ものづくり補助金平成29年度製造業広島県

従来の製造工程を大幅に削減した鍛造金型製造プロセス開発

株式会社日研工業

成果作業者数 5名→1名

この事例のポイント

  • これまで5台の機械装置で鍛造金型を製造しており、機械装置間の移動に台車や天井クレーンを使うため、移動時間と待ち時間が発生していた。
  • 最新の横型マシニングセンタとしてDMG森精機NHX6300 2nd Generationを導入し、これまで5台の機械装置で行っていた加工を1台で対応できるようにした。
  • 作業者数 5名→1名。鍛造金型上下1セット(2個)の製造で、作業者を5名から1名に、段取時間と加工時間、製造時間をそれぞれ大幅に短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社日研工業
所在地広島県 尾道市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数27人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

株式会社日研工業は広島県尾道市に本社を置き、鍛造用金型及び各種金型の設計・製作と精密機械加工を手がけている。鍛造金型は機械・自動車・荷役(吊具)向けの熱間・冷間鍛造金型で、自動車向けのクランクシャフト・カムシャフト部品、荷役関係のフック・アイボルトなど重要部品の受注を続け、西日本を中心に約50社へ納入している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力これまで5台の機械装置で鍛造金型を製造しており、機械装置間の移動に台車や天井クレーンを使うため、移動時間と待ち時間が発生していた。
  • 生産能力機械装置へのワーク搭載、刃具取付け、確認、アライメント調整、クランプ、測定などの作業の間、機械装置が停止し生産性が低い状況となっていた。
  • コスト・採算見積の迅速化・低価格化・短納期化と金型の長寿命化という顧客ニーズに応える必要があった。

やったこと

最新の横型マシニングセンタとしてDMG森精機NHX6300 2nd Generationを導入し、これまで5台の機械装置で行っていた加工を1台で対応できるようにした。切削速度の高速化と切削工具の長寿命化・振れ減少により、加工時間の短縮と加工面の面粗さの変化を検証した。材料入荷から出荷までの移動距離は、従来200m以上を新工程で1/4に短縮し、台車・天井クレーンの使用頻度の変化を検証した。工程を見直して前後工程を削減し、段取り作業中の機械停止をゼロにするとともに、夜間・休日の稼働率を上げた。

加工機DMG森精機NHX6300 2nd Generation(横型マシニングセンタ)

事業の効果

  • 作業者数 5名→1名
  • 動作回数 208回→15回
  • 段取時間 14.5167時間→1.4167時間
  • 加工時間 33.75時間→18.8333時間
  • 製造時間 48.2667時間→20.25時間

鍛造金型上下1セット(2個)の製造で、作業者を5名から1名に、段取時間と加工時間、製造時間をそれぞれ大幅に短縮した。製造原価は半減した。現状の人員と設備は金型以外の精密加工部門などでも活用でき、生産性が大幅に向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鍛造金型の設計製造を手がけ、自動車・荷役向けに50社程度へ納入してきた実績が書かれており、設備導入の背景として一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    西日本全域に顧客があり、低価格・短納期対応が強みと記載。競争優位の根拠は示されるが市場データは乏しい。

  • 課題の認識と解決5

    5台の機械で移動・待ち時間が発生していた課題を挙げ、1台集約で段取時間14時間31分→1時間25分、製造原価半減と数値で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    製造時間48時間16分→20時間15分、作業者5名→1名など目標と実績の数値が示され、製造原価半減も記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員27人の事業者で、設備導入や生産性向上の取組みは記載されるが、補助事業を遂行する人材体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    低価格、短納期、見積の早期化、金型メンテナンスなど選ばれる理由は整理されているが、顧客ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備と工程見直しの内容は具体的だが、スケジュールや中長期の課題検証の記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    同分野の一般的な普及度は示されないが、横型マシニングセンタ1台への集約による製造工程の見直しが特徴として記載されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    自動車・荷役向け重要部品の供給や西日本での納入が書かれ、地域の製造基盤への寄与がうかがえるが、波及効果の定量は示されない。

  • 費用対効果5

    製造原価の半減、製造時間の約6割削減、作業者5名→1名など投資効果が具体的な数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    夜間・休日の無人連続稼働や工程集約は示されるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    広島県尾道市を拠点に西日本の顧客へ納入している点は地域事業として読み取れるが、地域特性を活かした記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

低価格、短納期対応、見積提出の早期化、金型のメンテナンスを含む総合的なサービスを強みとし、鍛造品メーカーに製品ライフサイクルコストの低減を提案して、ビジネスパートナーとしてものづくりのレベルアップを支援していく。

事業者の声

もの づくり

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。