ものづくり補助金平成29年度製造業和歌山県

素材カットのコストダウン追求と新素材への挑戦!

株式会社中口板金工作所

この事例のポイント

  • コロナ禍で対面営業が難しく、面会を断られることもあるため、新規開拓が困難な状況が続いていた。
  • ファイバーレーザー加工機を導入した。
  • ファイバーレーザー加工機の導入で、切断方法を用途に応じて選べるようになり、切断面の品質とコストを両立させてコストダウンを実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中口板金工作所
所在地和歌山県 和歌山市
業種金属製品製造業
技術分野情報処理,材料製造プロセス
従業員数34人
設立1986年

事業の背景

創業から70年余りの板金工作の会社で、建築板金工事と工場板金加工を事業の柱にしている。建築板金では工場や倉庫の屋根・壁の鉄板取り付けなどを行い、工場板金では染色整理仕上機械や水洗機のタンクなどを、一点物も含めて製作している。ウクライナ情勢や急速な円安などで社会の動向が日々変化し、材料費の高騰や資材不足が続いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信コロナ禍で対面営業が難しく、面会を断られることもあるため、新規開拓が困難な状況が続いていた。
  • コスト・採算材料費の高騰や資材不足が起きており、切断加工のコストダウンが課題となっていた。
  • 新製品・新技術鉄以外のステンレス・銅・アルミなどの非鉄金属や新素材の加工に対応できていなかった。

やったこと

ファイバーレーザー加工機を導入した。炭酸ガスレーザー加工機と比べて集光率が高く、レーザー光をほぼ半分の直径0.1mmまで絞れるため、同じパワーでも高速加工や歪の少ない加工ができるようになった。波長が短くアルミや銅のビーム吸収率も高いため、さまざまな金属の加工が可能になった。切断は窒素カット、エアカット、酸素カットから選べるようにし、切断面の品質とコストを使い分けた。付属の専用プログラミング装置では、同じシートから1.5倍の製品をカットする共通切断が可能になり、約10%の材料費を削減した。全ての情報と展開データを装置に集めて一括割付けすることで、大幅な時間短縮も得られた。さらに、この機械でしか切断できない材料や微細加工のサンプルを製作し、新規営業先に配布している。

新しい製品・サービス:ファイバーレーザー加工機を活用した非鉄金属(ステンレス・銅・アルミ等)部品や、微細加工・複雑形状の高精度部品の製作

事業の効果

ファイバーレーザー加工機の導入で、切断方法を用途に応じて選べるようになり、切断面の品質とコストを両立させてコストダウンを実現した。付属の専用プログラミング装置による共通切断で材料費を約10%削減し、全情報の一括割付けで大幅な時間短縮も得られた。加工できる素材が広がったことで、非鉄金属部品や微細加工の受注を増やし、新規の取引先開拓にもつなげている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性集光率が高く銅・アルミも加工できる特性を活かし、非鉄部品や新素材への新規開拓を狙う点で、競争優位の方向性が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値ファイバーレーザーで非鉄金属や微細・複雑部品を加工する点は、従来機で難しかった高付加価値分野への挑戦として読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標材料費約10%削減や同シートから1.5倍の製品カットといった数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業70年余りの板金事業を柱に、ファイバーレーザー導入をコストダウンと非鉄部品製作へ広げる流れが示され、既存事業との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    集光率が高く銅・アルミも加工できる特性を活かし、非鉄部品や新素材への新規開拓を狙う点で、競争優位の方向性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    コストと切断品質の課題に対し、窒素・エア・酸素カットの使い分けと材料費約10%削減で解決を図っており、課題認識と対策が対応している。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    材料費約10%削減や同シートから1.5倍の製品カットといった数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    1級技能士が11名在籍し、入社3年目で2級取得を目標とする資格取得制度があり、人材面で遂行体制が確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ステンレス・銅・アルミの加工や微細加工、デザイン加工を提供し、サンプル配布で新規営業先に訴求する方針が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    社会動向に留意しながら販売強化のタイミングを図るとあるが、具体的なスケジュールや課題解決の方法は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ファイバーレーザーで非鉄金属や微細・複雑部品を加工する点は、従来機で難しかった高付加価値分野への挑戦として読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地域の板金技能の伝承や人材育成に触れているが、経済波及効果や雇用創出の具体的な記述は薄い。

  • 費用対効果3

    材料費約10%削減と切断工程の時間短縮が示され、投資に対するコスト効果の方向性は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    先端のファイバーレーザー導入はあるが、サプライチェーンや地域のイノベーションへの貢献は十分に示されていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    非鉄金属や新素材への展開は成長分野への進出と読めるが、構造転換との関係までは明確に書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    地域の板金職人の技術を伝承しつつ、新素材加工で新規顧客を開拓する点は、地域の事業としての付加価値創出に沿う。

今後の展望

日々変化する社会の動向に留意しながら販売強化のタイミングを図り、人材を育てて職人力を高めることで、お客様と社会に貢献していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。