現場管理クラウドシステムで情報共有と見える化による生産性向上

島根県の製造業が、ものづくり補助金で現場管理クラウドシステムを導入し、生産性を高めた事例です。

播磨屋林業株式会社

この事例のポイント

  • 現場が大田・浜田両市まで広がり移動に1時間以上かかることもあるうえ、帰社後に作業日報などを記入するため実質的な作業時間が短く、効率的に作業を進められない状況が続いていました。
  • 出退勤、設備機械の使用状況、作業日報などを管理できる現場管理クラウドシステムを導入しました。
  • 作業日報や出退勤、設備の使用状況を一元的に管理でき、社員が使い慣れたアプリで入力できるため、スムーズに浸透して作業効率が著しく向上しました。

事業者のプロフィール

事業者名播磨屋林業株式会社
所在地島根県 江津市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野情報処理,製造環境
従業員数52人
資本金2億円
設立1964年

事業の背景

初代は炭焼きで創業し、その後、建築用材の切り出し、製紙用チップ材の製造、産業廃棄物処理、木質バイオマス燃料供給などへ事業を多角化してきました。木炭は高度経済成長期に電気やガス、石油などに代替されて需要が急減し、林業従事者の減少も重なって荒廃した森林が少なくないのが現状です。

近年は環境意識の高まりから再び森林が脚光を浴びています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現場が大田・浜田両市まで広がり移動に1時間以上かかることもあるうえ、帰社後に作業日報などを記入するため実質的な作業時間が短く、効率的に作業を進められない状況が続いていました。

やったこと

出退勤、設備機械の使用状況、作業日報などを管理できる現場管理クラウドシステムを導入しました。システム会社にオーダーメイドでソフト開発を依頼し、同社のニーズに合致する内容に仕上げてもらいました。

社員は無料通信アプリを使って作業日報を入力し、各工程の進捗状況を現場で確認できるようにしました。原価計算システムも取り込み、作業方法や段取りによって生産コストが変わる点を可視化しました。

また、通勤用の車両を新規でリースし、必要に応じて社員が直行直帰できる体制を整えました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

作業日報や出退勤、設備の使用状況を一元的に管理でき、社員が使い慣れたアプリで入力できるため、スムーズに浸透して作業効率が著しく向上しました。各工程の進捗を現場で確認でき、原価計算とも連動したことで作業方法による生産コストの違いが見え、社員のコスト意識醸成にもつながりました。

生産性が向上し、天候などで生じた工事遅延にも迅速に対応できるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性山を歩いて木を目利きできるベテラン社員が高品質材の買い取りに不可欠とあり、自社の経営資源の強みが競争優位に結びついている。
  • 4
    地域経済への波及地元江津市を拠点に森林資源を活かした事業を展開し、地域で雇用を支え、地域の林業を牽引する姿が描かれている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産性向上や営業エリア拡大を狙うとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    炭焼きから建築用材、製紙チップ、産廃処理、バイオマス燃料へと森林に軸足を置いた多角化を続けてきた経緯が書かれ、一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    山を歩いて木を目利きできるベテラン社員が高品質材の買い取りに不可欠とあり、自社の経営資源の強みが競争優位に結びついている。

  • 課題の認識と解決3

    移動に1時間以上かかり実質作業時間が短いという課題を認識し、クラウド導入で解決して生産性向上と迅速な対応につなげている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上や営業エリア拡大を狙うとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員52名の体制で、システム会社にオーダーメイド開発を依頼し、社員が使い慣れたアプリで入力できる運用を整えている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    現場の工程進捗や原価を可視化する現場管理システムで、顧客ニーズへの迅速対応とコスト競争力を訴求している。

  • 事業化までの道筋2

    システム導入と営業エリア拡大は示されるが、スケジュールや中長期の課題検証、解決方法の具体的記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    木質バイオマスや森林資源の再評価に触れるが、同分野での高付加価値化や高価格化を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    環境意識の高まりによる森林の再評価や、バイオマス発電・燃料供給など地域資源の活用という社会的意義が読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    現場管理クラウドと高性能林業機械を組み合わせ、情報の見える化で林業の現場のデジタル化を進めている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    地元江津市を拠点に森林資源を活かした事業を展開し、地域で雇用を支え、地域の林業を牽引する姿が描かれている。

今後の展望

今後は培った技術力に加え、スピードやコストなども大きな競争力として営業エリアの拡大と顧客満足度向上を狙います。

事業者の声

使い慣れているアプリで入力できるため、社員にスムーズに浸透し、作業効率性は著しく向上した

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。