ものづくり補助金平成30年度製造業島根県

ニッチ事業領域拡大対応型設備の導入による生産能力増大と付加価値の増大

五共木材株式会社

この事例のポイント

  • 天然乾燥だけでは天候に左右され、含水率の均一性保持が難しく、乾燥機が必要不可欠である。
  • 木材乾燥装置SDM-550FXを導入し、増設ボイラーES-750も含めて設置した。
  • 新たに導入した木材乾燥装置により、品質の標準化と均一化が図られ、全工程の自動化で就業時間外の管理が不要となり労働時間が軽減され、働き方改革にもつながった。

事業者のプロフィール

事業者名五共木材株式会社
所在地島根県 益田市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野製造環境
従業員数32人
資本金1.56億円
設立1969年

事業の背景

1969年創業の製材会社で、ニュージーランド産松の乾燥材を用い、鉄製品や精密機械を海外へ輸送するためのスキッドや木箱材料などの木製梱包材に特化してきた。複数の大手製鉄会社や機械メーカーと取引している。鉄鋼需要は世界的に高まり、日本から東南アジアやアメリカへの輸出が増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力天然乾燥だけでは天候に左右され、含水率の均一性保持が難しく、乾燥機が必要不可欠である。
  • 生産能力乾燥機は1台のみ運用しており、納期の3~4日前に発注依頼があると1台では納期に間に合わないことがある。
  • 品質・精度輸出用木製梱包材は含水率の保持やカビ、ヤニの発生抑制が求められるが、品質の標準化と均一化が十分にできていなかった。
  • コスト・採算ニュージーランド産松の高騰により、船底に敷き詰める木材などは国内産杉材で賄う流れにあり、国内杉の乾燥化への対応が必要だった。

やったこと

木材乾燥装置SDM-550FXを導入し、増設ボイラーES-750も含めて設置した。乾燥機庫内の温度、湿度、風量、風速などを全自動で制御できるようにし、乾燥処理と熱処理を同時に行える体制を構築した。熱処理は国際的な統一基準に基づき材の中心温度56度以上で30分以上の処理を行う。乾燥から熱処理までの最適条件を設定し、品質の安定化を図った。

事業の効果

新たに導入した木材乾燥装置により、品質の標準化と均一化が図られ、全工程の自動化で就業時間外の管理が不要となり労働時間が軽減され、働き方改革にもつながった。乾燥処理と熱処理を同時に行えるようになり、顧客の求める納期に合わせる体制が構築できた。国内杉材への転換も可能になり、生産力の増大により売上アップに寄与している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性西日本最大クラスの原木消費量、日本海に面した自然乾燥適地、大手製鉄会社や機械メーカーとの取引など強みが具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決納期3〜4日前の発注に1台では間に合わない課題を認識し、乾燥と熱処理の同時実施で納期対応体制を構築したと具体的に記載されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け含水率20〜30%やカビ・ヤニ抑制など顧客の要求品質、取引先の評価が具体的に示され、選ばれる理由が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標労働時間軽減や国内杉への転換による売上アップに触れるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    ニッチな梱包材事業に特化し競合を避けてきた経緯、乾燥材への転換が記載され、一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    西日本最大クラスの原木消費量、日本海に面した自然乾燥適地、大手製鉄会社や機械メーカーとの取引など強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    納期3〜4日前の発注に1台では間に合わない課題を認識し、乾燥と熱処理の同時実施で納期対応体制を構築したと具体的に記載されている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    労働時間軽減や国内杉への転換による売上アップに触れるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員32名や次世代の3代目社長交代が記載されるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力への言及は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    含水率20〜30%やカビ・ヤニ抑制など顧客の要求品質、取引先の評価が具体的に示され、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今回の装置導入や熱処理の最適条件設定に触れるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    乾燥梱包材は一般的な製品だが、ニッチ分野で高品質の梱包材を提供し高評価を得ていることがうかがえる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    鉄鋼需要の高まりによる輸出増加や国内杉への転換が示されるが、経済波及や雇用創出への言及は具体的ではない。

  • 費用対効果2

    生産力増大と売上アップに寄与したとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    全自動制御による乾燥工程の自動化は触れられるが、サプライチェーンのイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    益田市の木工団地で地域の立地を活かし、九州工場も開設した点は読み取れるが、地域雇用への効果は具体的に示されていない。

今後の展望

今回の成果を活かし、業界でのシェアを維持・拡大していきたいとしている。

  • 目標:含水率(20~30%)の保持が求められる

事業者の声

今まで以上の品質、納期通りの出荷、仕様に沿った製品を提供し続けることで、業界でのシェアを維持・拡大していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。