ものづくり補助金平成30年度製造業島根県

Mgワイヤー法導入による球状黒鉛鋳鉄の品質安定化と労働環境の改善

ヨシワ工業株式会社

この事例のポイント

  • 高温の溶湯に球状化剤やカバー材を手作業で投入する必要があり、作業員の負担が非常に大きかった。
  • 球状化剤として粉末のMg合金などを鉄フープでワイヤー状に加工成型し、送線装置で溶湯に添加する「Mgワイヤー法」を導入した。
  • Mgワイヤー法の導入により、高温の場所での重労働から解放され、作業環境が大幅に改善された。

事業者のプロフィール

事業者名ヨシワ工業株式会社
所在地島根県 海田町
業種輸送用機械器具製造業
技術分野製造環境,材料製造プロセス
従業員数465人
資本金9億円
設立1937年

事業の背景

1937年創業のヨシワ工業は、広島のマツダと取引して成長してきた鋳鉄鋳物製造会社で、自動車部品を幅広く製造している。現在も取引先はマツダ関連が圧倒的に高いシェアを占める。国内で製造される鋳鉄製品の約7割は自動車や輸送機械に使用されており、高付加価値製品として評価されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能高温の溶湯に球状化剤やカバー材を手作業で投入する必要があり、作業員の負担が非常に大きかった。
  • 品質・精度添加材の投入場所やタイミングで品質が左右され、熟練の技術が求められ、ミスの可能性も否めなかった。
  • 品質・精度異常を即座に判断することが困難で、作業の記録を残せないため品質保証度が低かった。

やったこと

球状化剤として粉末のMg合金などを鉄フープでワイヤー状に加工成型し、送線装置で溶湯に添加する「Mgワイヤー法」を導入した。Mgワイヤー処理装置WTS4220-11HIA1を導入し、充填を自動化した。充填量を数値で管理し、データとして記録を残せるようにした。Mgワイヤー法で作った鋳造品の品質が従来法と差異がないと評価され、自動車部品の1部品で承認を受け、2020年末から量産を開始した。

  • 加工機Mgワイヤー処理装置 WTS4220-11HIA1

新しい製品・サービス:Mgワイヤー法による球状黒鉛鋳鉄の製造

事業の効果

Mgワイヤー法の導入により、高温の場所での重労働から解放され、作業環境が大幅に改善された。充填量を数値で管理できるため原料を効率的に使え、品質向上とコスト低減を実現した。データが記録として残るため品質保証度も上がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決投入作業の負担や品質保証の低さという課題が示され、Mgワイヤー法で充填を自動化し数値管理する解決策が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制社長の方針や従業員数465名は分かるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述はない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    マツダ関連との長年の取引やMgワイヤー法を次の展開に位置づける記述はあるが、経営戦略として明確に位置付けた記載は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    マツダ関連の取引が圧倒的シェアであることは読み取れるが、市場動向と自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    投入作業の負担や品質保証の低さという課題が示され、Mgワイヤー法で充填を自動化し数値管理する解決策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    3年以内に全鋳鉄部品で実施する計画は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社長の方針や従業員数465名は分かるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    マツダ部品の品質評価で承認を得た点や鋳鉄の特性は書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    1部品から3年以内に全鋳鉄部品へ広げる計画と、リコール回避のための段階的評価が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    球状黒鉛鋳鉄の特性は説明されるが、同分野での高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    国内鋳鉄製品の約7割が自動車や輸送機械に使われると述べられるが、波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果3

    原料の効率利用による品質向上とコスト低減が書かれているが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    データ送受信の完全デジタル化を進める記述はあるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    広島県海田町や島根県吉賀町に工場を持つ地域拠点としての記述はあるが、地域経済の牽引効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

3年以内に全ての球状黒鉛鋳鉄部品でMgワイヤー法を実施する計画である。一部設備の改善やデータ送受信の完全デジタル化も進める。

  • 目標:従来は1日に80回ほど投入が必要だった

事業者の声

自動車部品の場合リコールにつながれば大きな問題。評価の時間をじっくりと取った上で、順次広げていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。