ものづくり補助金平成30年度製造業徳島県

3次元CAD/CAMシステム導入による新商品開発事業

株式会社新居工業所

成果加工前の準備時間 85分→5分

この事例のポイント

  • 各種高精度加工機の操作に必要なデータ入力の効率が悪く、取引先からの短納期化・低価格化の要望に応えられなかった。
  • 製品の完成形から最適工程と最適プログラムを作成する中核として、曲げ加工データ作成全自動CAMを導入した。
  • 加工前の準備時間 85分→5分。精度の高さを保ったまま大きな省力・省時間が実現し、受注増につながった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新居工業所
所在地徳島県 徳島県板野郡上板町
業種金属製品製造業
技術分野情報処理,接合・実装
従業員数13人
資本金1,000万円
設立2015年

事業の背景

ステンレス・アルミ等の溶接・製缶加工、機械加工、圧力タンクや配管の設計・製作・施工を手がけ、特に大型タンクや容器の裏波溶接の技術の高さを強みとしている。時代の変化に対応しながら顧客ニーズに最適解を届けるため、設備と人材への投資を続けてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力各種高精度加工機の操作に必要なデータ入力の効率が悪く、取引先からの短納期化・低価格化の要望に応えられなかった。
  • 新製品・新技術取引先の製品品質向上のため、付帯設備からの鉄サビ混入を防ぐステンレス製ロッカーや作業台へのニーズがあったが、無駄のない製品設計を可能にする体制づくりが急務だった。

やったこと

製品の完成形から最適工程と最適プログラムを作成する中核として、曲げ加工データ作成全自動CAMを導入した。CAD図面を基にプログラムで工作機械の加工を行う2次元CAD/CAMシステムも導入し、加工前の準備時間を85分から5分へ大幅に短縮することを図った。取引先の要請に応えるため、3次元ソリッド板金CADシステムを導入し、ロッカーなどのオーダーメイド製品を生産できる環境を整えた。オーダーの多いロール加工にも最適プログラムを作成できるようにした。

ソフト曲げ加工データ作成全自動CAM
ソフト2次元CAD/CAMシステム
ソフト3次元ソリッド板金CADシステム

新しい製品・サービス:オーダーメイド鉄サビ防止ロッカー

事業の効果

  • 加工前の準備時間 85分→5分

精度の高さを保ったまま大きな省力・省時間が実現し、受注増につながった。初の開発提案型商品であるオーダーメイド鉄サビ防止ロッカーは下請けからの脱却を図り、収益基盤強化に資する事業となった。これを端緒に設備の受注にもつながるという大きな成果が得られた。収益増による社員の待遇向上と働きやすさの創出により、人材定着という好循環が生まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の溶接・製缶技術と大型タンク強みを基に、オーダーメイド鉄サビ防止ロッカーを初の開発提案型商品とした経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    取引先の短納期化・低価格化要望や品質向上ニーズは書かれているが、市場動向や競合に対する優位性の説明はわずかにうかがえる程度。

  • 課題の認識と解決4

    データ入力の非効率が短納期・低価格化の最大阻害要因と課題を特定し、加工準備時間を85分から5分へ短縮する具体的な対策が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工準備時間85分→5分という数値目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず実現可能性の判断は限定的。

  • 事業を進める体制2

    設計図を頭の中で描けるスタッフがいると触れられているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    鉄サビ混入防止のステンレス製ロッカーや作業台へのニーズと取引先要望が書かれているが、顧客ターゲットの明確さは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は研磨工程も自社に備えたいという方向性はあるが、スケジュールや遂行方法の具体的記述はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    オーダーメイド鉄サビ防止ロッカーは開発提案型の初商品とされ、一般的な普及度や高水準の高価格化についての記述は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果4

    加工準備時間が85分から5分に短縮され、受注増や設備受注へつながったとの成果が書かれており費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元CAD/CAMや全自動CAMの導入が書かれているが、地域やサプライチェーン全体へのイノベーション貢献は具体的に示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    徳島県板野郡の事業者であり、下請け脱却や社員の待遇向上が書かれているが、地域の経済成長への牽引の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

外注している最終の研磨を自社もしくは自社のネットワークでこなせるようにし、いずれは研磨工程も自社に備えて、全工程を自社でまかなう万全の体制を構築したい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。