ものづくり補助金平成26年度建設業徳島県

高付加価値サービスの為の鉄骨製品の研究開発、作業工程の最適化と設備導入

有限会社神山鉄工所

この事例のポイント

  • 耐震性の高い建物への需要が高まる中、より耐震性と品質の高い鉄骨製品を製造する必要があった。
  • 柱大組立溶接ロボットシステムを導入し、従来半自動であった溶接工程を自動化した。
  • 溶接ロボットの導入により溶接部位の両面を自動で交互に溶接できるようになり、歪み補正が不要になって歪みが解消された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社神山鉄工所
所在地徳島県 名西郡神山町
業種職別工事業
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1999年

事業の背景

当社は徳島県で鉄骨製品の製造を行う職別工事業の会社である。徳島県を始め近隣の地方自治体を中心に、耐震性の高い建物への需要が各地で高まっている。鉄骨に対しても耐震性の高い製品が求められ、主要取引先からの要望もあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力耐震性の高い建物への需要が高まる中、より耐震性と品質の高い鉄骨製品を製造する必要があった。
  • 人手・技能溶接工程が半自動で、片面ずつの溶接と歪み補正を行いながらの作業であり、安全性や作業効率に課題があった。
  • 品質・精度業界の慣習では成績表が開示されることは少なく、製品の品質の高さを証明する手段が不足していた。

やったこと

柱大組立溶接ロボットシステムを導入し、従来半自動であった溶接工程を自動化した。溶接部位の両面を自動的に交互溶接し、入熱管理や歪み調整などを計測・管理できるようにした。溶接材料と入熱管理条件の関係を研究し、溶接材料を変更した。鉄骨の自動回転が可能になり、天井クレーンを使わない作業工程に見直した。製品検査成績表と超音波探傷検査成績表の添付を開始した。

ロボット柱大組立溶接ロボットシステム

事業の効果

溶接ロボットの導入により溶接部位の両面を自動で交互に溶接できるようになり、歪み補正が不要になって歪みが解消された。天井クレーンを使わずに鉄骨を自動回転させられるため、作業者の安全と負担の軽減が図られた。溶接材料と熱条件の研究により溶接強度の向上を目指している。成績表を添付して製品の品質の高さを証明する取組みも始めた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄骨製品の製造を続けてきた事業で、耐震性の高い製品への要望が主要取引先からあったと書かれ、過去の取組との関係は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    耐震性の高い建物への需要の高まりと取引先からの要望に触れているが、競合との比較や自社の強み・弱みの記述はない。

  • 課題の認識と解決4

    半自動溶接の歪み補正や安全面の課題を挙げ、溶接ロボット導入と両面自動交互溶接で歪みが解消されたと、課題と解決策が対応して書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、品質証明の提供と5年以内の事業化計画があるのみである。

  • 事業を進める体制3

    従業員9人の規模と、人的資源の強化や組織変更を想定すると書かれているが、補助事業を遂行する具体的体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    耐震性の高い鉄骨製品という価値と、製品検査成績表の添付で品質を証明する方針は書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    溶接材と入熱管理条件の研究、品質証明の実用化を並行し5年以内に事業化するとスケジュールが示されているが、課題解決の詳細な方法は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    資本調達体制の強化を想定とあるのみで、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    耐震性の高い鉄骨製品という分野の普及度は記載がなく、高付加価値化の内容は一部うかがえる程度である。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    南海沖地震への対応や耐震性の需要の高まりに触れるが、国が補助する理由となる波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果2

    歪み補正が不要になり作業者の負担が軽減されたとあるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    溶接の自動化と計測・管理によるデジタル化の一端がうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    徳島県や近隣自治体での耐震需要の高まりに触れるが、地域の雇用や経済成長への牽引は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

溶接材と入熱管理条件の研究と品質証明の有用化を並行して行い、5年以内の事業化を計画している。人的資源の強化や組織変更、資本調達体制なども含めた経営資源の強化も想定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。