ものづくり補助金平成24年度和歌山県

マイコン制御型ダブルエンドテノーナによる最先端トイレブースの製作

有限会社藤村産業

成果0.1mm単位での制御が実現

この事例のポイント

  • カット機が1987年型でマイコン制御がなく、パネルを手作業で測定・カッティングしていたため精度の誤差が生じやすかった。
  • コンピューター付きカット機「マイコン制御型ダブルエンドテノーナ」を導入した。
  • 0.1mm単位での制御が実現。0.1mm単位の制御が実現し、デザイン性の高いトイレブースを忠実に製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社藤村産業
所在地和歌山県 和歌山市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野プラスチック成形加工
従業員数11人
資本金300万円
設立2003年

事業の背景

和歌山県は林業が盛んで建具業の歴史が古く、和歌山市は県下の建具業者が集中する地域である。同社は現在、商業施設・文化施設・オフィスビル・教育施設・病院などのトイレブースやフラッシュ建具の製造・販売を主力としている。近年はデザイン性や犯罪防止の観点から、上下に隙間のない密閉型トイレブースの発注が増えている。密閉型は3m近い高さのものが主流で、パネルのカット加工に高い寸法精度が求められる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度カット機が1987年型でマイコン制御がなく、パネルを手作業で測定・カッティングしていたため精度の誤差が生じやすかった。
  • 人手・技能熟練技師がカバーしていたが、カッティングに相当の時間を費やすことがあった。
  • 納期・工程急な納期変更への対応が困難で、依頼を断るケースもあった。

やったこと

コンピューター付きカット機「マイコン制御型ダブルエンドテノーナ」を導入した。これにより、トイレパネルのカットをマイコン制御で行えるようになった。最新機械の設置により0.1mm単位での制御が実現し、厚手の特殊パネルのカットも容易になった。多品種・少量生産にも有効利用し、複雑で多様性の高い加工も可能となった。

  • 加工機マイコン制御型ダブルエンドテノーナ

事業の効果

  • 0.1mm単位での制御が実現
  • 対前年比で毎年10%の受注増

0.1mm単位の制御が実現し、デザイン性の高いトイレブースを忠実に製造できるようになった。厚手の特殊パネルのカットも容易になった。生産時間の短縮とコスト削減も予想どおりの成果を上げた。増産や急な納期変更にも対応できるようになり、以前は断っていた仕事も受注できるようになった。3mクラスの密閉型トイレブース市場で対前年比毎年10%の受注増につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決1987年型カット機の手作業による精度誤差や納期対応困難という課題を明示し、マイコン制御機導入で解決する計画が具体的に書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標対前年比で毎年10%の受注増につながったという数字が書かれており、目標値と成果が示されている。ただし事前の目標値は明記されていない。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けデザイン事務所やスーパーゼネコンが依頼する高デザイン性のトイレブースを忠実に製造できる点が、顧客ターゲットと選ばれる理由として示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員11人と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかである。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    戦後創業の木製建具製作所から、トイレブース部門を昭和51年に開設し現在のメイン事業にしたと書かれており、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    密閉型トイレブースの発注増というデザイン性・犯罪防止の市場動向と、和歌山の建具業の集積に触れており、強みは読み取れるが定量的な比較はない。

  • 課題の認識と解決4

    1987年型カット機の手作業による精度誤差や納期対応困難という課題を明示し、マイコン制御機導入で解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    対前年比で毎年10%の受注増につながったという数字が書かれており、目標値と成果が示されている。ただし事前の目標値は明記されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員11人と記載があるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    デザイン事務所やスーパーゼネコンが依頼する高デザイン性のトイレブースを忠実に製造できる点が、顧客ターゲットと選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋3

    0.1mm単位の制御実現や「10年先のトイレ」の提案など今後の方向性は示されるが、スケジュールや中長期の課題検証は詳しくない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    3mクラスの密閉型トイレブース市場で、厚手の特殊パネルのカットや高デザイン性の製品を高水準で実現するとしている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    都市部の再開発や中古ビル改修需要の高まりに触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産時間の短縮とコスト削減が予想通り成果を上げ、受注増につながったと書かれるが、補助金額対比の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    マイコン制御という先端技術の導入は読み取れるが、サプライチェーンや地域全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山市の建具業集積地で、和歌山から最先端トイレブースを発信すると述べており、地域の特性を活かす姿勢は読み取れる。

今後の展望

東京オリンピック開催や都市部の再開発で中古ビルの改修需要が高まっている今、最新機械の導入と熟練技術で大型受注を狙う。今後も進化するトイレ空間を「10年先のトイレ」として提案し、安売り競争に埋没せず最先端のトイレブースを和歌山から発信していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

岡山県平成24年度

多品種小ロット、短納期の生産体制を実現

生産工程を改善するため、高性能の研磨設備を2台導入し、消耗品・部品を共通化するとともに、1台に不具合が生じても生産に影響が出ないようにした。

効果:塗装の乾燥時間 2日→0.67日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。