ものづくり補助金平成29年度製造業大阪府

3Dレーザー加工機導入による精密板金製造プロセス強化計画

株式会社豊里金属工業

成果穴開けの公差 0.3mm→0.02mm

この事例のポイント

  • 金型を使った仕掛品の穴開けには、治具の製作や角度の計算、手作業に多くの時間が必要だった。
  • 3Dレーザー加工機を導入し、絞り加工の特徴に合ったレーザー加工で穴開けを行えるようにした。
  • 穴開けの公差 0.3mm→0.02mm。3Dレーザー加工機の導入により、従来3工程必要だった穴開け作業が1工程で済み、工程数の削減と作業時間の短縮が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社豊里金属工業
所在地大阪府 大阪市東淀川区
業種金属製品製造業
技術分野情報処理,情報処理,精密加工,精密加工
従業員数8人
資本金1,000万円

事業の背景

家電向けを中心とした試作板金を手がけ、短納期で高精度な板金技術を武器に成長してきた。主な取引先は家電・自動車・建築金物・OA機器などのメーカーで、メーカー頼みの下請けの立場にとどまりがちだった。業界では各メーカーの東京移転や外国資本の流入、少子高齢化により市場成長は見込めず、改善の兆しも感じられないという。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力金型を使った仕掛品の穴開けには、治具の製作や角度の計算、手作業に多くの時間が必要だった。
  • 納期・工程従来の穴開けは2次元レーザーと治具、または熟練工の手作業で行うため、3工程が必要だった。
  • 品質・精度熟練工の手作業による穴開けの公差は0.3mmにとどまっていた。
  • 人手・技能熟練工が手作業の穴開けに時間を取られ、より高度な作業に取りかかれなかった。

やったこと

3Dレーザー加工機を導入し、絞り加工の特徴に合ったレーザー加工で穴開けを行えるようにした。併せて3D対応のCAD/CAMシステムを導入し、加工技術をデータとして蓄積できる体制を整えた。マシニングセンタ、1,000tの油圧プレス、ワイヤ放電加工機といった設備もそろえ、3D加工に対応できるようにした。進化型ハイブリッド金型を確立し、切削加工で仕様変更の多い部分を、積層金型でそれ以外の部分を作る構成とした。

新しい製品・サービス:進化型ハイブリッド金型(積層金型と切削加工金型を組み合わせた金型)

事業の効果

  • 穴開けの公差 0.3mm→0.02mm
  • 穴開け作業の工程数 3工程→1工程

3Dレーザー加工機の導入により、従来3工程必要だった穴開け作業が1工程で済み、工程数の削減と作業時間の短縮が実現した。穴開けの公差は0.3mmから0.02mmに向上し、高精度な試作品を若手技術者でも製造できるようになった。製作時間の短縮と製造単価の低下、精度向上により、受注率の向上という好循環を目指している。熟練工は機械では対応できない高度な作業に力を注げるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性家電向け試作板金で短納期・高精度を武器にし、進化型ハイブリッド金型で差別化すると書かれ、強みと市場の関係が具体的に読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決穴開け公差が0.3mmから0.02mmに、工程が3工程から1工程に減ったとあり、課題と解決の関係が具体的に示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け短納期・高精度・低価格の試作板金と進化型ハイブリッド金型の価値、家電メーカー等の取引先が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋BtoC展開を探るとあるが、中長期の遂行方法やスケジュール、課題解決の方法は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に3Dレーザーや設備を順次そろえてきたとあり、3D加工対応という一貫した方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    家電向け試作板金で短納期・高精度を武器にし、進化型ハイブリッド金型で差別化すると書かれ、強みと市場の関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    穴開け公差が0.3mmから0.02mmに、工程が3工程から1工程に減ったとあり、課題と解決の関係が具体的に示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    工程削減や公差改善の実績は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の数値評価は難しい。

  • 事業を進める体制3

    従業員8名で若手技術者もCAMで高精度試作ができるとあり体制は読み取れるが、事務処理能力などの記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    短納期・高精度・低価格の試作板金と進化型ハイブリッド金型の価値、家電メーカー等の取引先が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    BtoC展開を探るとあるが、中長期の遂行方法やスケジュール、課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    業界は市場成長が見込めないとされ、差別化による高付加価値化は述べられるが、高価格化の具体的数値は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    下請けからの脱却や職人技の活用という記述はあるが、地域経済や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    工程数削減や時間短縮は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は記載がない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dレーザーや3D対応CAD/CAMの導入で加工技術をデータ化するとあり、デジタル活用は読み取れるがサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    大阪市東淀川区の中小板金事業者として技術で受注を伸ばす姿は読み取れるが、地域の経済成長を牽引する記述は限定的。

今後の展望

異業種メーカーへの提案活動を進め、BtoB中心から、BtoC向けの製品展開の可能性も探っている。

事業者の声

金属製品の試作はどのような物でも創る

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。