整形外科及び眼科における大学病院と同等のクオリティの実現

島根県の専門・技術サービス業の会社が、ものづくり補助金で高機能の検査機器や手術装置を導入し、整形外科と眼科で大学病院と同等の治療体制を目指した採択事例です。

有限会社こうの動物病院

この事例のポイント

  • 犬に多い白内障や緑内障は日帰りの手術が難しく、術後も細かい管理が必要です。
  • 高機能の検査機器と周辺関連機器、手術装置を導入しました。
  • 機器導入により、ペットの高齢化に対応した検査・治療体制の確立を実現し、診断体制のあり方を見直すことにつながりました。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社こうの動物病院
所在地島根県 出雲市
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
設立1992年

事業の背景

当院は1976年に犬・猫の専門病院として開業し、半世紀にわたり飼い主と動物の幸せを願って治療や躾・生活指導に当たってきました。2代目の高野重徳病院長のもと、年間1万件を超える治療数で犬・猫の地域医療に貢献しています。

地方の動物病院では、細分化や専門化が進む中でもあらゆる病気やけがに対応することが求められています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他犬に多い白内障や緑内障は日帰りの手術が難しく、術後も細かい管理が必要です。
  • その他症状がある場合は隣県の大学病院へ紹介していましたが、距離が遠いことや治療費が高額なことから飼い主の負担が大きくなっていました。
  • その他手術のメリットが小さい場合もあるため、クリニックの受診段階で手術が適正かを明確にする必要がありました。

やったこと

高機能の検査機器と周辺関連機器、手術装置を導入しました。超音波診断装置(Aplio me V)は、深さ方向に絞ったビーム照射が可能で、多くの受信信号を同時に処理できるため、広い範囲の画像を高解像度・高フレームレートで取得できます。

眼底カメラ(Clear View)は、オートキャプチャー技術により動物の眼底画像をオートで撮影し、画像をデジタル上に保存して撮影時間を短縮します。スリットランプは犬と猫の前眼部を観察でき、画像をスムーズにデジタル保存できます。

トノペンAVIAは1回の測定で高精度の眼圧値を測定でき、LEDの色で測定値の信頼性を分かりやすく示します。FASPRO HSは液体レンズを採用し、被写体へオートフォーカスできます。

高周波手術装置(maXium)は切開波と凝固波を交互に出力し、内視鏡室専用のCUTモードを搭載しています。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

機器導入により、ペットの高齢化に対応した検査・治療体制の確立を実現し、診断体制のあり方を見直すことにつながりました。特に整形外科と眼科では大学病院と同等のクオリティの治療が可能となりました。

これにより、症状に応じて手術が適正かをクリニックの段階で判断でき、動物と飼い主双方の負担軽減が期待できます。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち11観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性隣県大学への紹介が距離・高額治療費で飼い主負担が大きいという課題を、院内で大学病院同等の治療ができる強みで解決している。
  • 4
    課題の認識と解決白内障・緑内障の手術適否を受診段階で判断できる体制を構築し、他院からの紹介受入れという高付加価値化につなげる方向性が明確。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け犬・猫の白内障・緑内障で大学紹介に頼っていた地域ニーズを背景に、院内で治療できる選ばれる理由が整理されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業化までの道筋今後の地方病院での高難度治療ニーズ拡大や情報発信に触れるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    開業以来50年の治療実績と既存の高度な技術を背景に、検査・治療体制の確立を進めた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    隣県大学への紹介が距離・高額治療費で飼い主負担が大きいという課題を、院内で大学病院同等の治療ができる強みで解決している。

  • 課題の認識と解決4

    白内障・緑内障の手術適否を受診段階で判断できる体制を構築し、他院からの紹介受入れという高付加価値化につなげる方向性が明確。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    2代目病院長が技術と感覚を継承し、年1万件超の治療実績を持つ体制があり、補助事業を遂行できると読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    犬・猫の白内障・緑内障で大学紹介に頼っていた地域ニーズを背景に、院内で治療できる選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の地方病院での高難度治療ニーズ拡大や情報発信に触れるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    地方の動物病院で整形外科・眼科の高難度治療を提供する点は、同分野で水準の高い治療を図るものと読める。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    地方在住の飼い主が大学病院へ遠距離移動する負担を減らし、地域医療に貢献するという公的な意義が示されている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    高解像度の超音波診断や眼底カメラのオートキャプチャーなどデジタル機器を導入し、地域の診療体制を革新する点が読み取れる。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    島根県の地方動物病院として、地域の犬・猫の高度医療ニーズに応え、他院からの紹介受入れを進める地域特性を活かした事業である。

今後の展望

今後、地方の動物病院では整形外科や眼科に限らず高難度治療のニーズが拡大する見込みです。当院は本事業を広く情報発信し、大学病院と連携しながら他院から治療の紹介を受けることで利用促進を図る考えです。

事業者の声

すぐに大学病院へ紹介するのは顧客にとって不利益が大きい。大学病院へお任せする部分とクリニックで治療できることをきちんと判断することが大切

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。