ものづくり補助金平成30年度製造業広島県

高性能NC旋盤の導入による生産能力の増強と小ロット・短納期生産への対応

株式会社旭製作所

成果寸法誤差 0.02mm→0.005mm

この事例のポイント

  • 鉄道車両ブレーキ用の金属部品の需要が急増し、生産能力が不足していた。
  • 高性能NC旋盤を導入し、生産能力の向上と加工精度の検証を行った。
  • 寸法誤差 0.02mm→0.005mm。導入したNC旋盤と生産体制の整備により、当社全体の生産能力が約1割増加し、生産余力を確保できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社旭製作所
所在地広島県 広島県三原市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

鉄道各社が古い車両の交換や新型車両の導入、ブレーキ部品の交換を急ピッチで進めている。当社は鉄道車両の部品を主に製造しており、ブレーキ装置向けの金属部品の需要が急増した。東京オリンピックや大阪万博などの大型イベントに向けた輸送需要の拡大も背景にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鉄道車両ブレーキ用の金属部品の需要が急増し、生産能力が不足していた。
  • 品質・精度今後さらに増加が予想される高精度要求に対応する体制が整っていなかった。
  • 納期・工程小ロット・短納期の依頼に柔軟に応える体制が十分でなかった。
  • 新製品・新技術新規分野への進出に必要な新規部品の試作加工を行うための生産余力が不足していた。

やったこと

高性能NC旋盤を導入し、生産能力の向上と加工精度の検証を行った。このNC旋盤はメーカー独自の技術により、ミーリング機構から伝わる発熱や振動を最小限に抑え、高い加工精度と切削力を備えている。テスト加工では精度の分かりやすいアルミ材を使用し、加工精度と面粗さについてより確実な検証結果を求めた。また既存設備との連携体制を調整し、NC旋盤を含む保有設備全体で最も効率の良い生産体制を整備した。

加工機高性能NC旋盤

新しい製品・サービス:新規部品の試作加工(新規分野向け)

事業の効果

  • 寸法誤差 0.02mm→0.005mm

導入したNC旋盤と生産体制の整備により、当社全体の生産能力が約1割増加し、生産余力を確保できた。加工精度も向上し、新規部品の開発に係る試作加工が可能になった。新規分野へ進出するための体制と設備が整った。小ロット・短納期の要求にも柔軟に対応できるようになり、顧客満足度の向上が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄道車両ブレーキ部品の金属加工を主力とし、今後は鉄道部品以外への進出を目指すと書かれており、過去からの一貫性は読み取れるが、経営戦略の位置付けは具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    鉄道各社の新型車両投入やブレーキ部品需要の急増、高精度・小ロット対応の強みが具体的に書かれており、外部環境と自社の強みに基づく記述がある。

  • 課題の認識と解決4

    生産余力不足と精度不足を課題として明示し、NC旋盤導入で±1,000分の5mmへ向上、生産能力約1割増と解決の効果が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産能力約1割増、寸法誤差の改善は示されているが、付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれておらず、高付加価値の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員8人の小規模企業であることはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小ロット・短納期や高精度への対応、顧客満足向上は書かれているが、ターゲット顧客やニーズの裏付けの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    既存設備との連携による生産体制の整備と今後の新規取引・新分野進出の方向性は書かれているが、遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    鉄道車両部品の金属加工は一般的な分野であり、高付加価値化や高価格化を図る内容は事例からはうかがえない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    東京オリンピックや大阪万博に向けた鉄道各社の車両・部品交換需要という社会的背景は示されているが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、生産能力約1割増と精度向上のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    鉄道車両部品から他業界への進出を目指す方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する根拠は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    広島県三原市を拠点とする地域企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外需要の拡大で日本の鉄道車両メーカーの生産余力が不足しており、系列を超えた資材・部品調達の動きも出ている。この機会を捉え、鉄道車両向けの装置や部品を製造するメーカーや関連企業との新規取引を目指す。将来的には鉄道車両部品以外にも進出し、様々な業界に高精度な金属加工部品を供給する総合メーカーを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。