ものづくり補助金平成30年度製造業秋田県

航空機内装向け部品における切削加工工程の革新と生産性向上計画

有限会社エスアイティー

成果導入機でツールの本数が90本に増加した。

この事例のポイント

  • ツール交換が1時間/回で2~3回/日発生しており、生産に時間がかかっていた。
  • 5軸制御立型マシニングセンタを導入し、製造ラインを1ライン増加させた。
  • 導入機でツールの本数が90本に増加した。機械を止めずにワークを入れ替えられるようになり、作業効率が格段に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社エスアイティー
所在地秋田県 にかほ市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金300万円
設立2003年

事業の背景

当社は金属切削加工業者で、5軸制御マシニングセンタによる加工を得意としている。主力製品は航空機内装部品(ギャレー、化粧室、シートユニット等)や車載部品、産業機械の部品である。近年は航空業界の市場拡大にあわせて航空機部品の注文が増加傾向にあり、取引先から加工アイテム種類と生産点数の拡大を求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ツール交換が1時間/回で2~3回/日発生しており、生産に時間がかかっていた。
  • 生産能力ステンレスの加工精度を維持するため回転数や送り速度を遅くして加工せざるを得ず、年間3,000点の生産が限界だった。
  • 人手・技能航空機内装部品の加工アイテム種類と生産点数を拡大するよう取引先から要請があったが、既存設備では対応できなかった。

やったこと

5軸制御立型マシニングセンタを導入し、製造ラインを1ライン増加させた。導入設備はパレットが10個あり、日中の加工に加えて夕方に夜間分のワークをセットすることで、夜間の無人運転を活用しながら生産点数を増やせるようにした。ツールは90本まで装備でき、ツール交換なしに多くのアイテムを加工できるようになった。機械の剛性が強化されたため、回転数を落とさずに加工することも可能になった。

加工機5軸制御立型マシニングセンタ

事業の効果

  • 導入機でツールの本数が90本に増加した。
  • 導入設備はパレットが10個あり、最大10個のワークがセット可能になった。

機械を止めずにワークを入れ替えられるようになり、作業効率が格段に向上した。夜間の無人運転を活用して生産点数を増やせるようになり、既存のマシニングセンタと合わせて工場全体の設備バランスも最適化された。ツール交換なしに多くのアイテムを加工でき、回転数を落とさずに加工できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の金属切削加工と5軸マシニングセンタ加工の得意分野が述べられ、航空機内装部品への取り組みと一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ステンレス等の難切削材加工や230種類のアイテム対応が強みとして書かれるが、市場動向との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    ツール交換2~3回/日、年間3,000点の生産限界という課題を示し、導入で夜間無人運転と生産点数増加につなげている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産点数増加の方向は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人の規模は書かれるが、補助事業の遂行体制や人材、事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    航空機内装部品の注文増加と取引先からの要請が書かれ、ニーズの裏付けはあるが顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の効果と今後の営業方針は書かれるが、遂行スケジュールや課題解決の方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ステンレス航空機部品の加工を高水準の加工精度で行うとの記述があるが、分野の普及度との比較はない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    年間3,000点の限界から生産点数増加へと変わったと書かれるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空機部品という成長が見込まれる分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    秋田県にかほ市の地元企業であることは書かれるが、地域経済への波及効果の記述はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

コロナ禍による航空機需要の低迷は数年続くとみられ、ボーイング787の生産は2022年までに半減する計画で、当面は厳しい状況が続く見込みである。電子部品や医薬品関連、自動車関連など生産が動き始めている業界からのリピート注文を中心に営業を行っている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。