ものづくり補助金平成29年度製造業岡山県

溶接ロボットシステムによる長辺加工の自動化・省人化の実現

南海技研工業株式会社

この事例のポイント

  • ステンレス溶接は一人前の技能者になるまで10年かかるとされ、人手不足が課題になっていた。
  • 2018年12月に多関節ロボットを使ったロボット溶接システムを導入し、溶接する鋼材の向きや位置を自動で変えるポジショナーを併用してMAG溶接を自動化した。
  • ロボット溶接システムの導入後、同じ寸法の部品であればロボットを使う運用が定着した。

事業者のプロフィール

事業者名南海技研工業株式会社
所在地岡山県 岡山市東区
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数8人
資本金2,000万円
設立1967年

事業の背景

1967年の創業当初は板金を含む製缶加工全般を手がけていたが、2007年頃から鋼材の穴開けや切断を鋼材商社に任せ、付加価値の高い溶接の専業へと舵を切ってきた。主力は熱交換器部品と食品機械で、熱交換器の水室は丸型・角型があり寸法が多様な多品種小ロットが特徴である。ステンレス溶接は熱影響でひずみやすく外観部品にも使われるため、きれいな仕上がりが求められ、手作業も多く残る。客先の熱交換器メーカーの受注が好調なことから増産対応が必要になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能ステンレス溶接は一人前の技能者になるまで10年かかるとされ、人手不足が課題になっていた。
  • 人手・技能MAG溶接は溶接中に人が横について微調整や鋼材の向き替えをする必要があり、貴重な溶接技能者を有効活用できていなかった。
  • 生産能力熱交換器メーカーの受注が好調で増産が求められていたが、人手に頼る工程がネックになっていた。

やったこと

2018年12月に多関節ロボットを使ったロボット溶接システムを導入し、溶接する鋼材の向きや位置を自動で変えるポジショナーを併用してMAG溶接を自動化した。ティーチングなどを終えて2019年から本格稼働し、当初は新しい寸法の部品のティーチングに3時間近くを要したが、導入から3年半で定着し、今では同じ寸法の品が4個もあればロボットを使うようになった。さらに2021年にものづくり補助金を活用して数値制御(NC)穴開け盤を導入し、従来は大きな水室部品を人が動かしながらラジアルボール盤で行っていた穴開けを自動化した。

事業の効果

ロボット溶接システムの導入後、同じ寸法の部品であればロボットを使う運用が定着した。新システムにより約15%の納期短縮が実現し、高水準の受注に応えられるようになった。溶接技能者を他の付加価値の高い作業に振り分けられるようになり、ロボットシステムがなければ今の仕事量は受けられなかったとされる。2021年の数値制御穴開け盤の導入で大型水室の穴開けが自動化され、熟練技能者は今後さらに人手でなければこなせない付加価値の高い工程へ移ることになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決溶接技能者不足と手作業溶接の多さを課題として認識し、ロボット溶接で納期を約15%短縮した具体的な解決策が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標約15%の納期短縮は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が少ない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    1967年創業から溶接専業へ特化し、ステンレス溶接の強みを継続している点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ステンレス溶接の専業性や厚板・薄板の両対応、大手顧客との長期取引は読み取れるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    溶接技能者不足と手作業溶接の多さを課題として認識し、ロボット溶接で納期を約15%短縮した具体的な解決策が示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    約15%の納期短縮は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が少ない。

  • 事業を進める体制3

    社員8人の規模と導入後のティーチング、本格稼働までの経緯は読み取れるが、事務処理能力や補助事業の体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    熱交換器の水室部品を主力とし、大手顧客の需要に応えている点は読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ロボット導入後に2021年のNC穴開け盤へ投資を進めた段階的な流れは読み取れるが、中長期の検証や遂行スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    水室部品の多品種小ロット、ステンレスの高い気密性・信頼性への対応は読み取れるが、同分野での高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    技能者不足への対応や熱交換器の増産に応じた取組は読み取れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    自動化により溶接技能者を付加価値の高い作業に振り分けられたと書かれるが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボット溶接の導入は読み取れるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンのイノベーションへの貢献までは書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山市の瀬戸内工業団地に立地し地域の事業として営まれている点は読み取れるが、地域経済の成長への寄与は具体的に書かれていない。

事業者の声

ロボットシステムがなかったら、今の仕事量は受けられなかっただろう

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。