ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

航空機用CFRP材料の蒸気成形新技術(SMT)の高性能化、生産性向上

株式会社芦田製作所

成果作業時間 1倍→0.5倍

この事例のポイント

  • 蒸気成形新技術(SMT)は、プロトタイプ装置の開発は完了しているが、温度分布の精度向上と昇温・冷却の時間短縮が課題となっている。
  • 社内設置のプロトタイプ装置を使い、データロガー(センサーにより計測した各種データを保存する装置)による温度測定を行った。
  • 作業時間 1倍→0.5倍。冷却の高速化により作業時間を半分に短縮する目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社芦田製作所
所在地奈良県 生駒市
業種生産用機械器具製造業
技術分野複合・新機能材料,複合・新機能材料
従業員数40人
資本金4,800万円
設立1951年

事業の背景

民間航空機の今後20年の需要は増加が予測されており、航空機部品の軽量化に寄与するCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使う航空機部品(主翼など)の生産量増は必須である。当社のCFRP製品の生産では、現在主流のオートクレーブ法(電気加熱と空気加圧を使う技術)より生産性が高い蒸気成形新技術(SMT)の特許取得とプロトタイプ装置開発を完了している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術蒸気成形新技術(SMT)は、プロトタイプ装置の開発は完了しているが、温度分布の精度向上と昇温・冷却の時間短縮が課題となっている。
  • 品質・精度競争力ある製品を完成させるためには、より高性能化と生産性向上を図る必要がある。

やったこと

社内設置のプロトタイプ装置を使い、データロガー(センサーにより計測した各種データを保存する装置)による温度測定を行った。あわせてシミュレーションソフトを活用し、大型のSteam former®(SMTを用いた装置)の設計・製作のための課題に取り組んだ。データロガーを用いた実験では、データ収集等に問題点がないことを確認した。冷却の高速化により作業時間を1/2に短縮する目標を達成した。シミュレーションでは荷重条件等を与えて最適化を可能とし、大型のスチームフォーマーへ適用する際の課題を解決した。

検査測定データロガー
ソフトシミュレーションソフト

新しい製品・サービス:蒸気成形新技術(SMT)を用いた大型のSteam former®

事業の効果

  • 作業時間 1倍→0.5倍

冷却の高速化により作業時間を半分に短縮する目標を達成した。シミュレーションによって大型のSteam former®へ適用する際の課題を解決し、大型装置の設計・製作に道筋をつけた。蒸気成形新技術(SMT)をブラッシュアップし、Steam former®の強化と、水蒸気を使った加熱・加圧技術という経営資源の蓄積につながった。今後は新たな顧客ニーズや新製品開発にも活用し、省エネルギー化などのニーズに応えていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の「熱を極める」姿勢と、Steam former®の強化につながる経営資源の蓄積が書かれており、一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けは具体的でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    CFRP主翼などの需要増予測や、オートクレーブ法より生産性が高い技術という記述はあるが、競争上の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    課題として温度分布の精度向上、昇温と冷却の時間短縮を挙げ、冷却高速化で作業時間を1/2に短縮する目標達成と記載がある。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    冷却高速化により作業時間を1/2に短縮する目標を達成したと書かれ、目標値と実績が示されている。付加価値や賃上げの数値は無い。

  • 事業を進める体制2

    従業員40名、半世紀以上の納品実績から技術と経験はうかがえるが、補助事業の推進体制や事務処理能力の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    製品の用途は航空・半導体など具体的に示されているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    社内プロトタイプでのデータロガー実験やシミュレーションで課題解決したと書かれ、次の大型装置化への道筋がうかがえる。スケジュールは不明。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    オートクレーブ法より生産性が高い蒸気成形新技術(SMT)の特許取得と、高温・高圧加工の分野での高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    民間航空機の今後20年の需要増と軽量化に寄与するCFRP生産の必要性が書かれ、国が補助する背景はうかがえるが波及効果の定量記述はない。

  • 費用対効果2

    生産性向上や作業時間の短縮は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は記載がない。

  • イノベーションへの貢献3

    水蒸気による加熱・加圧技術やシミュレーション活用が書かれ、新技術による産業イノベーションへの寄与がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    航空機の需要増とCFRP部品の生産増という成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後の新たなお客様のニーズや新製品開発にも役立てられるため、お客様の生産性向上と省エネルギー化のニーズに応え、信頼され社会に貢献できる企業を目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。