高精度ルーターの導入により完全内製化を実現し、競争力の強化と生産性の向上を図る。

京都府の従業員14人の製造業が、ものづくり補助金で高精度ルーターを導入して外注をなくし、納期を20日から7日に短縮した採択事例です。

株式会社小山製作所

成果廃棄率 53%→6%

この事例のポイント

  • 今後の景気停滞による消費需要の減少が見込まれる中、収益を拡大するにはユーザーのニーズである短納期と低価格化への対応が課題でした。
  • 本補助事業では、課題解決のために庄田鉄工株式会社製の2ヘッド小型NCルーターマシンNC260-ATCを社内製造工程に設置し、外注をなくしました。
  • 廃棄率 53%→6%。定尺から特注寸法の樹脂板に変更したことで材料の廃棄ロスを大幅に削減し、年間約100万円の樹脂板コスト削減を達成しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小山製作所
所在地京都府 京都市南区
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野精密加工,機械制御
従業員数14人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

1969年に京都市右京区で創業し、1988年に法人化しました。創業当時は銘板関係の仕事が中心でしたが、徐々にプラスチック部品の加工に軸足を移してきました。

京都府内の重電機メーカー・家電メーカー等を中心に取引があり、30年以上にわたり培ってきた技術やノウハウに対して取引先から高い評価を得ています。受注内容は一受注ごとに仕様が異なり納期が短いため、多品種少量短納期の受注傾向にあります。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程今後の景気停滞による消費需要の減少が見込まれる中、収益を拡大するにはユーザーのニーズである短納期と低価格化への対応が課題でした。
  • 納期・工程自社内にパンチング加工機械がないため、一部の加工を外注に頼っており、急な短納期の受注や量の多い受注に柔軟に対応できずにいました。
  • コスト・採算加工の一部を外注しているため、コストが高くなっていました。
  • 生産能力新型コロナウイルス感染症の影響により樹脂板の調達に遅延が生じており、円滑な製品供給を継続する必要がありました。
  • 生産能力従来外注していた樹脂板は定尺の1,000mm×2,000mmのみの加工で、それ以上の寸法の加工ができませんでした。

やったこと

本補助事業では、課題解決のために庄田鉄工株式会社製の2ヘッド小型NCルーターマシンNC260-ATCを社内製造工程に設置し、外注をなくしました。機種選定では、現在の製造工程の問題と従業員からの要望を確認し、内製化、生産効率と精度、自動運転、切断加工厚の4つの観点から比較しました。

実際に設備を使用している他事業者から聞き取りを行い、加工精度などを確認したうえで、社内会議で導入機種を決定しました。従来のパンチング加工の代わりに、ルーター加工で穴加工するようにしました。

加工順は、パンチング加工後に切削していた工程を切削後にルーター加工する順番に変更しました。従来は定尺でない特注の樹脂板1,220mm×2,200mmを自社で購入し、樹脂プレートを先に切り出してからルーター加工をするように変更しました。

この結果、特注の樹脂板から8枚の樹脂プレートを切り出せるようになりました。このNCルーターマシンは2軸での同時加工が可能で、切り出した樹脂プレートを2つ並べて同時加工することもできます。

30個の製品を試作し、工程間の日数を記録して納期回答が7日になることを確認しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • 2ヘッド小型NCルーターマシン NC260-ATC設備の種類:木工機械

事業の効果

  • 廃棄率 53%→6%
  • 樹脂板の使用枚数(450個加工時) 150枚→57枚
  • 材料等コスト(450個加工時) 3,450,000円→2,273,250円
  • 納期 20日→7日

定尺から特注寸法の樹脂板に変更したことで材料の廃棄ロスを大幅に削減し、年間約100万円の樹脂板コスト削減を達成しました。NCルーターマシンの導入により樹脂プレートの2枚同時加工も可能になり、コスト低減に寄与しました。

外注をなくして製品の完全内製化が実現したことで、納期は20日から7日に短縮されました。導入設備の活用により、顧客からの評価も高く、現在も継続して受注を得ています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決課題を外注によるパンチング工程の長納期・高コストと明確にし、納期20日を7日へ、廃棄率53%を6%へ改善する具体的な計画になっている。
  • 4
    これまでの取組との一貫性プラスチック加工を30年以上手がけてきた実績と、銘板から加工へ軸足を移した経緯が書かれ、内製化投資が既存事業の延長に位置づけられている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性納期と加工仕上がりへの取引先評価があり、定尺外の特注寸法を自社で扱えるようにして短納期・低コストで差別化する優位性が読み取れる。

もう一歩だった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献NCルーターによる自動加工や2枚同時加工はあるが、デジタル技術の活用や地域・サプライチェーンへの貢献としては記述が薄い。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    プラスチック加工を30年以上手がけてきた実績と、銘板から加工へ軸足を移した経緯が書かれ、内製化投資が既存事業の延長に位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    納期と加工仕上がりへの取引先評価があり、定尺外の特注寸法を自社で扱えるようにして短納期・低コストで差別化する優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    課題を外注によるパンチング工程の長納期・高コストと明確にし、納期20日を7日へ、廃棄率53%を6%へ改善する具体的な計画になっている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間約100万円の樹脂板コスト削減と納期20日から7日への短縮を試作で確認しており、目標の実現性が高い。賃上げ目標の記載はない。

  • 事業を進める体制3

    従業員への聞き取りや社内会議で機種を決定し、他事業者からも情報を得て導入を進めており、遂行体制は一定程度確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    重電・家電メーカーを中心とした取引先から納期と仕上がりの評価を得ており、多品種少量短納期の需要に応える理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    工程の順序変更や試作による納期検証、材料仕入れ先との連携など、導入後の遂行方法と課題解決が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    プラスチック加工の多品種少量短納期分野で、新素材の厚物加工にも挑戦しており、同分野での高付加価値化を図る姿勢が読み取れる。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用ー

    公開情報では判断できません。

  • 費用対効果3

    年間約100万円のコスト削減と納期短縮による受注対応力向上が示され、投資に対する効果が一定程度読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    NCルーターによる自動加工や2枚同時加工はあるが、デジタル技術の活用や地域・サプライチェーンへの貢献としては記述が薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    京都市南区の地域立地に触れているが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済への牽引についての記述は薄い。

今後の展望

今後も多品種、少量であってもお客様の満足と信頼を得られるものづくりを目指します。現有設備を有効活用して新素材の厚物加工にも挑戦しており、今後に期待しています。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。