ものづくり補助金平成30年度製造業和歌山県

丸編み生産工程の作業改善による増産対応と埃除去による品質向上

美和繊維工業株式会社

この事例のポイント

  • 顧客からの女性向けスーツインナー用カットソー生地の増産要請に対し、生産能力が不足して販売機会を失っていた。
  • 生産工程の作業改善による品質向上と生産性向上を図るため、丸編機MXC-S3.2型を導入した。
  • 丸編機の導入により、生機の品質向上と不適合品の削減が見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名美和繊維工業株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種繊維工業
技術分野デザイン
資本金1,000万円
設立1960年

事業の背景

和歌山県の地場産品である丸編みニット生地を製造し、創業以来、技術向上と設備投資を続けてきた。主力は綿糸を材料とする生機で、染色前の生地として全国のテキスタイルメーカーに届けている。働く女性の増加により女性向けスーツインナー用生地の需要が拡大している一方、新型コロナの影響で業績は減少した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力顧客からの女性向けスーツインナー用カットソー生地の増産要請に対し、生産能力が不足して販売機会を失っていた。
  • 生産能力既存の設備はフル稼働の状態で、このままでは増産が不可能な状況だった。
  • 品質・精度生機の出荷前検査で不適合品が発生し、出荷後に返品されるものもあった。
  • 品質・精度糸の素材や機械の性質上、不適合品をゼロにはできないが、発生率を抑えることが収益性の向上につながる。

やったこと

生産工程の作業改善による品質向上と生産性向上を図るため、丸編機MXC-S3.2型を導入した。導入機は特別カスタマイズ仕様の新型で、綿埃を編み機内部からエアーで外部に飛ばす機能を備えている。綿埃は針の溝にたまりやすく、外部に出すことで不適合品の削減を見込んでいる。この機械はスーツインナー用のほか、Tシャツ用やポロシャツ用の鹿の子生地も編み上げられる。糸の仕掛け作業を段取り化して作業時間を圧縮し、機械の停止時間も短縮した。綿埃が減ったことで機械の清掃時間も短縮できた。

事業の効果

丸編機の導入により、生機の品質向上と不適合品の削減が見込まれる。段取りの改善で作業時間と機械の停止時間が短縮され、稼働率の向上につながった。綿埃の軽減で清掃時間も短くなり、生産性が高まった。生産の伸びは大きいとされるが、業績は新型コロナの影響で減少している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性地場の丸編みニット生地と綿糸の調達力を強みに、働く女性の需要拡大に合うスーツインナー向け生地へ増産で応える構図が具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決フル稼働で増産不可能という課題と、不適合品が年約296件(数値は原文の読み取りが不確かな箇所あり)発生している点を挙げ、設備導入と作業改善で対応する計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け働く女性の増加による需要拡大というニーズを明示し、国内外のアパレルメーカーから高く評価される品質という選ばれる理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    新しさ・高付加価値鹿の子生地など多様な生地に対応できる点に触れているが、一般的な普及度や高付加価値化の水準についての記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の技術向上・設備投資の継続と、今回の丸編機導入による生産工程改善が一貫しており、過去の取組との連続性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地場の丸編みニット生地と綿糸の調達力を強みに、働く女性の需要拡大に合うスーツインナー向け生地へ増産で応える構図が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    フル稼働で増産不可能という課題と、不適合品が年約296件(数値は原文の読み取りが不確かな箇所あり)発生している点を挙げ、設備導入と作業改善で対応する計画になっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不適合品を少なくとも30%程度減らせるとの見通しを示しているが、付加価値額や賃上げの目標値は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    生産現場で段取り改善や清掃時間短縮に取り組み、作業改善を自社で遂行できる体制が示されている。ただし人員や事務体制の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    働く女性の増加による需要拡大というニーズを明示し、国内外のアパレルメーカーから高く評価される品質という選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    作業時間の圧縮や停止時間の削減など、課題に対する解決方法が具体的に示されている。スケジュールの記述は限定的。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    鹿の子生地など多様な生地に対応できる点に触れているが、一般的な普及度や高付加価値化の水準についての記述は薄い。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    地場産品の産地振興や、働く女性向け生地の需要創出、今後のインテリア・メディカル分野への市場開拓への展開が示されている。

  • 費用対効果2

    不適合品の削減や生産の伸びに触れているが、補助金投入額に対する付加価値額の増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    特別カスタマイズ仕様の新型機で綿屑を飛ばす機能を備えるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は弱い。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    アパレルからインテリア・メディカルへの新市場開拓に触れているが、構造転換に資する分野進出としての記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    和歌山の産地として生産量日本一を誇るメリヤス生地を地域の特性として活かし、国内外へ展開している点が示されている。

今後の展望

今後はアパレルだけでなく、インテリアやメディカルなど新たな市場の開拓を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。