ものづくり補助金平成29年度製造業愛媛県

四国初、カラー選別機導入による乾物の高品質化と製造量向上

有限会社石丸弥藏商店

成果選別可能数量が飛躍的に増加した。

この事例のポイント

  • 今までの人数では製造量を増やすことが困難になっていた。
  • 手作業で行っていた自然由来の異物選別を、乾物仕様の自動選別ラインに置き換えた。
  • 選別可能数量が飛躍的に増加した。選別可能数量が飛躍的に増え、生産能力が上がって大量の注文にも応えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社石丸弥藏商店
所在地愛媛県 松山市
業種食料品製造業
従業員数40人
資本金300万円
設立1901年

事業の背景

明治34年創業の乾物の原料取扱いを主力とする企業で、産地卸売と消費地卸売の両面を担っている。主な取引先は地元の漁師や生産者、全国の生協、乾物にこだわりのある量販店で、近年は海外輸出先も急増している。顧客からの引き合いが急激に増え、作業量が現有の人員で対応できなくなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力今までの人数では製造量を増やすことが困難になっていた。
  • 品質・精度煮干は自然由来の異物が多く除去が難しいため、異物混入を防ぐ品質管理の向上が求められていた。
  • 人手・技能手作業による目視での異物選別に人手を取られ、生産性が上がらなかった。

やったこと

手作業で行っていた自然由来の異物選別を、乾物仕様の自動選別ラインに置き換えた。色彩選別精度の高いカラーカメラによる選別機を他の選別機と組み合わせて運用し、選別量の増加と異物混入ゼロを目指した。また、選別工程で必要な様々なデータの収集を試みた。

加工機乾物仕様の自動選別ライン
検査測定カラーカメラによる色彩選別機

事業の効果

  • 選別可能数量が飛躍的に増加した。
  • 1パック当たりの商品選別単価も下がり、価格競争力も向上した。

選別可能数量が飛躍的に増え、生産能力が上がって大量の注文にも応えられるようになった。仕入量も増え、生産者への買付金額も大きく増加した。目視選別に使っていた人員を生産性の高い製造業務に配置でき、付加価値額と経常利益が大幅に増え、賃上げも行えた。品質管理への取り組みや ISO22000 の認証取得により、こだわり系の量販店や生協との関係も強まっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治34年創業以来の乾物・海産物の原料取扱いを主力とし、自社加工や商品企画へ広げてきた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置づけの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    選別可能数量の飛躍的増加や1パック当たりの選別単価低下など、競争力の根拠が具体的に示されている。自社規格商品の提供も強みとして読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    目視選別が生産量の制約になっていた課題を認識し、自動選別ラインの増設で受注増に対応する計画と成果が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や経常利益の大幅増、賃上げ実施は書かれているが、目標数値や目標値の設定は示されておらずわずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    ISO22000認証の取得や作り手・販売先との関係は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    異物混入ゼロを目指す安心・安全の品質と、健康志向・こだわり系の量販店や生協からの受注増が示され、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    漁期に一年分の在庫を確保する事業サイクルや選別ラインの増設計画は読み取れるが、中長期のスケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    自然由来の異物が多く除去が難しい煮干しの分野で、工業並みの品質管理水準を目指す高付加価値化の取組が書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    地元の漁師や生産者との取引、海外輸出の急増など地域経済への関わりは書かれているが、国が補助する積極的理由としての記述は薄い。

  • 費用対効果4

    選別可能数量の飛躍的増加、1パック当たり選別単価の低下、人員の製造業務への振り向けなど、投資の効果が数字なしでも具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    カラーカメラによる色彩選別や選別データの収集を試みたとあるが、サプライチェーン全体への貢献としての記述は限定的。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    瀬戸内の煮干しという地域資源を活かし、産地卸として生産者と販売先を結ぶ業界プラットホームを目指す点が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

若い経営者の感性を活かし、健康志向やストーリー性のあるオリジナル商品の開発を進め、量販店や消費者のニーズに応える。新たな販売先からの受注増に対応するため選別ラインを増設し、積極的な投資で業界内のプラットフォームを目指して事業集約を行い、売上と収益の拡大を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。