ものづくり補助金平成29年度製造業愛知県

IoT機能を搭載したロボドリル導入によるオートマチックトランスミッション部品の生産性向上

新和工業株式会社

成果穴あけ精度(誤差) 0.05mm→0.015mm

この事例のポイント

  • 穴あけ精度の誤差が0.05mmあり、油を通す細穴の加工で少しのズレが不良品の原因になっていた。
  • 平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用し、IoT機能を搭載したロボドリルを導入した。
  • 穴あけ精度(誤差) 0.05mm→0.015mm。ロボドリルの導入により穴あけ精度が向上し、目標を上回る精度を出せるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名新和工業株式会社
所在地愛知県 西尾市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数22人
資本金1,000万円
設立1980年

事業の背景

当社は自動車部品の量産品加工を主力とし、主力の自動車部品4種類で売上の約90%を占めている。自動車メーカーの下請業者を通じて、国内だけでなく海外でも使われている。世界での自動車生産台数の増加に伴い量産体制を整えてきたところ、既存顧客からさらなる量産ニーズの依頼があり、設備投資で対応したことで取引先からの安定した受注を得ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度穴あけ精度の誤差が0.05mmあり、油を通す細穴の加工で少しのズレが不良品の原因になっていた。
  • 生産能力刃具が途中で折れると生産が止まり、刃具の交換には約5分かかるため、生産効率が上がらなかった。
  • 生産能力細穴加工の1個当たりの加工時間が50秒かかっており、既存設備では期待する生産効率が見込めなかった。

やったこと

平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用し、IoT機能を搭載したロボドリルを導入した。これにより穴あけ精度、刃具の耐久性、加工時間の3つの課題の解決を図った。穴あけ精度は誤差を0.05mmから0.02mmとする目標を立て、0.015mmまで誤差を小さくすることに成功し、要望を上回る精度を出せた。刃具は主軸回転数を現行設備より25%上げたことで、素材に負けない強度を保てるようになり、1000個程度の生産で1回交換すればよくなった。加工時間は現行設備で1個当たり50秒かかっていたものを32秒まで短縮し、当初の目標40秒を上回る改善となった。

加工機IoT機能を搭載したロボドリル

事業の効果

  • 穴あけ精度(誤差) 0.05mm→0.015mm
  • 加工時間(1個当たり) 50秒→32秒

ロボドリルの導入により穴あけ精度が向上し、目標を上回る精度を出せるようになった。刃具の耐久性が上がり、刃具交換の回数が減ったことで生産性が大きく向上した。加工時間も50秒から32秒に短縮され、精度の高い製品を量産できるようになり、量産化への対応力が増した。さらに、この設備は熟練の技術に頼らず研修を受けた人材でも同様の精度を出せるため、経験値の高い人材を新製品の製造や新規受注の活動に充てられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品の量産加工を主力とし、既存顧客からの量産ニーズに設備投資で応えてきた経緯が書かれており、事業との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車部品の売上の90%程度を占める主力4種類があると書かれ、海外使用や新興国の需要拡大に触れるが、強み・弱みの分析までは書かれていない。

  • 課題の認識と解決5

    既存設備では期待する生産効率が見込めないと課題を認識し、穴あけ精度0.05mmを0.015mmに、加工時間を50秒から32秒に短縮した数値が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工時間を現行50秒から32秒へ、当初目標40秒を上回る改善を実績として示し、精度も目標0.02mmを上回る0.015mmを出したと数値で書かれている。

  • 事業を進める体制2

    研修を受けた人材であれば同様の精度を出せると書かれ、人材配置の記述はあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の量産ニーズや新製品への対応、国内外の需要拡大に触れているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体的に書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    今後は早期に市場情報を得てニーズに応じた生産体制を組む方針が示されるが、遂行方法やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    自動車部品のギヤ製品の細穴加工を高精度・高効率化した点はうかがえるが、分野の普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    国内外の自動車産業の需要や電気自動車の開発に触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工時間を50秒から32秒に短縮し生産性が大きく向上したと書かれるが、補助金額と付加価値増加の関係を示す数値はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    電気自動車や自動運転車の開発など市場変化に触れるが、日本経済の構造転換への寄与までは書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内では電気自動車や自動運転車の開発が進み顧客ニーズが変わる可能性があるため、早期に市場情報を得て生産体制を組み、国内外の市場拡大に対応するグローバルな受注拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。