ものづくり補助金平成29年度学術研究、専門・技術サービス業島根県

3次元データを活用できる技術体制を確立し、i-Constructionへの対応でリードする

北陽技建株式会社

成果測量データ作成の労力 100%→25%

この事例のポイント

  • 土木建設業界で進むi-Constructionへの対応が、得意分野である上流工程の測量・設計業務でも避けられないため、他社にない革新的な技術を確立する必要があった。
  • 島根県から受注した出雲市佐田町の林道建設現場で、ドローンとレーザスキャナによるテスト飛行とレーザ測量テストを繰り返し実施した。
  • 測量データ作成の労力 100%→25%。ドローンとレーザスキャナによる測量では、樹木の茂った山間部でも地表面を明確に捉えられ、広範囲を高精度かつ短期間で測量で…

事業者のプロフィール

事業者名北陽技建株式会社
所在地島根県 出雲市
業種技術サービス業
従業員数40人
資本金7,000万円
設立1982年

事業の背景

北陽技建株式会社は設立以来、土木設計業務を中心に測量、地質調査、補償業務を受注してきた土木技術会社である。一級建築士や一級土木施工管理技士などの技術職が社員の半数以上を占め、一級さく井技能士を9人抱えている。売上は420百万円で、1994年以降は島根県内に営業拠点を広げてきた。土木建設業界ではi-Constructionの導入が施工分野を中心に盛んに進められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術土木建設業界で進むi-Constructionへの対応が、得意分野である上流工程の測量・設計業務でも避けられないため、他社にない革新的な技術を確立する必要があった。
  • 人手・技能ドローンの操縦やデータ処理を担える人材を育成し、新しい測量技術に対応できる技術体制を整える必要があった。

やったこと

島根県から受注した出雲市佐田町の林道建設現場で、ドローンとレーザスキャナによるテスト飛行とレーザ測量テストを繰り返し実施した。収集した三次元点群データの処理も行った。レーザ測量の結果を裏付けるため樹木を伐採し、従来方式の測量も並行して実施した。その結果、三次元点群データと平面・横断図面を従来の4分の1の労力で作成できるようになった。あわせてドローン操縦とデータ処理の人材育成も進めた。

新しい製品・サービス:ドローン用レーザシステム

事業の効果

  • 測量データ作成の労力 100%→25%

ドローンとレーザスキャナによる測量では、樹木の茂った山間部でも地表面を明確に捉えられ、広範囲を高精度かつ短期間で測量できるようになった。三次元点群データと図面の作成労力は従来の4分の1になった。機器を持ち込みにくい地形や土砂崩れなどの危険を伴う災害現場でも、素早く安全な測量が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決従来写真測量の課題を踏まえ、レーザ測量で三次元点群データと平面・横断図面を従来の4分の1の労力で作成できた点が具体的に示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標測量作業の労力が従来の4分の1になったという数字が示されており、高付加価値化の裏付けとなる実績がある。ただし目標値の記載はない。
  • 4
    事業を進める体制ドローン操縦やデータ処理の人材育成を進め技術体制が整ったと記載され、社員の半数以上が技術職である点も書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果労力が4分の1になったという効率面の記載はあるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加など費用対効果の数値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    設立当初からの土木設計・測量の実績と、i-Construction対応への新技術導入という方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    森林地帯の多い島根県で樹木の茂った山間部でも地表面を明確にできる強みと、西日本全域での新規顧客開拓の方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    従来写真測量の課題を踏まえ、レーザ測量で三次元点群データと平面・横断図面を従来の4分の1の労力で作成できた点が具体的に示されている。

事業の実現可能性3.6
  • 付加価値・賃上げの目標4

    測量作業の労力が従来の4分の1になったという数字が示されており、高付加価値化の裏付けとなる実績がある。ただし目標値の記載はない。

  • 事業を進める体制4

    ドローン操縦やデータ処理の人材育成を進め技術体制が整ったと記載され、社員の半数以上が技術職である点も書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地域の中堅ゼネコンの起工測量ニーズに応え、危険を伴う災害現場でも安全な測量が可能という強みと顧客ターゲットが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    テスト飛行とレーザ測量テストを繰り返し、従来方式と並行して検証したことは書かれているが、今後の遂行スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    土木の下流工程に比べ上流の測量・設計でのi-Construction導入は他社にない革新的な技術の確立を目指すと明記され、新分野への取組が読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    国、県、市町村の公共事業の受注を目指すこと、i-Constructionの先駆者として官公庁営業を強化する方針が書かれているが、波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    労力が4分の1になったという効率面の記載はあるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加など費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    ドローンとレーザスキャナによる三次元点群データ活用で、建設現場のi-Constructionに貢献する先端的なデジタル技術の活用が具体的に示されている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    i-Constructionという国の推進政策に対応した新技術導入で、建設分野の生産性向上に資する方向性は読み取れる。

  • 地域経済への波及3

    島根県の森林地帯が8割弱を占める地域特性を活かし、山間部での測量強みを生かす事業と読み取れるが、雇用創出の記載はない。

今後の展望

地域の中堅ゼネコンの起工測量ニーズに応えて実績を積み、ホームページやパンフレットでアピールしながら西日本全域で新規顧客を開拓する考えである。i-Constructionの先駆者として官公庁営業を強化し、国・県・市町村の公共事業の受注を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。