ものづくり補助金平成30年度製造業島根県

ボトルネックであった材料シート断裁工程の自動化による大幅な生産性向上計画

株式会社サン・セロ

成果工程の生産性が50%改善した。

この事例のポイント

  • 多品種小ロットの受注が多く、短納期化とコストダウンの要請が厳しくなっていた。
  • 延長数十メートルのロール原反シートを直径1.8メートルのタイコ巻き機に人力で巻き取り、引っ張り伸ばして50〜100センチの長さに大裁ちしていた工程を、延反機の高速定寸カットシステ…
  • 工程の生産性が50%改善した。断裁工程の自動化により大裁ちと小裁ちを同時並行で行えるようになり、工程の生産性が50%改善した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サン・セロ
所在地島根県 松江市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野機械制御
従業員数22人
資本金1億円
設立1961年

事業の背景

塩化ビニールとポリエチレンの製品加工・販売を展開している。1961年に食品向けセロハン袋の製造から始め、時代の流れに応じて主力製品を転換してきた。2007年からは塩化ビニール製の高級書類ファイルに力を入れ、業績を伸ばしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種小ロットの受注が多く、短納期化とコストダウンの要請が厳しくなっていた。
  • 納期・工程製造リードタイムの短縮化のネックとなっていたのが製品の材料シートの断裁工程だった。
  • 人手・技能断裁工程は人手不足に直面しており、更なる自動化が求められていた。

やったこと

延長数十メートルのロール原反シートを直径1.8メートルのタイコ巻き機に人力で巻き取り、引っ張り伸ばして50〜100センチの長さに大裁ちしていた工程を、延反機の高速定寸カットシステムに置き換えた。導入機械はKawakami高速定寸カットシステム(型式NK2000SP RE-5-5.2M、川上製作所製)である。事前に塩化ビニールなどのシートでテストを行い、可能との結果を得てから2019年11月に導入した。原反を機械にセットすれば自動で大裁ちをするため、大裁ちと小裁ちを同時並行で行えるようになった。

加工機Kawakami 高速定寸カットシステム(型式NK2000SP RE-5-5.2M、㈱川上製作所製)

事業の効果

  • 工程の生産性が50%改善した。

断裁工程の自動化により大裁ちと小裁ちを同時並行で行えるようになり、工程の生産性が50%改善した。納期も延反機導入で短縮化できた。断裁から印刷、加工、検品までを1社で行う強みから、同業者や他業種からの大裁ちの受注も増えている。新しい機械の導入で社員のモチベーションも上がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来、時代に合わせて主力製品を転換してきた経緯と、塩ビ高級書類ファイルで業績を伸ばしている流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種小ロットの受注や短納期・コスト削減の要請が強いことは書かれているが、市場動向と自社の強みの関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ネックだった材料シート断裁の製造リードタイムを課題として特定し、延反機の高速定寸カットシステム導入で納期を短縮したと読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    大裁ちと小裁ちの同時並行により工程の生産性が50%改善したと具体的な数字が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員22名で社長が導入を主導したことはうかがえるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高級書類ファイルや鑑定書ケースの用途と、品質と納期を武器に受注を得る方針は書かれているが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    2019年11月に導入に踏み切った経緯は書かれているが、中長期の検証やスケジュールの記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    浮き出し箔加工技術で文字やイラストに対応し高付加価値化を図っていると書かれ、同分野での高付加価値化の方向性がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    人手不足への対応や生産工程の自動化は書かれているが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    生産性50%改善という成果は示されているが、補助金投入額との比較など費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    延反機の転用という発想はうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    松江市に本社を置く地域企業であることは書かれているが、地域の特性を活かした成長戦略の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

断裁する材料も増え、製品も少しずつ変わってきており、社員からチャレンジ精神が芽生えつつある。人手不足対策としてさらなる自動化を目指している。

事業者の声

品質と納期がしっかりしていれば、受注と価格はついてくる。納期は延反機導入で短縮化できた。わが社の強みをどんどんアピールしていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。