ものづくり補助金平成29年度製造業高知県

高度で高性能な切削工具の評価システムの導入と評価体制の構築

菱高精機株式会社

この事例のポイント

  • 製品の性能評価を随時行えず、製品開発が長期化することがあった。
  • 加工時の機械回転数、ロードメーター、電流値、負荷率、切り屑等の飛散状況を数値データとして記録・書き出しできる立形マシニングセンタ(NVX 5080 2nd Generation)…
  • テスト専用機の導入により生産ラインを止めずに随時テストができ、開発工程がスムーズになり生産効率も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名菱高精機株式会社
所在地高知県 高岡郡中土佐町
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,精密加工,測定計測,測定計測
従業員数52人
資本金4,500万円
設立1968年

事業の背景

当社は1968年に高知県の工場誘致第1号として切削工具メーカーに創業し、国内外の大手メーカーと技術提携しながら革新的な製品を開発してきた。超硬工具の需要は航空宇宙、自動車などで伸びており、難削材加工や複雑形状への対応が求められ、ニーズは細分化している。大手メーカーもニッチな分野へ参入しており、高精度でスピード感のある製品開発と改良が必要になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製品の性能評価を随時行えず、製品開発が長期化することがあった。
  • 人手・技能製品の改良や開発は熟練者の知識と経験に頼るしかなく、性能評価ができる熟練工はわずかで、今後の開発に支障が出ることは明白だった。
  • 品質・精度人の感覚による評価のみで、製品を使用している間に発生している現象を熟知できず、正しい性能評価ができていなかった。
  • コスト・採算テストを生産機の一部で行うため生産ラインを止める必要があり、生産ラインの稼働状況に影響していた。

やったこと

加工時の機械回転数、ロードメーター、電流値、負荷率、切り屑等の飛散状況を数値データとして記録・書き出しできる立形マシニングセンタ(NVX 5080 2nd Generation)を導入し、製品の性能テスト専用機として使用した。製品を実装してテストを行い、動作中のデータを取得して解析し、改良点を特定してフィードバックする体制を整えた。テスト結果と製品データを蓄積してデータベースを構築し、新規製品開発に活用できるようにした。

加工機立形マシニングセンタ(NVX 5080 2nd Generation)

事業の効果

テスト専用機の導入により生産ラインを止めずに随時テストができ、開発工程がスムーズになり生産効率も向上した。加工データを解析して改良点を特定することで精度の高い製品を作れるようになった。数値目標を設定した設計により開発期間の短縮が可能となり、製品データは顧客への営業ツールとしても信頼を得られる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の製品データ不足と熟練工依存の課題が書かれ、技術提携先との取組が一貫して示される。経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    航空宇宙など高度加工市場の需要増や熟練工の知見を数値化できる強みが示され、大手参入への対抗策も具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    テスト停止や熟練工頼みの評価で開発が長期化しコストアップした課題を認識し、専用機導入で開発工程がスムーズになったと述べている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    設計段階で数値目標を定めるとあるが、具体的な付加価値額や賃上げの目標値、数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    技術課の課長代理が記載され、テスト専用機の運用も示されるが、体制や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超硬工具と特殊工具の顧客ニーズ(加工コスト、仕上げ面、切屑処理など)が細分化して整理され、実装データを営業ツールにする点が示される。

  • 事業化までの道筋3

    新素材工具の開発着手や製品化の見通しが書かれるが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    炭素繊維など難削材向けの工具で、大手メーカーも開発に至っていないニッチ分野への対応が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    航空宇宙・自動車分野での炭素繊維需要や巨大市場の見込みが述べられるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    開発期間の短縮やコスト削減に触れるが、補助金額に対する付加価値や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    データ蓄積と解析による開発手法の転換が示されるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空宇宙や炭素繊維など成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    高知県の過疎対策による工場誘致が書かれるが、地域の経済成長を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

炭素繊維などの新素材を加工する工具の開発に、技術提携先の三菱マテリアル株式会社の協力を得て着手しており、製品化の見通しが立ってきている。航空宇宙産業、自動車産業などで巨大な市場が見込まれ、本設備を活用して微調整を重ねながら顧客の問題解決につなげる。

  • 目標:従業員52名

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。