ものづくり補助金平成31年度建設業沖縄県

同一システム導入による連携業務効率化を通した受注拡大計画

株式会社國健鉄筋工業

この事例のポイント

  • 大規模建設工事の増加に対応するため同業者と連携しているが、連携企業ごとに異なる社内システムを使っているため、データ作成の手間や転記ミスが生じ、工事への影響につながっている。
  • 連携主体の発注元である当社と連携先の平良産業・遠藤鉄筋工業の連携体全社で、導入した設備の検証作業を実施した。
  • 連携企業間でデータ連携が可能になり、材料管理と納品ミスの防止が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社國健鉄筋工業
所在地沖縄県 沖縄県中頭郡中城村
業種職別工事業(設備工事業を除く)
技術分野情報処理
従業員数14人
資本金980万円
設立2014年

事業の背景

当社は50年近く鉄筋工事業に従事し、技術や安全基準の向上、労働条件の整備に取り組み、沖縄県の鉄筋事業者の地位向上を図ってきた。近年はインバウンド需要を背景に大規模建設工事の案件が増加している。大手ゼネコンからの工事依頼に応えるため、同業者と連携して対応している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大規模建設工事の増加に対応するため同業者と連携しているが、連携企業ごとに異なる社内システムを使っているため、データ作成の手間や転記ミスが生じ、工事への影響につながっている。
  • 人手・技能手動操作の切断機や曲げ機械による作業のため、熟練技術者の負担が大きく、手動作業によるミスも課題となっている。

やったこと

連携主体の発注元である当社と連携先の平良産業・遠藤鉄筋工業の連携体全社で、導入した設備の検証作業を実施した。導入したシステムをクラウド上で管理することで、データ形式を統一し、修正作業時間や人件費の削減、作業時間の短縮を実現した。経験の浅い技術者でも作業できるため、最終確認を熟練者が行う作業フローとした。当社は連携企業へ工事に必要な鉄筋の加工業務を効率化するため、自動切断機と自動曲げ装置を導入した。寸法、本数、長さ、角度を設定すると自動で作業する仕組みで、ハンディターミナルとQRコードを活用し、材料管理と納品ミスの防止も図った。

加工機自動切断機
加工機自動曲げ装置
その他ハンディターミナル
ソフト連携用の同一システム(クラウド管理)

事業の効果

連携企業間でデータ連携が可能になり、材料管理と納品ミスの防止が実現した。自動切断・曲げにより作業時間が短縮され、製品品質も向上した。修正作業や人件費の削減により、コストの低減につながった。経験の浅い技術者でも作業でき、熟練技術者の負担軽減と人材の有効活用による受注案件の拡大が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄筋工事業に50年近く従事し沖縄県の地位向上に取り組むとあるが、本事業の位置づけが経営戦略として明確に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    インバウンド需要による大規模建設工事の増加と、同業者連携で大手ゼネコンに対応している点が書かれ、強みの活用が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    データ作成の手間や転記ミス、手動切断機の負担という課題を認識し、自動切断機・自動曲装置で対応する流れが具体的。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間短縮やコスト削減は書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    連携体全社での検証作業やクラウド管理、熟練者による最終確認の体制が書かれるが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    受注拡大や差別化の期待は述べられるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けの具体的な記述は少ない。

  • 事業化までの道筋3

    事業化後1年目から売上アップを目指す流れは示されるが、中長期の課題検証や遂行スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達2

    融資や助成金の活用に触れるが、資金調達の見込みや財務状況の数値は示されていない。

新市場性・高付加価値性20%
  • 新しさ・高付加価値1

    公開されている事例からは読み取れません。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    人手不足や外国人労働者の状況に触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果2

    作業時間短縮やコスト削減の方向性はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    クラウド管理によるデータ形式統一や連携体での業務効率化がうかがえ、サプライチェーン内の連携に触れている。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    沖縄県の鉄筋事業者の地位向上に取り組むとあり、地域での役割がうかがえるが、地域経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

人手不足は当面解消が難しいとみられるが、導入した設備によりデータ連携、作業時間短縮によるコスト削減、人材の有効活用を通じて受注案件を拡大し、競合企業との差別化が期待できる。今後は連携事業以外の受注業務も行いながら事業効率化を図り、事業化後1年目から売上アップにつなげたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成31年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。