ものづくり補助金平成30年度製造業静岡県

省エネ効果の高い蓄圧器の世界シェア獲得に向けた旋盤加工の生産性向上計画

日本アキュムレータ株式会社

成果加工時間 45分→30分

この事例のポイント

  • 受注が増加しているが、現有設備では重切削の能力と生産性が不足し、増える受注に十分対応できなかった。
  • 受注増加に対応するため、新たにCNC旋盤を導入した。
  • 加工時間 45分→30分。CNC旋盤の導入により旋盤加工時間が大幅に短縮され、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名日本アキュムレータ株式会社
所在地静岡県 静岡市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金6,000万円
設立1980年

事業の背景

日本アキュムレータ株式会社は1955年に杉村研究所として設立され、1958年に国産初のブラダ型アキュムレータを商品化した。その後も独自構造の製品を開発し、アキュムレータの高寿命化と高性能化を実現してきた。こうした開発が評価され、アキュムレータ企業ランキング1位として受注は増加傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が増加しているが、現有設備では重切削の能力と生産性が不足し、増える受注に十分対応できなかった。
  • 品質・精度現有設備は剛性が低く加工精度が安定せず、重切削も難しいため、加工時間が長期化していた。
  • 品質・精度製品完成後に目視検査し、その結果を基に NC 旋盤のプログラムを手入力で修正していたため、ヒューマンエラーの可能性があり、補正に時間がかかって生産性を下げていた。

やったこと

受注増加に対応するため、新たにCNC旋盤を導入した。導入したCNC旋盤は高剛性であるため加工精度が安定し、主軸回転数750回転/分、送り速度12m/分、主軸トルク45kW/60.0HPに向上したことで重切削にも対応できる。さらに検査結果を受信して自動でプログラムを修正する仕組みを備え、補正の反映が早まり、寸法結果の読み間違いやプログラム入力間違いなどのヒューマンエラーを排除できた。加工そのものの時間も45分から30分に短縮された。

加工機CNC旋盤

事業の効果

  • 加工時間 45分→30分
  • 月間製造本数 760本→908.5本

CNC旋盤の導入により旋盤加工時間が大幅に短縮され、生産性が向上した。検査結果と連動して補正作業が自動化され、ヒューマンエラーも排除できた。月間製造本数の増加により生産体制が強化され、近年増加する受注に対応できるようになった。これらにより企業としての成長にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    高付加価値化を担う生産体制強化の経緯は書かれるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けまでは具体的に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    アキュムレータ企業ランキング1位、受注増加傾向、国産初のブラダ型商品化など、市場と自社強みが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    現有設備の剛性低下や重切削不可という課題を認識し、高剛性CNC旋盤導入で対応する計画が読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    月間製造本数760本から908.5本、生産性16.3%向上、加工時間45分から30分(33.3%短縮)と数値目標と結果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    製造チームの取材対応のみ触れられ、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    受注増加傾向、省エネ蓄圧器や節電改造キットなど製品価値と受注の裏付けが具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    継続的な生産工程の見直しや内製化強化といった方向性は示されるが、遂行スケジュールや課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    アキュムレータ企業ランキング1位で、高寿命・高性能の独自商品を持つ高付加価値分野であることが読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    石油・ガス、航空業界の受注増加や新事業の水圧モータ開発に触れ、波及効果の一端はうかがえるが国の補助理由としては薄い。

  • 費用対効果3

    加工時間短縮や生産性向上の数値は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    目視検査の自動化と検査結果連動による自動プログラム修正が示され、デジタル活用の要素は読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    水圧モータ開発など新事業展開にわずかに触れるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    静岡市清水区の立地は書かれるが、地域の特性を活かした経済成長への言及はわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は石油・ガス業界や航空業界からの受注増加に対応するため、継続的な生産工程の見直しと内製化の強化を進め、生産体制をさらに拡充する。また、新たなプロジェクトとして水圧モータの開発にも着手しており、新事業展開も見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。