ものづくり補助金平成30年度製造業静岡県

楽器部品の製造技術を活かした半導体部品製造部門への進出

山本工業有限会社

成果加工精度 0.1mm→0.001mm

この事例のポイント

  • 楽器(0.1㎜単位)と比べて半導体製造装置部品は0.001㎜単位と要求精度が大きく異なり、その精度への対応が課題であった。
  • 半導体製造装置部品の試作にあたり、精密楽器部品の製造技術を活かしてCNC自動旋盤を導入した。
  • 加工精度 0.1mm→0.001mm。0.001㎜単位の加工精度に対応できるようになり、品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名山本工業有限会社
所在地静岡県 湖西市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金1億円
設立1971年

事業の背景

同社は昭和46年に設立され、ピアノや管楽器等の楽器部品を主に総合楽器メーカーへ供給してきた。現在は約3,400種類の部品を製造し、真鍮及びステンレスの加工技術で高品質な楽器部品を短納期かつ多品種少量生産に対応している。管楽器部品が事業の柱だったが、コロナ禍の影響で伸び悩んでいた。そうした中、半導体製造装置の真鍮部品の製造を打診された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術楽器(0.1㎜単位)と比べて半導体製造装置部品は0.001㎜単位と要求精度が大きく異なり、その精度への対応が課題であった。
  • 品質・精度所有設備では切削時に切りくずが発生し、それが絡まって傷になっていた。
  • 生産能力所有設備では穴あけ加工と内径加工を同時に行えず、加工工程が多くリードタイムが長くなっていた。

やったこと

半導体製造装置部品の試作にあたり、精密楽器部品の製造技術を活かしてCNC自動旋盤を導入した。導入によって部品加工を高精度、低コスト、短納期で製造できる技術の確立に取り組んだ。試作を行った結果、品質とリードタイムともに目標を達成した。テストでは外気温の変化による金属膨張など、新たに対応すべき点が明確になった。

加工機CNC自動旋盤

新しい製品・サービス:半導体製造装置部品(真鍮部品)

事業の効果

  • 加工精度 0.1mm→0.001mm

0.001㎜単位の加工精度に対応できるようになり、品質が向上した。リードタイムも短縮された。打診のあった半導体製造装置部品の製造に対応でき、同社の新たな事業となった。半導体製造装置部品は楽器に次ぐ新たな柱の事業になっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    管楽器部品の製造を柱としてきた経緯と、半導体製造装置部品への進出という新事業の関係が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    コロナ禍で管楽器が伸び悩んでいたこと、0.001mm単位の精度要求への対応力が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決4

    切りくずの絡まり、穴あけと内径加工の同時不可、リードタイム長期化など課題が具体的に挙げられ、CNC自動旋盤で解決した。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    品質・リードタイムの目標達成とあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員教育による機器習熟度の向上や職人育成への取り組みがうかがえるが、体制の具体的な人数などは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度・低コスト・短納期が価値として示され、半導体製造装置部品の製造要請がニーズの裏付けとして書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    テストで外気温による金属膨張など新たな課題を把握したと書かれるが、その解決方法や時期は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    0.001mm単位の高精度加工を楽器部品の技術から半導体製造装置部品に展開した点が示されている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    リードタイム短縮や品質向上の成果は示されるが、投入額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体製造装置部品という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    静岡県湖西市の地域企業であることは書かれるが、地域の経済成長や雇用への波及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

精密金属製品の取り扱いのノウハウを蓄え、製品検査室の設置など品質管理をさらに進める。社員教育による機器習熟度と安全性の向上、加工技術の高度化に取り組む。楽器と半導体製造装置部品を両輪として成長を続け、人を育成し職人を育てることにも注力する。

事業者の声

楽器と半導体製造装置部品を両輪とし、今後もチャレンジを続けることで、成長をしていきたい。また、人を育成する。職人を育てることにも注力していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。