ものづくり補助金平成24年度島根県

車載用ギヤシャフトの生産能力の向上と低コスト化による市場シェア・販路の拡大

株式会社ファデコ

この事例のポイント

  • ギヤシャフトの生産量が増えているが、仕上げ部分を人の手で行っており、増産に対応できない状況だった。
  • 切削工程で行っていたローレット加工を切削から転造加工に切り替えるため、NC転造機と研削盤を追加し、各機械が連動する工程に改善した。
  • 転造加工機と研削盤による加工工程を確立し、仕上げ工程まで自動化したことで完全な自動化工程が完成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ファデコ
所在地島根県 安来市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数57人
資本金4,950万円
設立1972年

事業の背景

同社は直径3mmのシャフトなど小径シャフトを生産しており、パソコンや家電製品のハードディスクに使われるほか、特に欧州の自動車メーカーのミッション内のギヤシャフトにも使われている。従来から受注しているDCT用モーターのギヤシャフトは、この数年で生産が2倍以上に増加した。納入先メーカーの製品は米国市場でも認められ、今後も更なる増加が予想されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ギヤシャフトの生産量が増えているが、仕上げ部分を人の手で行っており、増産に対応できない状況だった。
  • 人手・技能切削工程は1台のCNC旋盤で素材から完成品まで行うが、バリ取りは人の手で行っており、増産のたびに人員を増やすとコスト面も含めて対応が厳しくなっていた。
  • 品質・精度切削加工ではバリの処理がネックとなっており、ローレット加工を切削から転造加工に切り替える必要があった。

やったこと

切削工程で行っていたローレット加工を切削から転造加工に切り替えるため、NC転造機と研削盤を追加し、各機械が連動する工程に改善した。転造加工と仕上げ研削の工程にオートローダーを設置して完全自動化を図った。転造では研磨代の確保、転造下径での盛り上げ量の調整ができないこと、歪の発生という3つの課題が生じ、様々な加工条件を試した。最終的にダイス(転造用治具)とワークのピッチを故意にずらすことで課題を解消し、精度の確保にもつながった。さらに研磨仕上げで用いる定寸装置が最終製品に傷を付けたため、その対策も行った。

事業の効果

転造加工機と研削盤による加工工程を確立し、仕上げ工程まで自動化したことで完全な自動化工程が完成した。これにより、切削後の仕上げを人が行っていた頃に比べて生産量の安定性が高まった。仕上げを担っていた人員は、人が必要な工程へ配置転換できた。今回加工対象となったギヤシャフトは更なる増産が予想されており、24時間稼働による対応も見込めるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.5 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決仕上げを人手で行い増産に対応できないという課題を示し、完全自動化で増産可能な工程を構築したと具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げに関する目標値は書かれておらず、増産の方向性がわずかにうかがえるだけである。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    従来受注のDCT用ギヤシャフトが数年で2倍以上に増え、今後も増加が見込まれると書かれ、既存事業との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    米国市場でも製品が認められ、欧州車向けの増産が予想されると書かれ、外部需要と自社の強みの関係が一部読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    仕上げを人手で行い増産に対応できないという課題を示し、完全自動化で増産可能な工程を構築したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げに関する目標値は書かれておらず、増産の方向性がわずかにうかがえるだけである。

  • 事業を進める体制3

    転造工程の条件出しに時間がかかり完成が遅れたと書かれ、体制と遂行の状況が一部読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    顧客は欧州自動車メーカーとあるが、製品価値や選ばれる理由を整理した記述はわずかにうかがえるだけである。

  • 事業化までの道筋3

    転造の課題(剥離・バリ・歪)に対しダイスとワークのピッチをずらす対策で解消した経緯が書かれ、課題解決の方法は具体的に読み取れる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    ギヤシャフトの普及度や分野内の高付加価値化について記述はなく、転造加工の新分野性がわずかにうかがえる程度である。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    米国や欧州の自動車向け需要増加に触れるが、国が補助する理由を示す波及効果や雇用創出の記述は少ない。

  • 費用対効果2

    人員増加ではコストが厳しいと書かれ、省人化による効率化の方向性はうかがえるが、費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    切削から転造への工程改善と自動化が書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    島根県安来市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は読み取れない。

今後の展望

機械で行うべき工程と人が行うべき工程の分離を進めることで、同社のさらなるポテンシャル拡大が期待できる。

事業者の声

今後更に求められる精度及び信頼性・コスト・納期を満足させ当社技術の一つの強みとして、本事業の成果を生かし続けたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。