ものづくり補助金平成30年度製造業島根県

車載向け小型精密モーター製造装置(巻線機)の巻線技術を支える線処理部品の加工方法開発

株式会社巧匠

成果導入機1台で研削と研磨をこなし、30%も生産量がアップ

この事例のポイント

  • 複雑形状かつ多重穴構造部品の新たな加工方法を開発するため、最新の製造機械の導入が必要になった。
  • 2018年に雲南市加茂町の空き工場へ移転し、移転と同時に複合加工機ヤマザキマザック社 INTEGREXi-200/1000Uを導入した。
  • 導入機1台で研削と研磨をこなし、30%も生産量がアップ。導入した複合加工機により、研削と研磨を1台でこなせるようになり、工程を省略してリードタイムが短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社巧匠
所在地島根県 雲南市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金1億円
設立2006年

事業の背景

株式会社巧匠は2006年に雲南市大東町で従業員4人により創業し、高品質な部品やユニットを供給して取引先からの評価を高めてきた。一部上場企業などに特殊鋼・金属などの精密加工品を供給している。一方で、メーカー間の激しい生存競争があった。市場では新型車載向け小型精密モーター製造装置の線処理部に載せる精密部品の受注を目指す動きがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力複雑形状かつ多重穴構造部品の新たな加工方法を開発するため、最新の製造機械の導入が必要になった。
  • 生産能力狭あいな工場では新しい機材の設置が難しく、広い工場への移転が必要だった。

やったこと

2018年に雲南市加茂町の空き工場へ移転し、移転と同時に複合加工機ヤマザキマザック社 INTEGREXi-200/1000Uを導入した。切削や研削などの機能と均一に磨き上げる機能の両方を備え、ワンチャッキングにより部品の取り付け直しを不要にした。6年前から取引のある大手精密機械加工会社の米子工場向けに、航空機のモーターなどに使うコイルユニットの高付加価値加工法を確立することを主目的とした。

加工機複合加工機 ヤマザキマザック社 INTEGREXi-200/1000U

新しい製品・サービス:車載向け小型精密モーター製造装置の巻線機に使う線処理部品の加工方法

事業の効果

  • 導入機1台で研削と研磨をこなし、30%も生産量がアップ

導入した複合加工機により、研削と研磨を1台でこなせるようになり、工程を省略してリードタイムが短縮された。部品の取り付け直しが不要になって高精度化も進んだ。生産量は30%強増加した。多能工の体制により1人当たり年間売上高は2千万円となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の成長と、狭い工場から移転して複合加工機を導入した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    一部上場企業など取引先18社との信頼関係や、多能工による業務体制は読み取れるが、市場環境と強みの関係の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    複雑形状・多重穴構造部品の加工法確立という課題に対し、ワンチャッキングで取付け直しを不要にし、30%強の生産量アップを図ったと書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    導入機1台で生産量30%強アップという数値目標と実績が示され、リードタイム短縮による高付加価値化も具体的に書かれている。

  • 事業を進める体制4

    従業員8名で多能工を徹底し、マシニングセンターやNC旋盤の操作と営業を一人でこなす体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    新型車載向け小型精密モーター製造装置の線処理部品を受注目標とすると書かれ、顧客ターゲットは読み取れるが需要の裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    移転と複合加工機導入の経緯はあるが、中長期の検証や遂行スケジュールは公開されている事例からは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    航空機モーター用コイルユニットの高付加価値加工法を確立し、同分野で高精度・均一研磨の工程を実現したと書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元採用や地域活性化への貢献意欲はうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    導入による生産量30%強アップは読み取れるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    車載向け小型精密モーター製造装置という成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    雲南市の認定工場への移転や地元採用により地域活性化に貢献すると書かれ、地域特性との関係は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

取引先の要望に応えられる新鋭機器を導入していく方針である。

  • 目標:多能工により1人当たり2千万円の売上高

事業者の声

これからも、地元採用の若者と一緒に、地域活性化の一助として貢献していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。