ものづくり補助金平成29年度学術研究、専門・技術サービス業熊本県

UAVレーザー測量システムを用いた高精度3次元地形データの提供による生産性向上

株式会社ワコー

この事例のポイント

  • 山間部などでは測量機材を現場に運び込み、数日かけて計測しており、足場の悪い場所での作業には危険が伴っていた。
  • UAV(無人航空機)にレーザースキャナを搭載したシステムを導入し、ドローンによるレーザー測量を開始した。
  • UAVの導入により、足場の確保が難しい場所での測量の手間や危険性が解消され、広範囲の計測が可能になって時間的な余裕も生まれた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ワコー
所在地熊本県 熊本市南区
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
従業員数54人
資本金2,000万円
設立1965年

事業の背景

ワコーは測量、道路や河川などの設計、開発事業、地籍調査、構造物の点検・メンテナンス、ICTを活用したi-Constructionサービスなど、インフラ整備や街づくりに幅広く関わっている。国が推進するi-Constructionに対応し、建設現場の生産性を高めることが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力山間部などでは測量機材を現場に運び込み、数日かけて計測しており、足場の悪い場所での作業には危険が伴っていた。
  • 新製品・新技術国のi-Constructionに対応するため、測量から設計・施工・維持管理までICTを活用する必要があったが、取得したレーザー点群データを解析して使える形にする方法は前例や情報が少なかった。

やったこと

UAV(無人航空機)にレーザースキャナを搭載したシステムを導入し、ドローンによるレーザー測量を開始した。空中から地表状況に関係なく地形を計測し、広範囲の測量を行えるようにした。計測した点群データは、日本語非対応だった解析ソフトを使い、手探りで試行錯誤しながら要望に沿ったデータとして納品できる形に整えた。その成果を社内マニュアルとして共有し、業務を安定させた。

検査測定UAV(無人航空機)レーザー測量システム
ソフト点群データ解析ソフト

事業の効果

UAVの導入により、足場の確保が難しい場所での測量の手間や危険性が解消され、広範囲の計測が可能になって時間的な余裕も生まれた。データ解析の手順が社内で共有されて業務が安定し、他社に先駆けた導入により技術力と付加価値が向上した。新たな問合せや同業者からの紹介・相談も増えた。ドローン測量は若い世代に興味を持たれやすく、導入後10余名の新規採用につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の測量事業を発展させ、UAVレーザー測量で生産性を高める方針が読み取れる。経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    i-Construction対応を県内でいち早く導入したことが書かれており、他社との差別化が読み取れる。市場動向の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    重い機材での数日の計測や危険な現場という課題と、UAV導入による効率化の方向性は読み取れる。数値目標や計画の詳細は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    導入後に10余名の新規採用につながったとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    試行錯誤を経て自社でマニュアルを共有し業務が安定したとあり、体制面の記述がある。人材の具体数などは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    新たな問合せや同業者からの紹介が増えたと書かれている。顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的に書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    解析ソフトが日本語非対応で前例が少ない中、研究を重ねて対応したことが書かれている。スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    県内でいち早くUAVレーザー測量を導入したとあり、新しい分野への取組が読み取れる。普及度の数値は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    インフラ整備や危険な現場の改善に言及があるが、経済波及効果の定量的な記述はない。

  • 費用対効果2

    採用増や業務の安定が書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ドローンによる3次元点群測量を活用し、i-Constructionに対応したことが書かれている。サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    i-Constructionに対応したICT活用による生産性向上が書かれており、建設分野の構造転換にうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    熊本県内での導入や地域の街づくりへの関わりがうかがえるが、地域経済の成長への定量的な記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

補助金で新規事業の計画を紙に落として再確認したことが現在の安定的な運営につながったと考えており、今後も新規設備導入の際に補助金を支援の選択肢として活用したいとしている。

事業者の声

以前はどんな山奥でも重い機材を抱えて現場に行って、数日かけて計測していました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

長野県学術研究、専門・技術サービス業平成25年度

UAV(小型無人航空機)に搭載可能なレーザー計測装置の開発

セスナ飛行機や有人ヘリコプターで運用されている航空レーザー装置を小型・集積化し、UAVに搭載できる計測装置を開発した。

効果:当初目指していた3kgをオーバーしたが、UAVの部品見直しにより搭載可能な範囲に収めた

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。