ものづくり補助金平成30年度製造業徳島県

徳島の伝統品「阿波正藍しじら織」染色工程改善による生産強化計画

長尾織布合名会社

成果不良率 10%→3%

この事例のポイント

  • 現有染色機は攪拌の力が弱く回転スピードが一定にならず、染料が糸に均一に浸透しにくかった。
  • 30kgの能力をもつ高温高圧汎用染色機VPV-600型を導入した。
  • 不良率 10%→3%。攪拌と温度のプログラム制御により不良率が改善した。

事業者のプロフィール

事業者名長尾織布合名会社
所在地徳島県 徳島市
業種繊維工業
技術分野製造環境
従業員数18人
資本金1,500万円
設立1933年

事業の背景

徳島の伝統工芸「阿波正藍しじら織」を手がける明治30年創業の会社で、染色・織・仕上げまで一貫生産を行っている。108色という染めの色数を強みとしている。近年は自然志向・本物志向の消費動向により、多色生地の納品増量とコストダウンの要望が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度現有染色機は攪拌の力が弱く回転スピードが一定にならず、染料が糸に均一に浸透しにくかった。
  • 品質・精度目視による温度管理のため吸着が一定にならず、色ムラによる不良が10%程度発生していた。
  • 生産能力現有機の20kgという能力ではオーダーへの対応が難しかった。
  • コスト・採算多色生地の納品増量とコストダウンの要望が高まっていた。

やったこと

30kgの能力をもつ高温高圧汎用染色機VPV-600型を導入した。ポンプ回転力を向上させ、攪拌スピードと時間をプログラム制御し、温度を自動調整できるようにした。染色機が一機増えたことで、需要の多い藍色系統とそれ以外の色のラインを分離した。

加工機高温高圧汎用染色機VPV-600型

事業の効果

  • 不良率 10%→3%
  • 多色生地生産に必要な8色の染色時間が半減

攪拌と温度のプログラム制御により不良率が改善した。染色機が一機増えて色のライン分離が可能になり、多色生地の染色時間が半減して生産量が増え、コストダウンにつながった。染め色の多さとデザイン性を強みに、他社との差別化がより明確になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    一貫生産体制と108色の染色という強みが述べられ、染色機導入で多色生地の生産強化につなげる流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多色生地の納品増量とコストダウン要望という外部環境に対し、染色体制強化で応える構図は読めるが、市場動向の具体的データは示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    色ムラによる不良が10%程度発生していた課題を挙げ、導入後に不良率3%程度へ改善、8色の染色時間が半減したと数字で成果を示している。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産量増とコストダウンにつながったとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が乏しい。

  • 事業を進める体制2

    従業員18名の規模と作業負担軽減への言及はあるが、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    染め色の多さとデザイン性を強みに他社との差別化を図るとあり、選ばれる理由の方向性は読めるが、顧客ターゲットは整理されていない。

  • 事業化までの道筋2

    導入機の能力や課題解決の方向は書かれるが、中長期の検証や遂行スケジュールについての記述はほぼ見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    108色の多色染めと伝統工芸品としての差別化が述べられ、同分野での高付加価値化の方向性はうかがえるが、価格水準の数値はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    伝統的工芸品としての地域性や文化の継承には触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    20kgから30kgの能力への強化、不良率10%から3%、染色時間半減といった数字で生産性向上の効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    徳島の伝統工芸である阿波正藍しじらを活かした事業と読めるが、地域の雇用や経済成長への波及は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

新型の染色機の導入により、生産力の強化とコストダウンが実現。作業の安全性も高まり、従業員の負担を軽減することができました。阿波藍としじらの伝統の素晴らしさはそのままに、サスティナブルな伝統工芸ブランドとして、世界に向かって新しい価値を提案していきたいと考えています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。