ものづくり補助金平成29年度製造業兵庫県

未利用間伐材を活かした畜産向け「オガ粉製造」における新生産方式への挑戦

株式会社コバヤシ産業

成果新設備の1日(8時間稼働)の生産量は100㎥

この事例のポイント

  • 製材所の減少で、オガ粉の原料となる端材を安定して仕入れることが難しくなっている。
  • 適正価格で畜産資材を安定供給するため、オガ粉の自社生産を開始し、生産能力を強化する大型オガ粉製造機を導入した。
  • 新設備の1日(8時間稼働)の生産量は100㎥。新設備の導入により生産能力が大幅に高まり、従来設備との同時稼働で生産性は約12倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社コバヤシ産業
所在地兵庫県 朝来市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野材料製造プロセス
従業員数10人
資本金300万円
設立1984年

事業の背景

当社は地域の製材所や木工所からオガ粉、プレーナー、バークを仕入れ、畜産農家等に販売してきた。近年は製材所の廃業や新築住宅需要の低迷により原料を安定して確保することが難しくなった。バイオマス発電事業の普及により材料価格も高騰が続いていた。オガ粉やプレーナーに代わる無害で優良な畜産用敷材は未だ存在せず、畜産農家からの要望は非常に高かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算製材所の減少で、オガ粉の原料となる端材を安定して仕入れることが難しくなっている。
  • 生産能力畜産農家からのオガ粉の需要に供給が追いつかなくなりつつある。
  • 人手・技能従来のオガ粉製造は材料の選別や割り作業などの工程があり、1工程につき2名の作業者が必要だった。
  • 生産能力従来設備は材料投入口が18cmと小さく、大きな材料は事前に割る必要があった。

やったこと

適正価格で畜産資材を安定供給するため、オガ粉の自社生産を開始し、生産能力を強化する大型オガ粉製造機を導入した。新設備は投入口の直径が50cmあり、材料の選別や割り作業を経ずに直接加工でき、許容範囲内の寸法であれば大小形の異なる材料をまとめて投入できる。機械は十分な剛性を持ち、モーターの動力は従前の4倍以上で、硬く重い材料にも対応できる。加工後のオガ粉は排出口から送風機で保管スペースへ運ばれる仕組みである。新設備の1日(8時間稼働)の生産量は100㎥で、従来設備の約5倍の能力を持ち、従来設備も同時稼働させると1時間当たり合わせて15㎥の生産が可能になった。

加工機大型オガ粉製造機

事業の効果

  • 新設備の1日(8時間稼働)の生産量は100㎥
  • 生産性はこれまでの約12倍となった
  • 作業員数 2名→1名
  • 品質の安定度90%を実現した

新設備の導入により生産能力が大幅に高まり、従来設備との同時稼働で生産性は約12倍になった。大型の材料もそのまま投入でき、工程が減ったことで作業員は1名で対応できるようになり、余剰となった人員は製品の運搬に回された。良質なオガ粉を安定して供給できるようになり、製品の高付加価値化と顧客の信頼向上につながった。その結果、売上高も増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は仕入れ中心だった事業から自社生産へ転換し、畜産向けオガ粉の安定供給を掲げており、経営方針との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    製材所減少や材料高騰など外部環境を整理し、一度に大量運搬できる自社配送体制や取引先との信頼関係を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    仕入れ困難という課題を認識し、大型オガ粉製造機導入で生産能力を約12倍に高め、品質安定度90%を実現すると示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    新設備の1日100㎥、従来設備との同時稼働で1時間15㎥、生産性約12倍と数値で目標を示しており、実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人で作業員の再配置に触れているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    畜産農家からオガ粉の供給増加要望が根強いという需要の裏付けと、品質安定・安定供給という選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の体制整備には触れているが、中長期の課題検証やスケジュール、遂行方法の具体的記載は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    未利用間伐材を用いた畜産向け優良敷材は未だ存在しないとされ、同分野で差別化された製品である点がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    未利用間伐材の再資源化や林業・畜産業・農業をつなぐ循環型システム構築が掲げられ、地域への波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果3

    生産性約12倍、作業者1名化と余剰人員の運搬業務への転換など効果は示されるが、補助金額対比の費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    大型製造機や送風機による搬送などの設備導入は見られるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルの記載は乏しい。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    バイオマス発電の普及や循環型システム構築に触れており、構造転換への寄与がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及4

    地域の製材所や畜産農家と連携し、地域活性化を掲げて未利用間伐材を活用するなど、地域特性を活かした事業と読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は畜産農家の理解を得つつ価格交渉力も高めることで、さらなる収益性の向上が期待される。

事業者の声

無から有への挑戦!

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。