ものづくり補助金平成30年度農業、林業北海道

協働ロボット導入による作業効率化及び安定した樹木栽培の実現による環境保全への取り組み

有限会社大坂林業

成果コンベア作業の人員 3人→2人

この事例のポイント

  • 需要に対して林業労働者が不足しており、労働集約型の生産方式では苗木の供給が追いつかない。
  • コンテナ苗木の育成工程に協働型ロボットを導入し、作業員がコンテナをコンベアに設置する単純作業を代替させた。
  • コンベア作業の人員 3人→2人。協働ロボットの導入により、コンテナ苗の増産体制が整い、収益力が大幅に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社大坂林業
所在地北海道 幕別町
業種林業
技術分野機械制御
従業員数16人
資本金900万円
設立1949年

事業の背景

同社は幕別町忠類の40ヘクタールの苗畑でカラマツやトドマツなどの林業種苗や緑化樹木を生産し、約200万本の苗木を育てている。2010年から欧米を中心に広がったコンテナ苗を採用し、19年にはコンテナ苗の生産規模100万本の施設整備を完了した。北海道の森林面積約550万ヘクタールのうち約150万ヘクタールを人工林が占め、その過半が樹齢40年を超えて伐採時期を迎えている。年間約9000ヘクタール分の苗木需要があるとされる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力需要に対して林業労働者が不足しており、労働集約型の生産方式では苗木の供給が追いつかない。
  • 人手・技能コンテナ苗の生産工程では、コンテナをコンベアに設置する単純作業を人手で行っており、人手不足が深刻である。

やったこと

コンテナ苗木の育成工程に協働型ロボットを導入し、作業員がコンテナをコンベアに設置する単純作業を代替させた。協働ロボットは人のそばで作業でき、従来の産業用ロボットに比べて設置が容易で安全面に優れる。単純な繰り返し作業の精度が高く、動作の事前設定も簡単である。動きを指示するのに複雑なプログラミングは必要なく、ハンド部はアタッチメント式で用途に応じたアームを取り付けられる。この汎用性の高さが設備の選定理由となった。操作はタッチパネルで行い、コンピュータに不慣れな人でも直感的に操作できる。

ロボット協働型ロボット

事業の効果

  • コンベア作業の人員 3人→2人

協働ロボットの導入により、コンテナ苗の増産体制が整い、収益力が大幅に向上した。当該工程の省人化・省力化に成功し、浮いた人員をボトルネックの業務に充てることで事業全体の生産性も向上した。作業負担が軽減され労働環境も改善し、雇用の拡大にもつながった。最新の協働ロボットを競合他社に先行して主力事業で稼働させたことは、強力な差別化要因にもなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    コンテナ苗は2010年から採用し、2019年に100万本規模の施設整備を完了したとあり、過去の取組との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    造林苗木の需要に対し林業労働者が不足していると書かれ、強みとして最新の協働ロボットを競合に先行導入した点が挙げられている。

  • 課題の認識と解決4

    労働力不足が深刻な課題と明記され、コンテナ作業3人が2人になったという具体的な省人化の成果も示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    収益力が大幅に向上したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、数値目標が読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    導入後約2年の運用実績と操作の容易さが書かれ、体制の具体的な記述は少ないが運用の見通しはうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    安定供給や根の傷みが少なく植栽後枯れにくいという選ばれる理由は書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    将来的に移植作業や積み下ろしへ適用する予定とあるが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    コンテナ苗は欧米で広がった手法で、高水準の高付加価値化を示す記述は薄く、組織培養に注力とあるのみ。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    木材の安定供給や造林苗木需要の増加、森林の循環維持など国の政策課題との関連がうかがえるが、経済波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    増産や生産性向上の効果が書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    協働ロボットによる省力化は書かれているが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献までは読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    林業の機械化・効率化による木材供給の安定化が書かれ、構造転換に近い方向性がうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及3

    北海道十勝の幕別町で40ヘクタールの苗畑を営み、約200万本を育てるなど地域特性を活かした事業として読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

安定的な苗木生産を通じて道内・国内の木材産業を守り、未来の森づくりや自然環境の保全にもつながる取り組みとなった。

事業者の声

ロボットがペースメーカーとなり、以前より仕事がしやすくなった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。