高精度NCルーターの導入による生産体制の刷新

京都府の製造業の会社が、ものづくり補助金で高精度NCルーターを導入し、切断から仕上げまでを1台で行う生産体制を整えた採択事例です。

株式会社マコトプラスチック

成果加工が可能な範囲は1.2m角まで拡大しました。

この事例のポイント

  • テフロンやPVDFなどの難加工素材や公差基準の厳しい高精度樹脂部品、大型中空構造体の加工が求められるようになりました。
  • 補助事業では最新の加工機であるNCルーターを導入しました。
  • 加工が可能な範囲は1.2m角まで拡大しました。高精度の加工と品質の安定化が実現し、作業者の熟練度に依存しない加工品質を確保できる体制が整いました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マコトプラスチック
所在地京都府 京都市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野精密加工
従業員数19人
資本金3,000万円
設立2016年

事業の背景

当社はプラスチック加工を専門とし、ボール盤1台、1人で創業してから約10年、設備投資や人材育成を重ねて成長を続けてきました。高品質、短納期、ニーズに合わせた柔軟な対応力が顧客企業より高く評価されています。

近年は最終製品の耐久性・安全性向上のため、テフロンやPVDFなどの難加工素材の需要が高まっています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度テフロンやPVDFなどの難加工素材や公差基準の厳しい高精度樹脂部品、大型中空構造体の加工が求められるようになりました。
  • 人手・技能作業者による加工精度のばらつきがあり、品質の安定化が課題でした。
  • 生産能力材料の切り出しを手作業で行っており、加工できる大きさにも制約がありました。
  • 納期・工程社内で対応できないものは外注しており、外注先からの加工品の運搬時に破損するリスクがありました。
  • 新製品・新技術多様化する顧客ニーズに対応しきれず、生産効率の向上も課題でした。

やったこと

補助事業では最新の加工機であるNCルーターを導入しました。±0.001mmの厳しい公差基準をクリアする精密な加工に加え、切断・穴あけ・仕上げなど、本機1台で複数の作業を完結させられるようになりました。

加工可能な範囲は1.2m角まで拡大し、これまで外注していた大型構造物の内製化も実現しました。難加工材は硬度が高いため、蓄積した素材への知見や加工ノウハウを活用し、本機専用のダイヤモンドツール刃を用いるなど、本機の能力を最大限に引き出す取り組みを行いました。

本機の仕様や条件を検証し、物を協力会社とともに製作したほか、加工実験と改善を繰り返すことで、高精度の加工を安定的に続けられるようにしました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 加工が可能な範囲は1.2m角まで拡大しました。
  • 人が作業に要する時間は従来の40%となりました。
  • 作業工程の人員 3名→1名
  • 本機による加工品の売上高は当社全体の売上高の20%を占めています。

高精度の加工と品質の安定化が実現し、作業者の熟練度に依存しない加工品質を確保できる体制が整いました。夜間自動運転により人の作業時間が従来の40%となり、省力化と生産性向上を達成しました。

大型構造物の内製化により受注範囲が拡大し、新たな案件も寄せられています。自動化により中長期的な事業計画や人材育成に注力でき、スマートファクトリー化への第一歩となりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性創業約10年の加工技術蓄積や既存設備投資を経て、NCルーター導入で高精度・自動化・大型対応へ進む一貫した流れが書かれている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性難加工材や公差±0.001mmへの対応力、1.2m角までの大型内製化で受注範囲を広げ、競争優位を具体的に示している。
  • 4
    課題の認識と解決外注・手作業・人手の課題を整理し、作業者3名を1名に、人の作業時間を40%に減らすなど、課題解決の効果が数字で示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    費用対効果補助金額や付加価値額の増加に関する数字がなく、費用対効果は薄くしか読み取れない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    創業約10年の加工技術蓄積や既存設備投資を経て、NCルーター導入で高精度・自動化・大型対応へ進む一貫した流れが書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    難加工材や公差±0.001mmへの対応力、1.2m角までの大型内製化で受注範囲を広げ、競争優位を具体的に示している。

  • 課題の認識と解決4

    外注・手作業・人手の課題を整理し、作業者3名を1名に、人の作業時間を40%に減らすなど、課題解決の効果が数字で示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    人の作業時間を従来の40%とする省力化の数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    既存の加工ノウハウや協力会社との加工実験・改善を重ねた体制が示され、遂行の裏付けがある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質・短納期・柔軟対応が顧客から評価されており、本機の加工品が売上の20%を占める実績で顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    加工実験と改善の繰り返しや専用ダイヤモンドツール刃の検討など、課題解決の方法が段階的に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    テフロンやPVDFなどの難加工素材と大型中空構造体の加工を扱い、高付加価値分野で差別化を図っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    半導体・医療・精密装置などの成長分野への対応や地域企業・大学との連携による波及効果が述べられている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加に関する数字がなく、費用対効果は薄くしか読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    地域の企業や大学と連携して試作・研究段階から協働する体制を整え、地域全体の技術力向上を目指すとしている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    半導体・医療・精密装置など成長分野への進出を掲げ、ものづくりの技術力復活に言及している。

  • 地域経済への波及3

    地域の企業や大学との連携や地域全体の技術力向上を掲げ、地域の成長に貢献する方向性が示されている。

今後の展望

半導体や医療、精密装置などの成長分野への対応を強化します。地域内の企業や大学と連携し、試作・研究段階から協働する体制を整えて、地域全体の技術力向上に貢献します。

現場主体の改善を重ね、信頼されるものづくり企業を目指します。

事業者の声

こんなものを作ってみたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。