ものづくり補助金平成29年度製造業島根県

全自動裁断システム導入による生産効率の向上と多品種・小ロット化への対応強化

株式会社Tint NOKKO

この事例のポイント

  • ニット生地の柄合わせは熟練技術が必要で、社内で行える人材が限られ、裁断に最低3人が必要だった。
  • 熟練が不要で、オペレーター1人で扱える一枚切り自動裁断機ECOPIA E2-2000を導入した。
  • 新しい自動裁断機により縫製事業の生産性と品質が向上し、裁断工程が大幅に短くなりコスト低減と短納期につながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社Tint NOKKO
所在地島根県 出雲市
業種繊維工業
従業員数18人
資本金1,000万円
設立2018年

事業の背景

株式会社Tint NOKKOは、生地のネット販売と関西・関東のアパレルメーカー各社からのOEM生産の二本柱で成長してきた。裁断の際に出る余り布をカットしてネット販売したところ好評で、生地販売も手掛けるようになった。2018年に協力工場を吸収合併して法人化し、社内で縫製事業を本格的に始めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能ニット生地の柄合わせは熟練技術が必要で、社内で行える人材が限られ、裁断に最低3人が必要だった。
  • 生産能力極小ロット・極小パーツの裁断は通常の裁断より時間がかかり、高い技術が求められることがネックだった。

やったこと

熟練が不要で、オペレーター1人で扱える一枚切り自動裁断機ECOPIA E2-2000を導入した。アパレルメーカーとのデータのやりとりから裁断工程までシームレスに行える体制を整えた。生地柄に合わせてプロジェクターが映し出した型紙を移動させることで、生地を触らずに微妙な位置調整が可能になった。あわせてクレアコンポII アパレルアプリケーションを導入した。

  • 加工機ECOPIA E2-2000一枚切り自動裁断機
  • ソフトクレアコンポII アパレルアプリケーション

事業の効果

新しい自動裁断機により縫製事業の生産性と品質が向上し、裁断工程が大幅に短くなりコスト低減と短納期につながった。より正確なカットも可能になった。新型コロナ禍での抗ウイルス素材の需要急増にも対応でき、生地のネット販売が大きく伸びた。今後は小ロット・ボーダー素材の受注拡大や裁断のみの業務の受注も狙っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決裁断に最低3人必要だった課題に対し、オペレーター1人で扱える自動裁断機を導入し、裁断工程が大幅に短縮されコスト低減と短納期につながったと書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標年商2億円や売上5倍といった実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    ネット生地販売とOEM二本柱で成長し、協力工場を合併して社内一貫生産を整えた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ボーダー生地の柄合わせは社内で扱える人材が限られ裁断に最低3人必要だったとあり、強みと弱みの一端は読めるが外部環境の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    裁断に最低3人必要だった課題に対し、オペレーター1人で扱える自動裁断機を導入し、裁断工程が大幅に短縮されコスト低減と短納期につながったと書かれている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    年商2億円や売上5倍といった実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    パターンから縫製まで一貫して行える技術者や社内人材、外国人実習生の引き受けなど人材体制の記述はあるが、事務処理能力は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    極小ロット・極小パーツのペット用衣服需要や抗ウイルス素材のネット需要に応えたと書かれ、顧客ニーズの裏付けは読めるが具体性は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    積層自動裁断機や延反機の導入決定と自社サイト立ち上げ計画が触れられているが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    極小ロット・極小パーツの裁断を自動裁断機で高精度に行える点は差別化に読めるが、市場の普及度や高価格化の記述は少ない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    新たな従業員の増加に触れており雇用創出はうかがえるが、地域波及や社会インフラとしての国の補助理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    自動裁断機導入後に生産性と品質が向上し年商2億円超に達したと書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    アパレルメーカーとのデータのやりとりから裁断までシームレスに行う体制という点で、デジタル連携がうかがえる程度。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    出雲市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済への牽引の記述は乏しい。

今後の展望

新たな積層自動裁断機や延反機も導入が決まっており、大手モールに加え自社サイトの立ち上げも計画中。従従来断っていた仕事も受けられる体制が整い、さらなる事業拡大を狙っている。

  • 目標:2020年2月期は前年度比5倍の売り上げを記録した。
  • 目標:年商は過去最高の2億円を突破した。

事業者の声

従来断っていた仕事も受けられる体制が整った。小ロット、ボーダー素材の受注拡大、また裁断のみの業務も広く受注し、生地のネット販売の売上も一層伸ばしていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。