ものづくり補助金平成29年度製造業長崎県

最新魚体処理機導入による生産性向上と売上の拡大

有限会社天洋水産

この事例のポイント

  • 鮮魚の加工工程のウロコ取りに時間がかかり、マダイはウロコが固いため従業員が腫部炎になるなど重労働だった。
  • 最新のウロコ取り機を導入した。
  • ウロコ取りの作業時間が短縮され、従業員の労働環境が劇的に改善された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社天洋水産
所在地長崎県 雲仙市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数30人
資本金300万円
設立1988年

事業の背景

有限会社天洋水産は長崎魚市場を拠点に、九州全域で水揚げされた鮮魚と冷凍魚の卸作業、ソフト干物などの水産加工業務を行っている。工場内にオゾン発生器を備えるなど衛生管理にも力を入れている。アジ、ブリ、タイ、イカ、アナゴ、フグなど多種多様なニーズに応える商品づくりをモットーに、全てを手作業で行っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能鮮魚の加工工程のウロコ取りに時間がかかり、マダイはウロコが固いため従業員が腫部炎になるなど重労働だった。
  • 生産能力三枚おろしの工程は従業員の技術や経験に依存しており、生産量や納期に課題を抱えていた。

やったこと

最新のウロコ取り機を導入した。ウロコのある魚全てに対応し、特別なスキルを要さず短時間で大量の魚のウロコを取ることができる機械である。三枚おろしの工程には、マダイのような大きな魚をさばくためのフィレマシンを導入した。2つの機械の導入により、作業時間を短縮し生産性を向上させた。

  • 加工機最新のウロコ取り機フィレマシン

新しい製品・サービス:オリジナルの一夜干し(特殊冷風乾燥機を用いて試作中)

事業の効果

ウロコ取りの作業時間が短縮され、従業員の労働環境が劇的に改善された。三枚おろしもスピーディーになり、2つの機械の導入で生産性が向上した。これまで受けられなかった短納期の注文にも応えられるようになった。作業時間の短縮により新商品の開発に取り組む時間も確保できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性長崎魚市場を拠点に九州全域の水揚げを扱い、県内で唯一の特殊冷風乾燥機を導入するなど、地域での強みが具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決ウロコ取りが加工工程の約4割を占めることや、三枚おろしの技能依存を課題として認識し、機械導入で解決する流れが示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標作業時間の短縮や生産性向上は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1988年設立の水産加工業で、手作業中心の事業を続けてきた。今後は加工品にも力を入れる方針が示され、一貫性は読み取れるが具体性は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    長崎魚市場を拠点に九州全域の水揚げを扱い、県内で唯一の特殊冷風乾燥機を導入するなど、地域での強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ウロコ取りが加工工程の約4割を占めることや、三枚おろしの技能依存を課題として認識し、機械導入で解決する流れが示されている。

事業の実現可能性2.4
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の短縮や生産性向上は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員30名という規模は分かるが、補助事業を遂行する人材や事務体制について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多種多様なニーズに応える商品づくりや、短納期注文への対応、ふるさと納税返礼品への展開計画が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    一夜干しの試作中であることや今後の展開は書かれているが、スケジュールや課題解決の具体的方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    県内で唯一となる特殊冷風乾燥機を導入し、オリジナルの一夜干しを試作している点で、新たな高付加価値化の取組がうかがえる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    従業員の腫れなど重労働の改善が述べられているが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は明確ではない。

  • 費用対効果2

    作業時間の短縮や短納期対応は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ウロコ取り機やフィレマシンなど機械化によるイノベーションはうかがえるが、デジタル技術の活用は示されていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    生の魚の扱いから加工品へ広げる方向性はうかがえるが、市場成長分野への進出や構造転換との関係は示されていない。

  • 地域経済への波及3

    長崎魚市場や雲仙市という地域拠点を活かし、ふるさと納税返礼品への展開を計画しており、地域特性への言及がある。

今後の展望

県内で唯一となる特殊冷風乾燥機を導入し、オリジナルの一夜干しの試作を進めている。今後は加工品にも力を入れ、ふるさと納税の返礼品などに展開していきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。