ものづくり補助金平成29年度学術研究、専門・技術サービス業熊本県

内部構造を丸ごと再現した高精度3Dモデルの開発とサービスの提供

株式会社RPV

この事例のポイント

  • 自動車や航空機のエンジンメーカーから、製品の内部構造を忠実に再現した高精度な3Dモデルを短時間で作成することが求められていた。
  • 当社は、X線CTでスキャンした製品の内部構造の3Dデータと、光学式3Dスキャナーで得られる高精細な外形形状の3Dデータを独自技術で組み合わせる手法を開発した。
  • 補助事業で導入した光学式3Dスキャナーにより、画像のノイズなどが発生せず、内部構造と外形の2つのデータを合成できるようになったことが大きな成果である。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社RPV
所在地熊本県 菊陽町
業種技術サービス業
従業員数8人
資本金1,000万円
設立2015年

事業の背景

自動車や航空機のエンジンメーカーでは、コスト削減のために部品同士を一体化して大型化する金属部品や、さまざまな素材を使用した複合材料の使用が増えている。試作品の設計開発や評価には、コンピューターによるシミュレーションや3D計測の活用が増えている。当社は取引先から、より難易度の高い3Dモデルの作成依頼を受けるようになっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動車や航空機のエンジンメーカーから、製品の内部構造を忠実に再現した高精度な3Dモデルを短時間で作成することが求められていた。
  • 新製品・新技術新素材や新工法を組み合わせた試作品の設計開発や評価に、3Dモデルを用いたシミュレーションや3D計測が増えており、従来の方法では対応が難しくなっていた。

やったこと

当社は、X線CTでスキャンした製品の内部構造の3Dデータと、光学式3Dスキャナーで得られる高精細な外形形状の3Dデータを独自技術で組み合わせる手法を開発した。製品の内部構造は自社のX線CTでスキャンし、外形は補助事業で導入した光学式3Dスキャナーでスキャンした。当社はさまざまな3Dスキャナーの3DデータとCADデータを合成・比較する技術をもとに、両スキャナーのデータを組み合わせた。この結果、高精細な外形と精密な内部構造を忠実に再現した3Dモデルデータの作成が可能になった。

検査測定光学式3Dスキャナー

事業の効果

補助事業で導入した光学式3Dスキャナーにより、画像のノイズなどが発生せず、内部構造と外形の2つのデータを合成できるようになったことが大きな成果である。自動車メーカーとは受託サービスの年間契約を結ぶことができた。関連の展示会に出展したところ、新規顧客との受注に向けた話も進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既に2つのデータを合成・比較する技術を持っていたと書かれ、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    エンジンメーカーが新素材や新工法の試作品で3Dモデルを求めている市場動向は書かれるが、自社の競争優位の定量的な根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    内部構造と外形を組み合わせた高精細3Dモデルで短時間作成を求められているという課題認識は読み取れるが、高付加価値化の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の創出や賃上げを実現する目標値は書かれておらず、年間契約や新規受注の話が進んでいることのみ記載がある。

  • 事業を進める体制2

    従業員8人の技術サービス業とあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    内部構造と外形を組み合わせた“いいとこ取り”の3Dモデルで、ノイズなく合成できる点と、顧客のニーズに近づけて提案する点が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は高出力X線CTなど大型設備の導入を検討と書かれるが、スケジュールや課題の解決方法は明確に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dモデルの内部構造まで再現する高精度化が、他社との差別化として位置付けられているが、市場の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    航空機や自動車のエンジン試作の高度化という産業的背景はあるが、経済波及や雇用創出への言及は読み取れない。

  • 費用対効果2

    光学式3Dスキャナーの導入でノイズの発生がなくなったとあるが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    X線CTと光学式3Dスキャナーのデータを組み合わせる手法で、試作開発の高度化に貢献しうることがうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    熊本県菊陽町に所在することは書かれるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

航空機、自動車、オートバイなどのエンジンやその補機類、パワートレインなどの3D試作モデル作成の受注を拡大する。今後は高出力X線CTスキャナーなど最新の大型設備の導入を検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。