ものづくり補助金平成30年度鉱業、採石業、砂利採取業香川県

安全性と効率性を高めた、庵治石砕石のための最新型クローラドリルの導入計画

株式会社えびす石材土木

成果1時間あたり220〜330tの削岩性能(下限)

この事例のポイント

  • 庵治石は高級石材として需要が高いが、採掘した原石のうち墓石に製品化できるのは1%未満で、約99%が廃土・廃石となっていた。
  • 庵治石砕石の効率化を目標に、掘削量の増大と掘削時の石粉飛散の軽減を可能とする新型機械として、ドリルの回転数を選択できるクローラドリルを導入した。
  • 1時間あたり220〜330tの削岩性能(下限)。新型機械の導入により掘削量が大幅に増え、今後は従来の月産量の2倍を目標に生産量を増やす計画である。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社えびす石材土木
所在地香川県 高松市
業種鉱業、採石業、砂利採取業
技術分野製造環境
従業員数45人
設立1969年

事業の背景

株式会社えびす石材土木は香川県高松市に拠点を置き、庵治石の採掘・砕石・石材工事を手がける。庵治石は硬度が高く高級石材として注目される一方、砕石時の崩れや傷によって墓石に製品化できる量は原石の1%未満にとどまる。近年はコンクリート骨材の主素材だった海砂に代わり、リーズナブルな庵治石の砕石・砕砂の需要が急増している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力庵治石は高級石材として需要が高いが、採掘した原石のうち墓石に製品化できるのは1%未満で、約99%が廃土・廃石となっていた。
  • 人手・技能採掘時の掘削に使う既存機械は操作に熟練した技術を要し、掘削にも長時間かかっていた。
  • 品質・精度掘削時に飛散する粉塵により機械の故障や作業員の健康への懸念があり、解決が必要だった。

やったこと

庵治石砕石の効率化を目標に、掘削量の増大と掘削時の石粉飛散の軽減を可能とする新型機械として、ドリルの回転数を選択できるクローラドリルを導入した。このドリルは1時間あたり220〜330tの削岩性能を有し、打撃エネルギーを効率よく岩盤に伝えられる。機械メーカーから操作訓練を受けた後、操作性や性能の確認を実施した。低排出ガスのクリーンエンジンを搭載し、環境有害物質の排出量は現有機比で約90%減となっている。掘削する岩質に応じてエンジン回転速度を選べるため、燃費は現有機比で約20%減、消耗品は約40%減を見込む。

加工機新型クローラドリル

事業の効果

  • 1時間あたり220〜330tの削岩性能(下限)
  • 環境有害物質排出量 100%→10%
  • 燃費 100%→80%
  • 消耗品費 100%→60%

新型機械の導入により掘削量が大幅に増え、今後は従来の月産量の2倍を目標に生産量を増やす計画である。消耗品の違いにより経費は大幅に削減され、ドリルの回転数選択によりさらなる燃費の低減も見込まれる。導入機械の安全装置で作業員の安全が確保され、粉塵による健康影響や機械故障も低減する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    庵治石の廃土・廃石を砕石・砕砂に再利用する取組を全国で唯一行い、近年の需要急増に対応する事業と読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    原石の1%未満しか墓石にできない課題を踏まえ、砕石・砕砂需要の急増を捉えた再利用事業で、強みを活かす内容と読める。

  • 課題の認識と解決4

    掘削量増大と粉塵軽減という課題を特定し、導入機械で生産性を上げる計画が示されている。月産量2倍の目標も記載。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1時間あたり220〜330tの削岩性能や、月産量を従来の2倍に引き上げる目標があり、数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    機械メーカーからの操作訓練を受けた点はうかがえるが、人材や事務処理能力を確保した体制の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    庵治石砕石・砕砂の需要急増という市場ニーズは書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の操作性や性能の確認を実施したとあるが、中長期の検証やスケジュールは記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    庵治石の砕石・砕砂という分野で全国唯一の取組とあり、同分野での独自性はうかがえるが、高価格化の数値は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    砕石・砕砂の需要急増や海砂代替という資源循環の効果はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    燃費約20%減、消耗品約40%減、環境有害物質排出約90%減など、経費削減効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    廃土・廃石の再利用という新しい取組はうかがえるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーン全体の革新は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    香川県の庵治石を活かし、廃土を再利用して地場産業への貢献と自然保全を両立する事業として読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。