ものづくり補助金平成30年度製造業山形県

新型工作機による木製家具の生産向上と技術継承による人材育成

有限会社昭工芸

この事例のポイント

  • 慢性的な人材不足と受注量の制限により、利益機会を逸失している。
  • ユニバーサルヘッド5軸制御NCマシンを導入し、手加工の一部を機械化した。
  • 本事業により生産性が飛躍的に伸び、製作期間の短縮と内製化比率の拡大が図られた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社昭工芸
所在地山形県 山形市
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工
従業員数9人
資本金300万円
設立1990年

事業の背景

当社は昭和37年に木工建具業者として創業し、昭和50年代からデザイン性が求められる商業施設装備品に比重を置いてきた。平成2年に法人化し、現在は装備品に付随する仕上工事までを請け負っている。百貨店、専門店、スーパーマーケット、各種ショールーム等の木工装備品や、学校・行政施設の家具を手掛け、納品・施工先は全国に広がっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力慢性的な人材不足と受注量の制限により、利益機会を逸失している。
  • 人手・技能家具職人の高齢化が進み、高度な技術の継承が課題となっている。
  • コスト・採算外注に係るコストとリードタイムが増加している。

やったこと

ユニバーサルヘッド5軸制御NCマシンを導入し、手加工の一部を機械化した。これにより非熟練者でも高度な加工が可能になった。機械化によって、これまで培ってきた職人の経験と知識を短時間で形にできるようになった。あわせて営業・人員体制を見直して生産体制を強化し、中央の展示会等に積極的に出展して商圏の拡大を目指した。

加工機5軸制御NCマシン(ユニバーサルヘッド、本体・操作盤)

事業の効果

本事業により生産性が飛躍的に伸び、製作期間の短縮と内製化比率の拡大が図られた。従来は製作作業の補佐に留まっていた若年層も、機械操作を身につけて活躍の場が広がった。一方で材料加工には熟練の経験と知識が必要なため、世代間で尊重し合いながら技術の継承と転換が進んでいる。コロナ禍後の店舗新規出店や改装需要の増加により受注も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和37年創業の木工建具業から商業施設装備品へ比重を移した経緯が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    百貨店やスーパー等の装備品を手掛け全国に納品している点は書かれるが、市場動向と自社強みの関係の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    人材不足、職人高齢化、外注コストとリードタイム増加の3課題を明示し、5軸NC導入で手加工を機械化する対応が書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性や製作期間短縮が書かれるが、具体的な目標数値や付加価値向上の数字は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員9名と若手職人の機械操作習得が書かれるが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    デザイン性の高い商業施設装備品という製品の価値と、ニーズや選ばれる理由が概略的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として3次元サンプル製作や女性雇用の検討が書かれるが、遂行スケジュールや課題解決方法は不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    木工装備品の分野で高評価を受けていると書かれるが、高価格化や分野での高水準化の裏付けは乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    新規出店や改装の活発化による受注増は触れられるが、波及効果や雇用創出の規模は示されていない。

  • 費用対効果3

    製作期間の短縮と内製化比率の拡大が書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸NCによる機械化は述べられるが、地域やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山形市の地域企業として全国に納品している点はあるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産量の制約で受注できなかった分野の製品製作の依頼も増え始めている。提案型製品は多くが2次元提案だったが、部分的に3次元サンプルの製作が可能になったため、木材加工による製品開発にも力を入れたい。重労働だった作業の一部が軽減されたことから、女性の雇用も視野に入れて人材育成に努めたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。