ものづくり補助金平成30年度学術研究、専門・技術サービス業大分県

「土の自動三軸圧縮試験機」を導入し、顧客のニーズに応じた信頼性の高いデータを提供する

株式会社ソイルテック

成果全工程を通して約1/3まで効率化

この事例のポイント

  • 土の性状を測る三軸圧縮試験で、B値を最適値まで上げるのに時間がかかり、水圧を手動管理していたため人為的誤差が生じ故障も多かった。
  • 地盤工学会の基準に準拠した土の三軸圧縮試験を行う新試験機「土の自動三軸圧縮試験機」を導入した。
  • 全工程を通して約1/3まで効率化。新試験機によりB値を上げる新技術で測定精度が大きく高まり、全工程を通して試験時間は約1/3に効率化した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ソイルテック
所在地大分県 大分市
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
技術分野測定計測
従業員数14人
資本金1,000万円
設立1993年

事業の背景

株式会社ソイルテックは、土木工事の前の地形地質状況を調べる地盤調査と、土の性状把握や品質管理に係る土質調査を主な事業とする。1993年に石灰製造販売業の古手川産業から関連会社として独立し、大分県内の官公庁や建設・設計会社から受注している。近年は自然災害の規模拡大に伴い早期復旧に必要な地盤調査の重要性が高まり、数値的根拠の正確性と高精度・短納期が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度土の性状を測る三軸圧縮試験で、B値を最適値まで上げるのに時間がかかり、水圧を手動管理していたため人為的誤差が生じ故障も多かった。
  • 生産能力圧縮装置が1機しかなく3点の供試体を順番に試験するため効率が悪く、試験機が1機のためbarCU試験中は他の試験ができなかった。
  • 人手・技能業界全体で労働力不足が課題となっていた。

やったこと

地盤工学会の基準に準拠した土の三軸圧縮試験を行う新試験機「土の自動三軸圧縮試験機」を導入した。この試験機はB値を上げる新技術を備え、B値を管理して飽和度を最適値まで上げる。圧縮装置は4機、セル室は4室となり、データ取り込みを全自動化して夜間・休日の無人試験も可能にした。旧試験機も並行稼働させ、生産性を高めた。

検査測定土の自動三軸圧縮試験機

事業の効果

  • 全工程を通して約1/3まで効率化
  • 圧縮装置数 1機→4機

新試験機によりB値を上げる新技術で測定精度が大きく高まり、全工程を通して試験時間は約1/3に効率化した。夜間・休日の無人試験も可能になった。同業他社との差別化に成功し、導入後は県外の案件も相談されるようになった。全自動制御による作業体制の改善は働き方改革にも結びついている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1993年の関連会社独立以来、石灰・土質試験のノウハウを基に地盤調査へ事業拡大したとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    防災需要の高まりや高精度・短納期への業界の努力に言及しており外部環境は読めるが、自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    課題はbarCU試験でB値が80%程度にしか上がらず最適値まで5日かかることと明示され、試験機導入で解決する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    全工程を約1/3まで効率化し、試験機を1機から4機にしたと具体的な数値が示されている。ただし付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    導入後も旧試験機を並行稼働させ、全自動制御や夜間無人試験で運用する体制が書かれているが、人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度・短納期という顧客ニーズに応えること、大分県外からの相談が来ている点など、選ばれる理由が事例から読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    ホームページ等を使った情報発信や営業力強化に触れているが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    B値管理や全自動制御による高精度化は同分野で差別化を図る内容だが、九州で導入例が少ないという程度で、付加価値の数値は示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    国土強靭化基本法やbarCU試験の増加、大分県のため池改修工事など、防災インフラに関わる国の補助理由が具体的に述べられている。

  • 費用対効果3

    作業時間が約1/3になったと効率化の効果は示されているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    全自動制御と無人試験によるデジタル化は読み取れるが、地域やサプライチェーン全体への波及効果は詳しく書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    防災・減災や国土強靭化への貢献はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    大分県の国東半島や県北地域のため池改修という地域特性に触れているが、地域経済成長や雇用創出への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高精度かつ納期短縮という顧客ニーズに応え、働き方改革にも繋げてさらなる生産性向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。