ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

医療用機器・産業用ロボットの高付加価値部品製造ラインにおける生産性向上計画

シンズ工業株式会社

この事例のポイント

  • 加工の前工程であるCAD/CAMデータの作成業務がボトルネックとなり、切削加工機6台を全て稼働できず、ビジネスチャンスを逸していた。
  • CAD/CAMデータの作成工程の改善を図るため、TOP SOLID Cad Camを導入し、CADで3D図面データを取得してCAMで加工プログラムを作成できるようにした。
  • CAD/CAMソフトの導入と技術者の増員により、設計工程の生産性を2倍に高めた。

事業者のプロフィール

事業者名シンズ工業株式会社
所在地静岡県 浜松市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野機械制御
資本金1,000万円
設立1959年

事業の背景

同社は昭和34年に創業し、ホーニング加工、マシニング加工、旋盤加工などの切削加工により、二輪車用フレーム部品、シリンダー、二輪車関連部品、農機関連部品の製造を得意としてきた。近年は加工技術・ノウハウが認められ、IT関連部品、ロボット部品、チップマウンター部品などの精密機械部品も手がけるようになった。主要取引先はヤマハ発動機株式会社、浜松ホトニクス株式会社、エンシュウ株式会社などの一部上場企業で、医療用機器や産業用ロボット、チップマウンター部品の試作品対応・製造依頼が増えていた。こうした顧客への対応のため、生産体制の構築が急務となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力加工の前工程であるCAD/CAMデータの作成業務がボトルネックとなり、切削加工機6台を全て稼働できず、ビジネスチャンスを逸していた。
  • 新製品・新技術依頼が増えている案件は複雑化・微細化しており、3D図面での対応でなければ取引先の要望に応えられない状況だった。
  • コスト・採算見積もりも3DのCAD/CAMでなければ正確なシミュレーションができず、正確な金額を案内できなかった。

やったこと

CAD/CAMデータの作成工程の改善を図るため、TOP SOLID Cad Camを導入し、CADで3D図面データを取得してCAMで加工プログラムを作成できるようにした。平成30年4月に技術者2名を新たに採用し、設計工程の人員を増やした。切削加工機6台を全て稼働させられるよう、ボトルネックとなっていた前工程の生産体制を見直した。その結果、医療用機器のイメージセンサーや産業用ロボット向けの試作品部品を、高精度で安定して供給できる生産体制を整えた。

ソフトTOP SOLID Cad Cam

事業の効果

CAD/CAMソフトの導入と技術者の増員により、設計工程の生産性を2倍に高めた。これにより、以前は受注できなかった医療用機器センサーや産業用ロボットの試作品部品を受注し、製造できるようになった。ボトルネックが解消されて作業効率が改善し、製品単価に対するコストダウンが可能になり、収益性の向上も見込める。高精度かつ品質保証、短納期による供給体制が強化され、同業他社との差別化と競争力の強化につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の切削加工技術を基盤に、IT・ロボット部品へ展開し先進技術導入に努める姿勢が示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    主要取引先に上場企業を持つことや高精度加工の強みが書かれるが、市場動向の分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    CAD/CAMデータ作成のボトルネックを課題と認識し、設計工程の生産性を2倍にする改善を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    設計工程の生産性を2倍にする数値目標があるが、高付加価値や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    平成30年4月に技術者2名を新たに採用し、切削加工機6台を持つ体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用機器のセンサーと産業用ロボットの試作品部品という対象顧客と、高精度・短納期の強みが書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    平成30年4月の採用時期は書かれるが、中長期の検証や遂行スケジュールの記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    高精度や同業他社との差別化は書かれるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    技術者2名の新規採用が書かれるが、川上・川下への波及効果や国が補助する理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    製品単価のコストダウンと収益性向上が見込まれるとあるが、補助金額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CAD/CAMソフトの導入で3D設計に対応したことは書かれるが、サプライチェーン全体への貢献は示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    医療用機器や産業用ロボット部品の試作品製造へ事業を広げた点が書かれ、成長分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    所在地は浜松市とあるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への貢献は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。