ものづくり補助金平成30年度製造業宮城県

海藻パウダー新市場開発のための密閉式連続海藻パウダー生産ライン革新事業

株式会社大平昆布

成果生産量も大幅にアップした。

この事例のポイント

  • 既存の生産ラインは微粉砕機、ふるい機、充填機などが独立しており、機械間の移動を袋詰めの手作業で行うため、手間がかかり異物混入のリスクが高かった。
  • 既存の海藻パウダー製造ラインを密閉式にする生産ラインの自動化に取り組んだ。
  • 生産量も大幅にアップした。密閉式の自動化ラインにより、粉砕から金属探知機の検査、パック詰めまでが一貫して機械で行われ、異物混入のリスクが下がり食…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大平昆布
所在地宮城県 栗原市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,材料製造プロセス,バイオ
設立1948年

事業の背景

大平昆布は1948年に栗原市で創業し、北海道産の海藻を扱い、昆布やわかめの加工と卸を手掛けている。松前漬けなどに使う刻み昆布が加工の約半分を占めるが、価格面で他社との競争が激しく利益確保が難しくなっていた。海藻を粉末化した海藻パウダーは10年以上前から手掛けており、製麺や化粧品、サプリメントなど健康志向の高まりから需要が伸びていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の生産ラインは微粉砕機、ふるい機、充填機などが独立しており、機械間の移動を袋詰めの手作業で行うため、手間がかかり異物混入のリスクが高かった。
  • 品質・精度納品した製品に髪の毛が混入し、受注停止となった。
  • 生産能力既存の生産ラインでは注文に応えるのが難しく、生産能力の関係で取引を断ることがあった。
  • 集客・繁閑刻み昆布など価格競争の激しい製品が加工の約半分を占め、利益の確保が難しくなっていた。

やったこと

既存の海藻パウダー製造ラインを密閉式にする生産ラインの自動化に取り組んだ。微粉砕機、ふるい機、充填機をそれぞれ直径5センチの軟質塩化ビニール製ホースで連結し、砕いたパウダーを空気圧で吸い上げ、粒を揃えて金属探知機を通し、1kgのパック詰めまでを機械化した。これにより異物混入を防ぎ、生産量も大幅に上がった。食品業界だけでなく、健康食品や美容品業界など新しい販路の開拓を進めている。

加工機微粉砕機・ふるい機・充填機を連結した海藻パウダー自動生産ライン
その他軟質塩化ビニール製ホース(直径5センチ)
検査測定金属探知機

新しい製品・サービス:密閉式連続海藻パウダー生産ライン

事業の効果

  • 生産量も大幅にアップした。

密閉式の自動化ラインにより、粉砕から金属探知機の検査、パック詰めまでが一貫して機械で行われ、異物混入のリスクが下がり食品安全が向上した。生産量も大幅に増え、以前は断っていたコンビニの麺向けの取引にも対応できるようになり、取引が増えた。今後は健康食品や美容品など新しい販路を開拓し、海藻パウダーを事業の軸として育てていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業70余年・海藻業界での専門知識と、海藻パウダーを事業の軸に育てる方針が書かれ、既存事業との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ISO22000認証の取得・継続や三陸・北海道の仕入れから販売までの商流が強みとして具体的に挙げられ、競合との差別化も述べられている。

  • 課題の認識と解決4

    刻み昆布の価格競争で利益確保が難しい課題に対し、密閉化ラインで美容品・健康食品の新販路を開く計画が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、生産量が大幅にアップしたという定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    社長・専務の体制や事務処理能力への言及はあるが、補助事業の遂行体制を裏付ける記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    化粧品・サプリメント・製麺・だし需要など顧客ターゲットと用途が具体的に示され、海外メーカーからの引き合いも書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    製造ライン自動化の手順(ホース連結・空気輸送・金属探知機・パック詰め)は書かれるが、スケジュールや中長期の検証は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    海藻パウダーは一般的な普及度が高くないと見られ、食品から健康食品・美容品への新市場を開拓する方針が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    コロナ禍でだし需要が増えたという記述はあるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    生産量の大幅アップや異物混入の防止は書かれているが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    空気輸送と金属探知機による機械連結の自動化は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    刻み昆布から海藻パウダーへ事業の軸を移す方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    宮城県栗原市の地場企業で北海道産海藻を扱う点は読み取れるが、地域の雇用や成長を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海藻パウダーを事業の軸とし、刻み昆布から新しい販路へ移行していく。美容品関係など新しい顧客を取り込み、海外の化粧品メーカーとの取引も個人輸出から本格的なビジネスへ拡大していく計画である。

事業者の声

“MASAMI”というアメリカの化粧品メーカーのシャンプーにも、うちのめかぶパウダーが使われています。70年続いてきた会社なので、これまでのお客様を大事にしつつ、美容品関係など新しいお客様も取り込んでいきたいと思っています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。