ものづくり補助金平成29年度製造業島根県

木材乾燥機導入による生産性と品質向上による木材製品の付加価値の増大

有限会社日高林産

この事例のポイント

  • 製材業界は県内事業者数の減少と競争激化が続き、建築用資材は価格下落で採算割れを起こす場合もあった。
  • 県内で生産される間伐材のスギ・ヒノキの小径木を有効活用し、栓すのこの製造を行った。
  • ギャングリッパーの導入により、一度に複数枚の板を製材でき、生産性と効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社日高林産
所在地島根県 邑南町
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野製造環境
従業員数12人
資本金300万円
設立1993年

事業の背景

1960年に建築製材所として創業し、1993年に法人化した。島根県内の製材業は事業者数が年々減少し、建築用資材は価格の下落が続いている。主力の製材や壁・床加工材の売り上げは減少傾向にあり、他社との差別化と付加価値向上が課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信製材業界は県内事業者数の減少と競争激化が続き、建築用資材は価格下落で採算割れを起こす場合もあった。
  • 販路・情報発信主力だった製材や壁・床加工材の売り上げが減少傾向にあった。
  • 品質・精度間伐材は加工中に曲がりやねじれの「暴れ」が強く出て、小径木は乾燥時に変形しやすかった。
  • 生産能力栓すのこの需要が高まっていたが、製造能力が追いつかず増産が必要だった。

やったこと

県内で生産される間伐材のスギ・ヒノキの小径木を有効活用し、栓すのこの製造を行った。補助事業で「カシワギ製ギャングリッパー」を導入し、一度に5枚の板を製材できるようにして生産性と効率化を高めた。また全自動電気式木材乾燥機 MTG-200E(弱減圧式乾燥装置)を導入し、木の暴れを抑えて小径木の乾燥時の変形を抑制した。

  • 加工機カシワギ製ギャングリッパー
  • その他全自動電気式木材乾燥機 MTG-200E

新しい製品・サービス:細すのこタイプのベッド

事業の効果

ギャングリッパーの導入により、一度に複数枚の板を製材でき、生産性と効率が向上した。乾燥機の導入により小径木の乾燥時の変形が抑えられ、製品の品質が向上した。品質の向上を受けて栓すのこの受注が増加し、新たな細すのこタイプのベッドも好調に売れた。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1960年創業の製材業から間伐材製品へ段階的に転換し、自社開発の技術で差別化を続けている経緯が一貫して示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性間伐材の暴れを抑える自社技術と無垢材の接着技術を持ち、県外企業とのコラボで製品化、台湾・韓国へ輸出している点が強みとして読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けヒノキの抗菌・抗ダニ・防虹効果や通気性でカビが少ない点が評判で、海外からの需要増という根拠がある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果乾燥機導入で変形が抑えられ品質が向上したとあるが、投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    1960年創業の製材業から間伐材製品へ段階的に転換し、自社開発の技術で差別化を続けている経緯が一貫して示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    間伐材の暴れを抑える自社技術と無垢材の接着技術を持ち、県外企業とのコラボで製品化、台湾・韓国へ輸出している点が強みとして読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    製材・壁床加工材の売上減少という課題を認識し、間伐材製品が売上の60%を占めるまでに転換した点で、課題解決の方向は明確。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    乾燥装置導入で品質向上・増産が進んだとしているが、付加価値や賃上げの具体的な目標値は本文中に示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員12名のうち5名を障がい者雇用しており、栓すのこ製造を現体制で対応している点から遂行体制はある程度確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ヒノキの抗菌・抗ダニ・防虹効果や通気性でカビが少ない点が評判で、海外からの需要増という根拠がある。

  • 事業化までの道筋3

    東京農業大学との連携による新商品開発や、温暖化・安全性を見据えた加工材開発の方向性が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    小径木の暴れを抑える高度な加工技術を自社開発し、一般的でない間伐材製品で高付加価値化を図っている点が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    中山間地域の県産木を活用し、地域のまちづくりや産業おこし、林業の再生に取り組んでいる点が公的な意義として示されている。

  • 費用対効果2

    乾燥機導入で変形が抑えられ品質が向上したとあるが、投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    県外企業や東京農業大学との連携で新商品を開発しており、地域資源を活かした産学連携による新たな取組が読み取れる。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    製材から間伐材製品へ転換する構造変化の動きはあるが、成長分野への進出が日本経済の構造転換に資するかは本文から判断しにくい。

  • 地域経済への波及4

    邑智郡の豊富な木材資源を活かし、間伐材製品が売上の60%を占めるまでに成長させ、地域の産業おこしを牽引している。

今後の展望

東京農業大学と連携し、地域資源を活用した新商品の開発に今後も取り組む意欲を持っている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。