代理店で、ダンパーシャフトの鏡面仕上げ需要など製品価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    量産体制構築、品質安定化、技術の内製化を今後進めると書かれるが、スケジュールや遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ダンパーシャフトの鏡面仕上げなど高精度・高付加価値の加工を対象としており、同分野での高水準の付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用創出や波及効果への言及はなく、わずかに生産体制増強による技術力向上がうかがえる程度である。

  • 費用対効果4

    生産能力2.5倍、熟練技術者の時間確保、不良率低下など、投資に対する生産性向上の効果が数値つきで示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    NC研削盤の自動運転やプログラミングによる無人加工は示されるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    電気自動車部品への技術力向上に向けた内製化が書かれ、成長分野への進出がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業で得られた技術を活かし、電気自動車部品への技術力向上に向けた内製化など、自社技術力の蓄積に努めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。