ものづくり補助金平成30年度製造業岐阜県

自動クロスカット機導入で生産性アップによるQ・C・Dの向上

株式会社曽我木材工業

成果枠材カット工程で従来工法に比べ加工時間を68.8%短縮

この事例のポイント

  • 多品種小ロット生産に対応できる体制の強化が必要だった。
  • 造作材のプレカット化と邸別発送化に対応するため、自動クロスカット機RCVH60S-310Λ型を導入した。
  • 枠材カット工程で従来工法に比べ加工時間を68.8%短縮。自動クロスカット機とQRコードシステムの導入により、枠材カット工程の加工時間とカット工程数を大幅に削減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社曽我木材工業
所在地岐阜県 恵那市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野精密加工,材料製造プロセス
従業員数29人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

当社は東濃ヒノキや杉の製材所として創業し、木材を使った住宅内部造作材の加工販売を行ってきた。現在はオレフィンラッピング製品の製造加工を主力事業としている。業界では「邸別」という概念が浸透し、小ロット生産が求められるようになった。造作材のプレカット化が進み、顧客が在庫を持たず各建設現場へ必要な製品を邸別配送する流れが生まれた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種小ロット生産に対応できる体制の強化が必要だった。
  • 人手・技能現場作業員の精度レベルと生産性を向上させる必要があった。
  • 納期・工程取引先ニーズに合わせた短納期対応が求められていた。
  • 人手・技能労働環境の改善が求められていた。
  • 生産能力繁忙期には生産能力を超える受注を抱え、生産性が大きく低下していた。

やったこと

造作材のプレカット化と邸別発送化に対応するため、自動クロスカット機RCVH60S-310Λ型を導入した。多品種小ロット生産に対応するため、QRコードを用いた生産管理システムを構築し、受注から生産指示書、在庫管理までを連携させた。データ入力を自動化して人的ミスの軽減を図った。機械設備の作業マニュアルを作成し、業務知識やノウハウを共有した。自動クロスカット機による製品の精度と人的加工製品の精度を比較して検証し、リードタイムを測定して従来の工数と比べ削減時間と歩留率向上を確認した。

加工機自動クロスカット機RCVH60S-310Λ型
ソフトQRコードを用いた生産管理システム
ソフト自動板取計算ソフト

事業の効果

  • 枠材カット工程で従来工法に比べ加工時間を68.8%短縮
  • カット工程数を半分に削減
  • シートの欠けが無くなり歩留率は平均90%まで向上

自動クロスカット機とQRコードシステムの導入により、枠材カット工程の加工時間とカット工程数を大幅に削減した。歩留率は平均90%まで向上し、高レベルの生産能力を確立した。自動化により人的ミスがゼロになり、時間外労働も削減されて労働生産性が向上した。生産効率の向上により短納期対応が可能となり、出荷量の調整による物流費のコストダウンも図れるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    従来の有機溶剤ラッピング(MAX60m/分)の強みを活かし、プレカット対応へ広げた経緯が書かれており、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    業界平均の倍の高速ライン実現や邸別配送の需要変化を踏まえ、多品種小ロット体制を築いたと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    繁忙期の生産能力超過と生産性低下という課題を挙げ、自動クロスカット機とQRシステムで解決したと書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間68.8%短縮、歩留率平均90%、物流費削減などの成果は示されるが、賃上げや付加価値額の目標値は見当たらない。

  • 事業を進める体制3

    作業マニュアル作成や現場作業員の精度向上への言及はあるが、人材確保や事務処理体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ハウスメーカーの邸別配送ニーズや短納期要望に応える体制と書かれ、顧客ターゲットとニーズの裏付けが読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    ピッキング工場の令和3年4月完成予定や令和2年10月のスチール・アルミ展開など今後の計画が示されるが、課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業界平均の倍となる高速ラッピングや、木質系以外へのラッピング展開など高水準の取組が書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    住宅業界のプレカット化や木材加工の需要変化に触れるが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    自動クロスカット機導入で加工時間68.8%短縮、歩留率90%、時間外労働削減と数値で成果が示され、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    QRコードによる受注から在庫管理までの連携やコンピュータ制御の自動化が書かれ、デジタル活用は読み取れるが波及効果の記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    プレカット化や邸別配送の流れに対応する点は触れられるが、日本経済の構造転換に資する記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    東濃ヒノキや杉の製材所として創業した地域基盤に触れ、新規顧客獲得による事業拡大を目指すと書かれているが、地域経済への効果は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

住宅業界のプレカット化と短納期需要が増す中、品質の安定化と多品種小ロット体制が整い、取引先ハウスメーカーの要望に応えられる状態となった。令和3年4月にはピッキング工場を完成させ、新規顧客獲得による事業拡大を目指す。令和2年10月からはスチール・アルミへのラッピングも始めている。

事業者の声

感謝の気持ちを忘れず、皆様と共に成長していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。