ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

新開発特許のクッション編みで丈夫な疲れにくい靴下を造る

西垣靴下株式会社

この事例のポイント

  • 工場従業員から安全靴に履いても破れず疲れにくい靴下が欲しいという開発要望に応える必要があった。
  • 自社特許技術である「テーピングの編地」をベースに、編み目と素材を改良した。
  • 「疲れしらずの靴下」は自社ブランド「エコノレッグ」の新たな主軸商品となった。

事業者のプロフィール

事業者名西垣靴下株式会社
所在地奈良県 大和高田市
業種繊維工業
技術分野デザイン,立体造形

事業の背景

同社は子供・婦人・紳士向けの靴下やサポーターを製造販売しており、自社ブランド「エコノレッグ」の企画・開発・製造に力を入れてきた。機能性にこだわった自社開発製品を数多く発表し、その技術力はスポーツブランドやキャラクターの指定工場となるなど高い評価を得ていた。一方で、安全靴向け靴下の機能面での要望が強く、新たな主軸商品の開発が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術工場従業員から安全靴に履いても破れず疲れにくい靴下が欲しいという開発要望に応える必要があった。
  • 品質・精度安全靴向けの靴下に必要なクッション効果を得るパイル編みは耐久性に乏しく、非常に破れやすかった。
  • 新製品・新技術パイル編みに代わる、丈夫で破れにくくクッション効果のある編地を開発する必要があった。

やったこと

自社特許技術である「テーピングの編地」をベースに、編み目と素材を改良した。編み機の特別改造機を導入し、パイル編みを足底に入れてクッション効果と強度を増す編み方を構築した。その結果、パイル編みでないクッション効果のある新型クッション編みが完成し、平成30年2月に特許技術として認可された。この新技術に、足を疲れにくくする既存特許技術を組み合わせ、「疲れしらずの靴下」を完成させた。

加工機編み機(特別改造機)

新しい製品・サービス:疲れしらずの靴下

事業の効果

「疲れしらずの靴下」は自社ブランド「エコノレッグ」の新たな主軸商品となった。2020年度にOMOTENASHI SELECTIONで衣料品として初めて金賞を受賞し、令和2年度には近畿発明表彰で繊維工業分野で初となる経済産業局長賞を受けた。近畿圏内の一部百貨店とコラボレーションモデルを製作・販売し、新規販路の開拓と新規ユーザーの獲得を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    自社ブランド「エコノレッグ」の新たな主軸商品と位置付けられ、特許技術(平成30年2月認可)を積み重ねてきた流れが示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    OMOTENASHI SELECTION金賞や近畿発明表彰などの受賞実績と、スポーツブランドの指定工場となった技術力が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    工場従業員からの要望とパイル編みの摩擦による破れやすさという課題を示し、新型クッション編みで解決する流れが書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額に関する数値目標は書かれておらず、わずかに販路拡大の意図がうかがえるのみである。

  • 事業を進める体制2

    特許技術や編み機の特別改造などの設備はあるが、補助事業を担う人材や事務体制についての記載は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    安全靴向けに疲れにくく丈夫な靴下という価値と、購入者や困難な環境にある人という顧客像が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    特許認可時期や2020年11月からのキャンペーン実施など時系列は示されるが、中長期の課題検証や遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    衣料品分野で初のOMOTENASHI SELECTION金賞、繊維工業分野で初の経済産業局長賞と、分野内での初受賞が数字や事実で示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    社会貢献活動として慈善団体への靴下寄付が書かれているが、川上・川下への波及や雇用創出といった国が補助する理由は読み取れない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    編み機の特別改造や新型クッション編みという技術革新は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県大和高田市に所在し近畿圏の百貨店と連携する点はうかがえるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

「エコノレッグ♥10万足キャンペーン」など社会貢献活動を続けながら、ものづくり企業の在り方の一例として社会貢献に積極的に寄与する企業活動を続けていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。