ものづくり補助金平成29年度製造業京都府

高速外観印字検査装置向け大型ベースプレート等の高精度加工技術確立計画

株式会社山中精工所

成果加工可能最大サイズ 1,350mm→2,050mm

この事例のポイント

  • 大型ベースプレートを一体で加工できる設備がなく、既存装置では加工可能範囲を超えるため、プレートを180度反転させて2回に分けて加工するなどの特別な対応が必要だった。
  • 高精度立型マシニングセンタMILLAC852VⅡを導入し、最大テーブルサイズ2,200×850mm、加工ストローク2050×850mm、主軸回転数15,000min-1、高圧クー…
  • 加工可能最大サイズ 1,350mm→2,050mm。大型ベースプレートを効率的に加工できる生産体制が整い、当社が扱う大型製品のほぼ全てを自社で加工できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山中精工所
所在地京都府 京都市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数46人
資本金4.5億円
設立1925年

事業の背景

当社は多品種小ロットの部品製作や半導体製造装置・各種産業機器の設計から組立までを一貫して手がけ、主要部品を内製化して品質の維持・向上を図っている。大手3社との取引で売上の約65%を占め、他に約70社と取引している。医薬品分野では、ジェネリック医薬品の普及による誤飲防止や調剤過誤防止の需要があり、錠剤の外観検査と印字を同時に行う装置が市場から求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型ベースプレートを一体で加工できる設備がなく、既存装置では加工可能範囲を超えるため、プレートを180度反転させて2回に分けて加工するなどの特別な対応が必要だった。
  • 品質・精度プレートを反転させて加工するため加工基準(原点)が変わり、プレートの反りや捩れで加工精度が悪くなっていた。
  • 人手・技能段取替えの無駄やプレートの取り付け向きが180度変わることで加工箇所の勘違いなど人為的なミスが起きやすかった。

やったこと

高精度立型マシニングセンタMILLAC852VⅡを導入し、最大テーブルサイズ2,200×850mm、加工ストローク2050×850mm、主軸回転数15,000min-1、高圧クーラント1.5MPa、サーモフレンドリーコンセプトの熱変位対策を備えた設備で大型ベースプレートを加工する体制を構築した。製薬会社向けの錠剤外観検査及び印字装置の試作開発に参加し、装置の加工部品の製作と装置組立を担当した。大型ベースプレートを一体形状で一回の段取作業で連続加工することで、加工基準を一つに定め、穴ピッチ精度もマシニングセンタの位置決め精度と同等に得られるようにした。

加工機高精度立型マシニングセンタ MILLAC852VⅡ

新しい製品・サービス:錠剤の外観検査と非接触での印字を同時に行う装置

事業の効果

  • 加工可能最大サイズ 1,350mm→2,050mm
  • 位置決め精度 0.01mm→0.003mm
  • 穴ピッチ精度 0.1mm→0.01mm
  • 平面度 0.05mm→0.01mm

大型ベースプレートを効率的に加工できる生産体制が整い、当社が扱う大型製品のほぼ全てを自社で加工できるようになった。錠剤外観検査及び印字装置に関する部品の一貫生産体制も実現した。段取替えをせず一工程で加工できるため生産性が大幅に向上し、人為的ミスも防止できるようになった。ベースプレートの高精度加工技術も確立し、拡大する医薬品市場で優位性を築けるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成25年・27年の補助事業で装置開発を継続してきた経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医薬品市場の多品種化や錠剤印字需要に触れ、自社の一貫生産体制を強みとするが、競争優位の根拠は数字で示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    段取替え・反り捩れ・基準原点の変化という課題を具体的に挙げ、新設備導入で1工程化した方法が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    位置決め精度±0.01→±0.003mm、穴ピッチ±0.1→±0.01mm、平面度0.05→0.01mmなど目標と成果の数値が表1で示されている。

  • 事業を進める体制3

    加工設備27台・CAD/CAM9台や内製化へのこだわりは書かれるが、補助事業を担う人員や事務体制の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    錠剤外観・印字の同時検査装置という製品価値と、製薬会社向け試作の顧客ニーズが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の印字方法改良やインク速乾性向上など今後の展開は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業界で高スペックの超高速検査・印字装置は未商品化と述べ、大型ベースプレートの高精度加工という高付加価値分野を示している。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    ジェネリック普及による誤飲防止や調剤過誤防止という社会的意義がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    非接触の高速印字と画像処理の組み合わせを挙げ、医薬品製造現場のイノベーションに関わる可能性が読み取れる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    医薬品市場の拡大に触れ成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

印字精度の向上のため印字方法の改良やインクの速乾性向上を行う。今後も最新の工作機械へ積極的に設備投資し、技術力・品質・生産性・納期対応の向上に取り組む。『Made in Yamanaka』ブランドの構築を図り、社会に貢献できる企業を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。