ものづくり補助金平成29年度製造業三重県

自動化と効率化による住宅設備部品加工と真空ポンプ部品の増産体制の構築

宏洋配管機器株式会社

成果設備稼働率 60%→70.8%

この事例のポイント

  • 受注増に対し生産能力が不足し、顧客の増産要請に十分応えられていない。
  • 温水器の部品加工を担当していたローダー式NC旋盤を2台新たに導入して自動化し、温水器製造に使っていたNC旋盤と人員を半導体向け真空ポンプ部品の製造に充てた。
  • 設備稼働率 60%→70.8%。導入設備により一貫生産体制が強化され、マシニングセンタや従来のNC旋盤との連携で高精度・複雑形状の製品を提供でき、品質…

事業者のプロフィール

事業者名宏洋配管機器株式会社
所在地三重県 伊賀市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数13人
資本金1,000万円

事業の背景

同社はNC旋盤等を用いた難削材の旋削加工を得意とし、住設部品、ユニットバス配管加工、半導体向けクリーンルーム用真空ポンプなどの丸物精密加工部品を大手メーカー向けに製造している。主要顧客から増産要請があるが生産能力が不足し、特にステンレスの旋削加工では同業他社が精度・納期・コストのいずれかで対応できない案件を多く受けている。主力の住設部品は材料支給を受ける委託加工で、材料価格変動の影響を受けにくい。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注増に対し生産能力が不足し、顧客の増産要請に十分応えられていない。
  • コスト・採算生産能力不足から加工の一部を外注しており、外注加工費が増えて負担が大きくなっている。
  • 人手・技能工場全体の加工機の最適生産運用が確立されておらず、多品種少量生産に対応した一貫生産体制が未構築で、機械と人の稼働にロスが生じている。

やったこと

温水器の部品加工を担当していたローダー式NC旋盤を2台新たに導入して自動化し、温水器製造に使っていたNC旋盤と人員を半導体向け真空ポンプ部品の製造に充てた。導入設備でテスト加工を行い、加工部品の品質に問題がないかを検証した。1日の最大稼働時間は8時間(480分)とし、対象設備は既存設備7台と導入設備2台の合計9台とした。設備稼働率と1日当たりの部品生産個数を計測し、目標値の達成度合いを加工試験で検証した。

加工機ローダー式NC旋盤

事業の効果

  • 設備稼働率 60%→70.8%
  • 1日当たりの部品生産個数(半導体部品) 90個→111個
  • 1日当たりの部品生産個数(住設部品) 315個→479個
  • 1日当たりの部品生産個数(合計) 405個→590個

導入設備により一貫生産体制が強化され、マシニングセンタや従来のNC旋盤との連携で高精度・複雑形状の製品を提供でき、品質面の競争優位性を築ける。受注量や納期に余裕が生まれ、主要顧客の受注が安定して経営リスクを分散できる。切削工程では自動化や省エネ・省スペースが実現し、社内生産比率の向上で営業と製造の連携と業務効率も高まる。1日あたりの部品生産個数は住設部品を中心に増加したが、半導体部品は目標に届かず、設備稼働率も目標の80%には至らなかった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    主要顧客からの増産要請に応えきれず外注が増えていたとあり、受注増対応の延長として自動化投資が位置づけられている。ただ、経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ステンレス旋削で精度・納期・コストのいずれかに対応できない案件が多いと競争環境に触れ、半導体向け真空ポンプ等の強みも示されている。ただし市場動向の分析は簡潔。

  • 課題の認識と解決4

    受注に十分応えられず外注費が増加、設備稼働率60%から70.8%へ改善、部品生産個数405個から590個へと課題と効果が数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    稼働率目標80%に対し70.8%で未達、1日の部品生産個数は目標値に対し実績を示すが、付加価値額や賃上げの目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    担当者1名が2台持ちで製造していたことは読み取れるが、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力の具体的記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    半導体向けクリーンルーム用真空ポンプ部品の高度な加工技術が評価され生産増の要求が強いと述べ、顧客や選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ローダー式NC旋盤2台導入と自社一貫生産体制の強化を記載するが、中長期の課題検証やスケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    複雑形状の新製品開発や高精度加工での競争優位を述べるが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す数値は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    住設部品や半導体向け部品の製造に触れるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果4

    2台の導入で部品生産個数が1日405個から590個(45.7%増)、稼働率が10.8%向上と投資効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    NC旋盤の自動化や省エネ、プロセスイノベーションに触れるが、デジタル技術の活用や地域・サプライチェーンへの貢献は具体的でない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三重県伊賀市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用拡大への言及は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

住設部品の生産性は大幅に改善し、新型NC旋盤の導入で丸素材の内製加工能力も高まり、リードタイム短縮と受注量の増加が見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。