ものづくり補助金平成30年度学術研究、専門・技術サービス業京都府

獣医療におけるX線透視装置を使用した京都初の低侵襲医療の提供

株式会社UAH

この事例のポイント

  • 京都市内では循環器などの低侵襲医療を行える設備システムを保有する施設がなく、飼い主は大阪などの大規模動物病院に行く必要があった。
  • 院内に獣医師と獣医看護師による低侵襲医療チームを結成し、技術・知識レベルを常にアップグレードしながら安全な低侵襲医療を提供する体制の構築を目指した。
  • 本補助事業により、循環器・整形・神経外科分野の低侵襲医療を京都市内で初めて提供できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社UAH
所在地京都府 京都市
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
従業員数28人
資本金1億円
設立2015年

事業の背景

ペットは「人生の伴侶」として認識が強まり、飼い主は人間基準の質の高い獣医療を求めるようになった。2021年の新規飼育者数は犬397万頭、猫489万頭と堅調に推移している。当院は2015年の開院以来、消化管内視鏡や腹腔鏡手術などの低侵襲医療を行ってきたが、循環器・整形・神経外科分野の手術でも低侵襲医療を求める声が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術京都市内では循環器などの低侵襲医療を行える設備システムを保有する施設がなく、飼い主は大阪などの大規模動物病院に行く必要があった。
  • 生産能力飼い主からの高度な獣医療、低侵襲医療への要望に応えるため、循環器・整形・神経外科分野の低侵襲医療を地元で提供できる体制が必要だった。

やったこと

院内に獣医師と獣医看護師による低侵襲医療チームを結成し、技術・知識レベルを常にアップグレードしながら安全な低侵襲医療を提供する体制の構築を目指した。設備として島津製作所製外科用テレビシステムとナカニシ製整形外科手術システムを選定し、メーカーの指導の下で導入した。外科用テレビシステムではX線透視下で循環器や神経などの患部を確認しながら各種デバイスを正確に挿入する訓練を繰り返した。整形外科手術システムでは模擬骨にピンで穴をあけ、模擬骨を削るテストを行い、正確に作業できることを確認した。

検査測定外科用テレビシステム(島津製作所製)
加工機整形外科手術システム(ナカニシ製)

新しい製品・サービス:X線透視装置を用いた循環器・整形・神経外科分野の低侵襲医療(カテーテル治療、整形外科による骨折創外固定、椎間板ヘルニア・レーザー手術)の提供。

事業の効果

本補助事業により、循環器・整形・神経外科分野の低侵襲医療を京都市内で初めて提供できるようになった。これまで大阪など遠方に行っていた京都の飼い主が地元で同分野の低侵襲医療を受けられるようになった。低侵襲医療チームの結成により、スタッフの技術・知識レベルが向上し、安全・安心な医療を提供するチームワークが醸成された。手術件数は2019年9件から2021年25件へと増加している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の外科手術・動物ドック等の事業を背景に、循環器・整形・神経外科の低侵襲医療へ広げた流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    京都には循環器などの低侵襲医療設備を持つ施設がなく、大阪へ通う飼い主がいたという市場の空白と、院長が外科認定医である強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    課題は京都で低侵襲医療を受けられないことと明記され、手術件数が2019年9件、2020年23件、2021年25件と増えた実績が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    手術件数の実績推移はあるが、付加価値額や賃上げに関する目標値は書かれておらず、目標の実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制4

    院長が外科認定医であること、低侵襲医療チームを結成し、メーカー指導の下でテスト稼働を実施した体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    飼い主が人間基準の質の高い医療を求めるという需要の裏付けと、低侵襲医療による身体負担の軽減という選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    テスト稼働、研修センター開設、今後の展開は書かれているが、補助事業終了後の中長期スケジュールや課題の解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    京都では循環器などの低侵襲医療を行える施設がなく、京都初の提供と明記されており、同地域での高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ペット関連市場や犬猫飼育数は示されるが、国が補助する波及効果や雇用創出についての記述はほぼうかがえない。

  • 費用対効果3

    手術件数の増加は示されるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    X線透視装置の活用は書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献としての記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都市の条例に触れ地域の動物と住みやすい街づくりに寄与すると書かれるが、地域の経済成長や雇用創出の具体的な記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

グループ会社として「右京獣医療研修センター」を開設し、高度な医療機器とセミナールームで獣医療従事者の技術向上を図る。京都の動物たちの最後の砦となれるよう、全スタッフが成長を続ける。

  • 目標:2019年9件、2020年23件、2021年25件と順調に増加

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。