ものづくり補助金平成29年度製造業京都府

NC加工機導入による、生産力向上、短納期化、技術継承の解決

株式会社鐵工社ブル

成果パネル材料 枠作成時間 97分→56分

この事例のポイント

  • 従来のサイレンサー製造工法では、パネルを12枚箱状に組み上げる作業を熟練作業員が手作業で行うため、工数と手間が大きくかかっていた。
  • サイレンサーの構造を見直し、中の仕切りまで吸音パネル化する従来工法を改め、外枠だけを吸音パネルで箱状に組み立て、その中に筒状にした吸音材を入れ、両端にアルミ板を円形にカットして取…
  • パネル材料 枠作成時間 97分→56分。パネル材料の製作時間が約31%減り、生産性の向上と生産リードタイムの短縮が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社鐵工社ブル
所在地京都府 京都市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数20人
資本金3,000万円
設立1970年

事業の背景

当社は1970年設立で、主にアルミ材の加工を手掛ける鐵工所として技術を積み重ねてきた。近年の都市環境問題である騒音に対応し、多種類の吸音に特化したアルミ製防音パネルを自社開発して製品化している。主要製品のアルミ製防音パネルは売上の80%を占め、主要取引先は製造メーカー、建設会社、官公庁、学校などである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のサイレンサー製造工法では、パネルを12枚箱状に組み上げる作業を熟練作業員が手作業で行うため、工数と手間が大きくかかっていた。
  • 品質・精度円形の加工精度が悪く、サイレンサーの設置による騒音低減効果も十分に得られなかった。
  • 人手・技能熟練作業員に作業が依存しており、技術差や工場作業員の減少という課題があった。

やったこと

サイレンサーの構造を見直し、中の仕切りまで吸音パネル化する従来工法を改め、外枠だけを吸音パネルで箱状に組み立て、その中に筒状にした吸音材を入れ、両端にアルミ板を円形にカットして取り付ける新工法とした。これによりパネルの数を減らして製作時間とコストの短縮を図った。また、NC加工機を導入してパネルの100φ穴を自動で開ける工程とし、部品点数の削減と自動加工しやすい設計により製造時間の短縮と性能向上を目指した。NC加工機の導入では、代表取締役を中心にベテランから若手までの従業員で取り組み、若手作業員にも操作方法をトレーニングした。

加工機NC加工機

新しい製品・サービス:一般家庭向けの防音商品「be Base」。Dr30相当の防音性能を持ち、サイズ変更も可能で、薄型LED照明を備える。

事業の効果

  • パネル材料 枠作成時間 97分→56分
  • パネル材料 吸音材・遮音材作成時間 72分→34分
  • パネル材料 製作時間合計 303分→208分
  • サイレンサー設置後の音量 73.5dB→64dB
  • 対策効果 -4.2dB→-13.7dB

パネル材料の製作時間が約31%減り、生産性の向上と生産リードタイムの短縮が実現した。防音性能も向上し、新工法では対策効果が13.7dB減衰となった。NC加工機の導入により生産性向上、生産量増加、短納期化の目処が立ち、技術継承と工場作業員減少の課題も解決できた。大手企業や役所などから問い合わせや見積依頼が増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    1967年のアルミ代理店化から1990年の吸音パネル開発へと、アルミ加工の技術を積み重ねてきた経緯が事例に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    騒音問題に対応する吸音パネルを自社開発し、売上の80%を占める点や、大手企業・官公庁からの問い合わせが増えた点が書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    手作業の工数が課題とされ、製作時間が5時間3分から3時間28分へ約31%減ったと数値で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    製作時間の削減率は示されているが、付加価値額や賃上げについての目標値は事例に書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    ベテランから若手までの従業員で取り組み、若手作業員へNC加工機の操作を訓練したことが書かれているが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    騒音対策の需要に対し、Dr30相当の防音性能や13.7dB減衰など、製品の効果が数値で示されている。

  • 事業化までの道筋2

    関西や全国への展開、東京の展示会出展に言及はあるが、スケジュールや遂行方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    厚み20~100mmのオーダーメイド対応や、他社製品にない吸音構造など、同分野での差別化点が書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    社会問題となった騒音対策に取り組むとされるが、波及効果や雇用創出の数値は事例に書かれていない。

  • 費用対効果3

    製作時間や防音性能の改善は数値で示されているが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC加工機の導入は示されているが、先端的なデジタル技術を地域やサプライチェーンに広げる内容は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    社会の騒音増加を背景に音環境コンサルタントを目指す方向性が示されているが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は、この取り組みを関西、そして全国に広げていく考えである。また、「音環境コンサルタント」として快適な音環境を整える最適な解決策を提供していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。